2017-03-11 詠歌目録 うたよみ物件の手によるこの目録中の歌は クリエイティブ・コモンズ CC0 パブリック・ドメイン提供ライセンス のもとに公開・提供されています。商用・非商用を問わず誰でも自由に使用できます。 800 700 600 500 400 300 200 100 001 853. 夜さりに凛と花さく上古なる船は帰すらむ瀬田の唐はし 滋賀県大津市 建部大社 船幸祭 「じんりよう」 852. 暮れかかりにぎし秋津らみおやにもしみつ吾れにもしみつあなにや 奈良県御所市原谷 国見神社 「くにみ」 851. 野らうつは君とみこととやすらへる生業のつちみどりあざあざ 島根県安来市 能義神社 「のき」「やすぎ」 850. 告らすまま来たちめすくにやはらげて澄める君はや吟じまつらな 島根県安来市 能義神社 「のき」「やすぎ」 849. 人はみな花と生りにき さればおのおのにほふどち 杯なとどめそ 天平二年正月十三日 大宰帥宅 梅花宴 「そちのおきな」 848. やも垣の群やまふかし神さびのあらかいぶかし侘びのつれづれ 新潟県村上市荒川 荒川神社 「むらかみ」「あらかわ」 847. おとさやかくくる玉水 息すがら山峡なかば澱も澄むべし 徳島県三好市 奥祖谷二重かずら橋 「おくいや」「かずらばし」 846. 影は見えざれなづさへる風つ神 みいつはさやにたはぶる吾れと 岐阜県中津川市 風神神社 「かざかみ」 845. 頻く神はまたく祀りつ吾嬬はやながらへかてぬ仲らひあはれ 千葉県市原市 島穴神社 「しまあな」 844. あひしらふ根生ひこそなれさす針の木立な這ひそまつみなるまじ 千葉県市原市 姉埼神社 「あねさき」 843. 見晴るかす隠岐の胎うみ八尾の辺に船泊て並べよ神の御前に 島根県隠岐の島町 水祖神社「みおや」 842. このみよはわが終のみよ わが君の斎ひ布くみよ歴歳つまね 新元号 令和「れいわ」 841. 愛づるせなひるがへすごとてらふごと確けく告らすいろもいろなれ 阿遅鋤高日子根神のいろも 下照比売命 「したてるひめ」 840. 羽かはす鳴女の仇のどちなるかおやだにしらずただいろもしる 岐阜県美濃市大矢田 華堂神社 「はなど」「おやだ」 839. 越し雪の百代の御名さやにしく山かげいたき浅間の神なれ 浅間の神 木花咲耶比売 「このはなさくや」 838. こちごちの鄙にみやこに旅人守らるる道ゆきのさきはひ神なれ 道触り神 猿田彦大神 「さるたひこ」 837. けざやかに嘶け磨墨 及き及かれまどひもしらに競ひつぐとそ 福岡県岡垣町 景石神社 牧神社 「けいし」「まき」 836. 同行の甲斐はあらめや 霧りにける佐賀の行く方ながめかてぬに 長崎街道 三国境 「ながさきかいどう」 835. につかわし接ぎこのいよよ八入びて久の御衣と着さする神なれ 天降りし神 饒速日命 「にぎはやひ」 834. うぶすなの縁えらえらにのびしらひ歩廊はねけむなまりなつかし JR東日本 上野駅 「うえの」 833. 痴れ痴れし生いのさわりもながらえて報いたまえる地祇のおさなれ 葦原色許男神 大己貴命 「おおなむち」 832. 天なづるさちことごとに三つの山 ねもころごろに坐しましけらく 高知市 朝峯神社 「あさみね」 831. 東風にめす野らのひもろぎ 此の花と宣らす比売神 恋いざらめやも 埼玉県北葛飾郡杉戸町 木々子神社 「このこ」「すぎと」 830. 往にしにはくつわならびし時なるも夏のいくさは響もすばかりに 群馬県太田市 生品神社 「いくしな」 829. 生いまさりやまぬ草らはみんづりと野咲きけらしも にきしふつぬし 成田市松崎 二宮神社 「にのみや」「まんざき」 828. においつく野つち贄つち見あるくに八洲の子らはいよよ生いけり 成田市松崎 二宮神社 「にのみや」 827. 道ひきによばふ星こそ領けれ乾坤かれてみせぬきみはや 千葉県千葉市 千葉神社 「ちば」「みようけん」 826. 主柄にきざはしくだるさだめにも極めて斎う神そ見ゆべき 群馬県富岡市 一之宮貫前神社 「ぬきさき」 825. 冬さりによも明けにしにさやけ立つ富士見の散歩しらくなりけり 荒川区 日暮里富士見坂 「にしにつぽり」 824. 己がじしおとこ冥加につれあかれかさねかぎらふ犬の玉どち JR東日本 大塚駅 旧大塚村 「おおつか」 823. 見す水や人気めでたき浪士なるおのこゆめゆめ禊がざりけり JR東日本 目白駅 学習院 血洗いの池 「めじろ」 822. かたきどちだにもほふられ野ざらしに晩節過ぐすばかりなりけむ JR東日本 高田馬場駅 高田馬場の決闘 「たかだのばば」 821. 五州びと東瀛こすも競技やな かなわば奢る旅によりこそ JR東日本 高輪ゲートウェイ駅 「たかなわげーとうえい」 820. 御座ありにたわみし合歓もだんだんに平らぐみよと成らばうれしも 品川区東五反田 JR東日本 五反田駅 「ごたんだ」 819. 六が岳 墜つる夕陽は頑是なく伸す菜の花を焼きつくすごと 筑豊電鉄 遠賀野電停 菜の花大橋あたり 「おんがの」 818. 罷りなば礼うるわしく遠見ゆる神さびのうみ湛えまさねと 北九州市若松区 高塔山 洞海湾 「たかとうやま」 817. 橋たもと祀る比売御の神からにながれゆかまく堀の浅水 中間市 厳島神社 堀川の中間唐戸 「なかま」 816. おうすなるお伽の花もさかりよと聞かば恋ほしもゆるぎの松にも 品川区 大崎鎮守 居木神社 「おおさき」 815. 丘はらの小碓やしろのさきがけの雉子狩りかてにゆるぎの橋うら 品川区 大崎鎮守 居木神社 「おおさき」 814. うつくしみよする友がき 君が手にうらら晴るかし歳はみあれぬ 皇居 新年一般参賀 「とうきよう」 813. ほむすびの気は噴かまくにさるからにかなた榛名に湛えますらむ 群馬県高崎市 榛名神社 「たかさき」「はるな」 812. 凡ろかにおとない来たる東雲もかさね禾のみにみのらす神なれ ひととせの神 宇迦の神 大年神 「おおとしのかみ」 811. 利根なる御前ばしらの弥堅くもあたら乾びぬかなしきろかも 岩手県遠野市 綾織駒形神社 「あやおり」「こまがた」 810. いろ柑子よみ神ながらうづなえばえも枝々にのぼるつくよみ 愛媛県伊予市上野 伊予神社 「いようえの」 809. はや月は息ざし嗄れて萎えたるわがぼのくぼを嗤いふるらむ 岩手県一関市山目 配志和神社 「はいしわ」 808. ふとしらす七つ海八すみ高砂の松が枝さやぐばかりなりこそ 大阪市住吉区 船玉神社 「ふなたま」 807. むすどちは謂われの磐にしぐらいてふりさすれやもねびさすれやも 茨城県城里町 石船神社 「いしふね」 806. 草いくさまさる隼人ももどかしく虜と果てぬ 古虎の返しはや 熊本県熊本市 熊本城 「くまもと」 805. いくかえり波はよすれど樺太のつて知りかてに海つ霧ふる 北海道稚内市 宗谷岬 「わつかない」 804. ときめかし草ば蹴えこし神鬼どしまどろみ知らに阿波におどらに 阿波国 徳島県徳島市 「とくしま」 803. 鴛鴦も割くおいどのあらかとよ 終ど倦まずしり据う食き飲きのはて 福岡県大任町 道の駅 おおとう桜街道 「おおとうさくらかいどう」 802. 驕り咲くお片しららか訪いしらいうたかたつどうべきにしあらむも 福岡県大任町 道の駅 おおとう桜街道 「おおとうさくらかいどう」 801. 豊前坊 買い掛かるらん柚こしょう しば嗅がせてや人もよこさん 福岡県添田町 道の駅歓遊舎ひこさん 「かんゆうしやひこさん」 800. 勝ち軍 火を仕損じぬ 此つ方を惨に埋みぬ 役あけにしに 福岡県添田町 日田彦山線 彦山駅 「ひこさんえき」 ▲ 上に戻る ▲ 799. 巫の祈ぎすこぶる鳴すに慈悲知らにあたかも離るる迦毛の神なれ 迦毛大御神 阿遅鋤高日子根神 「あじすきたかひこね」 798. 花ばれん 淵瀬に艶に殖らば人気さからむその川筋の 福岡県田川市 風治八幡宮 「ふうじはちまん」 797. かえりみに峰さす陰をえも深めきょうのとばりときみはしくらむ 英彦山花園スロープカー 神駅 英彦山神宮 「かみえき」 796. かけくどく罔象の冴えもえらくまま清みはてなば何そこととはぬ 英彦山花園スロープカー 神駅 英彦山神宮 奉幣殿 「かみえき」 795. 勝ち速の御名も照りこむ兄の御子の来たつ日子の峰 にこ浴みに来よ 英彦山花園スロープカー 神駅 「かみえき」 794. はろばろに眺めおこせば善き子らの競いかけゆく学び舎のかげ 英彦山花園スロープカー 花駅 旧英彦山小学校校舎 「はなえき」 793. 春ふかみ生るしゃくなげの宴たけて清まわるごと人もほころべ 英彦山花園スロープカー 花駅 英彦山花園 「はなえき」 792. さしあおぐ千代の石道に笑む花もきみが手と見ゆ銅の鳥居ごし 英彦山花園スロープカー 幸駅 「さちえき」 791. 天つ籠さ上す方にちはやぶるえ男ませり来まさね乗らさね 英彦山花園スロープカー 幸駅 「さちえき」 790. 直心にめづる殿御とこのかみとそもことごとにわかつものかは 大阪府大阪市東成区 比売許曽神社 「ひめこそ」 789. なにはさて宣くままにかつぎこし探女の海に楼家なみたつ 摂津国風土記より難波高津 「なにはのたかつ」 788. 漉くがごと霧たつあした 石楠の船はたちなむ外浪逆浦 茨城県神栖市息栖 息栖神社 「いきす」 787. 天野川いきおいなごみ座す地の太敷くままに根さす磐かも 大阪府交野市 磐船神社 「いわふね」 786. 雨もよいののめくならばとりすえてふしてこもりて祈ぎたき神なれ 神の御座船 天鳥船神 「あめのとりふね」 785. おのづから落つるみづはよ是非もなく来座し廻らへ祖のひく御路 福岡県大刀洗町 大堰神社 床島堰 「おおぜき」 784. 生まれつつ死につつ積もるみずからを禊ぎ尽くさばいのち極まれ 久留米市御井朝妻 味水御井神社 「うましみずみい」 783. にこ晴れや雨師のまにまに笠やどり若魚あゆらむ水のまにまに 奈良県東吉野村 丹生川上神社中社 「にうかわかみ」 782. にわかにも浮かみし魚や吾が君の瓶にさし酔う水ささらぐに 奈良県東吉野村 丹生川上神社中社 「にうかわかみ」 781. ひた階や古事の誓ひに宣らさるる八つ子のをさの招かまく見ゆ 福岡県添田町 日子の山 「ひこのやま」 780. 日の真名子参じはたさん供奉ひとつうそぶきゆかんみそひと祝詞 福岡県添田町 英彦山神宮 「ひこさんじんぐう」 779. えも雄偉さらに纏えり神秘の門くくりゆきかね見愛であかねば 福岡県添田町 英彦山神宮 銅の鳥居 「かねのとりい」 778. いろは褪せざらむ いかにや萎ゆる 君見そなふ御代の吾はなくとも 三重県伊勢市 伊佐奈彌宮 「いざなみのみや」 777. いとし香 生せる黒髪のぞく眉やさしいろはよいづれ黄泉にて 三重県伊勢市 伊佐奈彌宮 「いざなみのみや」 776. やつこには祈みおおせつる身こそあれなつく心からいざようままに 三重県伊勢市 伊佐奈彌宮 「いざなみのみや」 775. いざさらば並みたつ祖に祈みしらへ 八千代に知らす八洲の子にして 三重県伊勢市 伊佐奈彌宮 「いざなみのみや」 774. 這いわたす縄のいわおの野屋しらら 幸くあります御子といろはと 三重県熊野市 花窟神社 「はなのいわや」 773. 去に飾りいたすいろはの守りふかみやよいの祖もましましあるらむ 福岡市西区 飯盛神社 飯盛山 「いいもりやま」 772. しくしげく鳴るさ敲くさ筒井筒しばしまことししな見せ申さな 滋賀県草津市 志那神社 「くさつ」「しな」 771. つれづれに参道ゆけばくらべ馬なつかしみ風しないたつ見ゆ 滋賀県草津市 志那神社 「くさつ」「しな」 770. 神の御座 久なる洲のみいくさの御先たまふやいづれ知らずも 三重県伊勢市 風日祈宮 「かざひのみのみや」 769. 神のわざひたむす時の海の寇の禊がせけむやただあらたかに 三重県伊勢市 風日祈宮 「かざひのみのみや」 768. 蒼いろはやや染む霜にたしなみてついに紅葉とたたみなすかも 奈良県三郷町 龍田大社 「たつたたいしや」 767. 山ぬしはしたふ肌こそいつくしめたたずまざらしそのみのからに 奈良県三郷町 龍田大社 「たつたたいしや」 766. なんとして風の追うまま向くままに立ちゆきかてぬ 息むみ安み 福岡県筑前町中牟田 朝倉街道 「ちくぜん」「なかむた」「やす」 765. 名にしおう竈の山に蒸し炊きのたなびく見ゆるうまやじうまし 福岡県筑前町中牟田 朝倉街道 「なかむた」 764. 春遠みまだきまだるき秋にこそ桜咲くらめ来らく隈なく 福岡県朝倉市馬田 キリン花園 「あさくら」「まだ」 763. 浅み深みくらべきぬれば破れ御輿まだき坐しまし高む水かも 福岡県朝倉市山田 三連水車の里あさくら 「あさくら」「やまだ」 762. 猛響み翔ける天ゆりおおらかにかけ賜わするみづち神なれ 山上の龍神 高淤加美神 「たかおかみ」 761. 誰がきみの平らぎにけむ い次ぎ召すしゃくしの飯のこわみ恋ほしみ 滋賀県多賀町 多賀大社 「たがたいしや」 760. 川辺なるみやしろ八雲たつ神のけだし貴なる若つ山鉾 大分県日田市若宮町 若宮神社 「わかみや」「たけだ」 759. 三隈川落ゆる香の魚たたえなば火に焼べてむや身から食らうに 大分県日田市 日田鮎やな場 「ひたあゆやなば」 758. つづら折る道にあればそ退きかてぬ 猿田の神のともないもがも 福岡県東峰村 つづみの里 「つづみのさと」 757. 地の子の瑞歯の尽くるのちまでも清かなれかし時じまほらま 福岡県東峰村 つづみの里 「つづみのさと」 756. 土の饗 みづはの謡 のどけきに幸く呼ばさね遠つ学び舎 福岡県東峰村 つづみの里 「つづみのさと」 755. あがまうる吾がみけつかみ告らまくに淡にさやかにやはいろめかぬ 阿波国 「あわのくに」 754. 見まくほし富士を恋ほしみつい詣でんつゆの逢瀬のかすみな天降り 千葉県富津市豊岡 訶具都智神社 「ふつつ」「しみんのもり」 753. のまばのめ のまば見せてんおとこ意地 干さば獲りなんみごとひとすじ 福岡市天神 黒田家臣 母里太兵衛屋敷跡 「てんじん」 752. 愛つづる籠の鳥 破りがてに去りねんごろ切れぬ かなしみあらか 福岡市天神 伊藤伝右衛門別邸 赤銅御殿跡 「あかがねごてん」 751. きみなくて雄飛尽くさん国ならじ さし照らさなん見なす月ゆり 福岡市天神 少林寺 月形洗蔵墓所 「てんじん」 750. くくりますらむ谷の瀬はおおどけて嵩も瑞めくみづち神なれ 峡谷の水の龍つ神 闇淤加美神 「くらおかみ」 749. 奥山はおのづ名におう八重ぐもり 天つ海はらむ降りみ降らずみ 神奈川県伊勢原市 大山阿夫利神社 「おおやまあふり」 748. 天のはら白な雲ひけ八咫烏 崗のいくさとみせよつばらに 福岡県芦屋町 神武天皇社 「あしや」 747. 気宇や真帆 うがちし八百日杲々とまばゆき末をえも幸うべし 筑豊電鉄 希望が丘高校前電停 「きぼうがおかこうこうまえ」 746. 肥ゆる日の久のおとない告げなくになびく穂むらに知るる神なれ 風の神 級長津彦命 「しなつひこ」 745. 名にしおういかづちがみの寝す宮のげにもあやにも鳴らざらめやも 神奈川県川崎市 稲毛神社 「いなげ」 744. こいしらいやさばむみ山たずぬれば聞こしたまえりやおらそほ降る 愛媛県今治市古谷 多伎神社 「いまばり」「こや」「たき」 743. いせすずか ほまれ名にたつ神の子は道触る一の矢 天降り往にし霊 三重県鈴鹿市 勝速日神社 「かつはやひ」 742. あし原のみづほの里に巴の字しきめぐみめぐらす水の比売なれ 水の比売神 罔象女 「みづはのめ」 741. えをとこに明かすは比売のわすあらか ひこばゆるごとにほふ君なれ 天降りきたりし女婿 天若日子 「あめのわかひこ」 740. おおいくさ磨ぐみつるぎにくらぶれば和幣にたりぬ祓の斬りしろ 京都府乙訓郡 小倉神社 「おとくに」「おぐら」 739. ただいのち吟ずるばかり しなの路の夏さる里の神の夕饗 長野県長野市信州新町 當信神社 「たぎしな」 738. はらからの乞いし二文字は峰のほとり 芦のみなもにたゆらなるらむ 神奈川県箱根町 箱根神社 「はこね」 737. 晴るかしし古往の寇にきざむ手のなお魂かぎる遥かの海かも 福岡県福岡市東区 筥崎宮 「はこざき」 736. 見す夜さの星こそともせ朝まだき雨の海石につやまされやも 島根県松江市美保関町 美保神社 「みほのせき」 735. いくみたま頻ける波はや澪ひかね いくはらからのその海なもとに 宮城県石巻市 石峰山石神社 「いしみねやまいその」 734. 乾し満ちの老翁のてびきに龍の宮 比売や珠やとる山幸彦なれ 日向三代 山幸彦 火照命 「ほおり」 733. 秀つ御子のでかすいざりの利根なる隼人な祖な海幸彦なれ 隼人の阿多君の祖つ神 火照命 「ほでり」 732. 八方の海しらぐる地にまなき音のたえては神もうせにけれやも 長崎県長崎市端島 端島神社 「はしま」 731. おろちばら振るうや全くしつけたる みごと羽々斬またなきつるぎろ 奈良県天理市 石上神宮 「ふつしみたま」 730. わくらばに鎮むむちのへのどめける御子は武蔵にやすくあるらむ 埼玉県久喜市 鷲宮神社 「わしのみや」 729. 出羽つ神ゆり裾し垂るどの道に桟雲かけて翔けりてしかも 山形県鶴岡市 湯殿山神社 「ゆどのさん」 728. まさきくに男児かえせる効験をつめばくすむか山つかそ神 熊本県荒尾市原万田 万田坑「まんだこう」 727. 鶴萩なおくつきゆかし道すがら祈む神いくさなおおくゆかし 信濃国更級郡 長谷神社下社 「さらしな」 726. わすれえぬ抱きそめのみ子み神めきやすけくならむあわじのいろはも 兵庫県神戸市 和田神社 「わだみや」 725. 一枝むさばや花ひらくまだし夢 黄泉ついろはよいづれまいらむ 島根県安来市 比婆山久米神社 「ひばやまくめ」 724. 睦月にはこがね鶏なく厄祓え 詣でな耳うつきくりひめ宮 兵庫県西宮市 六甲山神社 「むこやま」 723. つづはたちつづらばつづまるふるさとに幸いたまえる佐具比売さとし 和歌山県白浜町十九渕 平間神社 「つづらふち」 722. 荒魂の大賀褪すまじ﨟たけて緋びの菖蒲そ褐色づきなむ 兵庫県西宮市 廣田神社 「ひろた」 721. おのづから貴の子むすは吾が父がわかちの穢れ清む水の辺 宮崎県宮崎市 江田神社 「あわきがはら」 720. 犬鷲のひめく白山ましろなるやさし比売御にしらさるるまま 石川県白山市 白山比咩神社 「しらやまひめ」 719. つくよみは山の端よすがあかしつつ籠もるさ満つさまどいふるらん 山形県庄内町 月山神社 「がつさん」 718. あえぎつつ御達だきゆく三歳の吾子の火伏せに肌やかせつつ 京都府京都市右京区 愛宕神社 「あたごさん」 717. 火ろ奔り獅子たけびなばおんぞろか生まう孫の血は千重ならむ 長野県中野市 小内八幡神社 「おうちはちまん」 716. たびのはて恋ほしなにわのうたかたに礼しながめむしばのみ惜しみ 京街道 終ノ二 摂津国西成郡 高麗橋 「こうらいばし」 715. 今日なるは茨の原に枝折らいし祖ゆり子らへわたす橋とそ 京街道 終ノ一 摂津国東成郡 京橋 「きようばし」 714. 盛りたかく具する堤の千尋並み 安寝し寝さむ枕たかきに 京街道 五十七 河内国茨田郡 守口宿 「もりぐち」 713. 日しきりに乱がし水手よかわべなる田鶴もまね鳴くやよ食らわんか 京街道 五十六 河内国茨田郡 枚方宿 「ひらかた」 712. 世をまつるどしのならいか行く水に逆え綱ひくおのが荷ならぬに 京街道 五十五 山城国久世郡 淀宿 「よどしゆく」 711. 東風ふかばふさなる桃のしららかにみすみす咲う里にもがもや 京街道 五十四 山城国紀伊郡 伏見宿 「ふしみ」 710. なにはあれ追分おれて大坂へつづく旅みちおいらかにあれ 京街道 追分 近江国滋賀郡 大津宿 「おおつ」 709. 散人の用なきにしておもしろく折り旅しはてぬ 走る走るに 東海道五十三次 終 山城国愛宕郡 三條大橋 「さんじょうおおはし」 708. 風に散じ 波にかがよう鴨の青 お江戸の青はよくにてあるらし 東海道五十三次 終 山城国愛宕郡 三條大橋「さんじょうおおはし」 707. 参上もおのづにそぼつ尾羽かれて宿つぐ旅の大尾なりけり 東海道五十三次 終 山城国愛宕郡 三條大橋「さんじょうおおはし」 706. ひけよ水緒 淡海の真青さなでつつ旅枯るる身をひたせたおたお 東海道五十三次 五十三 近江国滋賀郡 大津宿 「おおつ」 705. みづはのめ遣せし饗のお寝り処は地にいだかれ冷やかなるらむ 東海道五十三次 五十三 近江国滋賀郡 大津宿 「おおつ」 704. おそはやも己がじしゆく終のみち 時つ神ただ綱ひくままに 東海道五十三次 五十三 近江国滋賀郡 大津宿 「おおつ」 703. くくむ手にさしくむなさけ尽くしつく母なかくれそ瑞歯さすとも 東海道五十三次 五十二 近江国栗太郡 草津宿 「くさつ」 702. たてば来ば幸くにぎわしく行くさくさ廻みつ渡りつ淡海しおおみ 東海道五十三次 五十二 近江国栗太郡 草津宿 「くさつ」 701. いく幸いたびに枕きにしいく夜べきょうもあしたとなりにけるかも 東海道五十三次 五十一 近江国甲賀郡 石部宿 「いしべ」 700. いのちあえ しじにし鎮むべきならばいせはさきがけ淡海はあとに 東海道五十三次 五十一 近江国甲賀郡 石部宿 「いしべ」 ▲ 上に戻る ▲ 699. なみの手にくみするものか力石 ただしららなる大井子の手に 東海道五十三次 五十 近江国甲賀郡 水口宿 「みなくち」 698. 愛し汝みましな干しそ みなぎらうくくりみにこそ幸うせもあれ 東海道五十三次 五十 近江国甲賀郡 水口宿 「みなくち」 697. つくばいし道触りの蟹の厄はらえ まろきあまきに益とけゆかね 東海道五十三次 四十九 近江国甲賀郡 土山宿 「つちやま」 696. つづらあめ千々にあもれり やわさかすますらお川に春をつみつつ 東海道五十三次 四十九 近江国甲賀郡 土山宿 「つちやま」 695. 山月よかのさま手びけ慕いつつした待つ御前をあわれと思わば 東海道五十三次 四十八 伊勢国鈴鹿郡 阪之下宿 「さかのした」 694. 峰もうたた色こき往にし法眼の筆を呑みしか言わねのさのさ 東海道五十三次 四十八 伊勢国鈴鹿郡 阪之下宿 「さかのした」 693. 背子の手ゆ軋めく山車の斎つ子らはくるめく闇にとけつうかびつ 東海道五十三次 四十七 伊勢国鈴鹿郡 関宿 「せきしゆく」 692. まれびとは急きてこそたて東雲の行くさのつゆは草に庵らふ 東海道五十三次 四十七 伊勢国鈴鹿郡 関宿 「せきしゆく」 691. いかで天かれと戴かめや さらば真秀にも非にもはたさざらむや 東海道五十三次 四十六 伊勢国鈴鹿郡 亀山宿 「かめやま」 690. 天降り華 やまし命の目離れ憂みかしろくつつむ心もおもても 東海道五十三次 四十六 伊勢国鈴鹿郡 亀山宿 「かめやま」 689. 浸む地によきおなごまし雨さはらす 載せつ積みつつ身を罪しろに 東海道五十三次 四十五 伊勢国鈴鹿郡 庄野宿 「しようの」 688. 天降りこし篠のやぶすま杳とうつ退かましあらしゆきすぎざらしに 東海道五十三次 四十五 伊勢国鈴鹿郡 庄野宿 「しようの」 687. 誣い言はくやしながらもいくかえりみからしららに咲うきみはや 東海道五十三次 四十四 伊勢国鈴鹿郡 石薬師宿 「いしやくし」 686. 医者ぼとけくすし縁もて衆生めき降りたちけらし三河あたりに 東海道五十三次 四十四 伊勢国鈴鹿郡 石薬師宿 「いしやくし」 685. 寝ぬる子もしゃくしも武士もしゅくしゅくと山の門たたく厄し祓えに 東海道五十三次 四十四 伊勢国鈴鹿郡 石薬師宿 「いしやくししゆく」 684. 捩づる手に杖つき坂のかいもなく地掻くみあしは三重に屈しけり 東海道五十三次 四十三 伊勢国三重郡 四日市宿 「よつかいち」 683. 捩づる手に杖つき坂のかいあらばい生りし国に道反すものから 東海道五十三次 四十三 伊勢国三重郡 四日市宿 「よつかいち」 682. 天つ海よ竜田のつかいいそぎたちとばしりまろぶその冴ゆる風に 東海道五十三次 四十三 伊勢国三重郡 四日市宿 「よつかいち」 681. くし神にわけて慎みはなけれどもみもすすくればめみえいづれに 東海道五十三次 四十二 伊勢国桑名郡 桑名宿 「くわな」 680. 波まくら咲う海面のくじり垣 やぐらあぐらに伊勢つ龍ます 東海道五十三次 四十二 伊勢国桑名郡 桑名宿 「くわな」 679. みなうらな八百うつ波な慰まく馴れ来な水泡ながらえもがな 東海道五十三次 七里の渡し 尾張国宮宿 伊勢国桑名宿「みや」「くわな」 678. 海ゆかば水漬くしきしま八重がすみ 七里の渡しゆくらゆくらに 東海道五十三次 四十一 尾張国愛知郡 宮宿 「みやしゆく」 677. くさなぎのゆかり尊み為出づるや まとう絞りに駒はねたける 東海道五十三次 四十一 尾張国愛知郡 宮宿 「みやしゆく」 676. 見さげこそ流転ぶる世のならいなれ秀つ弓取りのいかで褪せなむ 東海道五十三次 四十 尾張国愛知郡 鳴海宿 「なるみ」 675. やわき手の縫いみくくりみえもしぼる あわに溺れな においつくまで 東海道五十三次 四十 尾張国愛知郡 鳴海宿 「なるみ」 674. 間の宿 有松の店ながむれば瑠璃そにおえる見すぐべしやも 東海道五十三次 四十 尾張国愛知郡 鳴海宿 「なるみ」 673. うきしずみゆるぐ魚どちちりばめぬ 名にしおうその瑞垣のうち 東海道五十三次 三十九 三河国碧海郡 池鯉鮒宿 「ちりゆう」 672. 馬も吾もゆくえしらずま利口ます道の神にただいななくばかりに 東海道五十三次 三十九 三河国碧海郡 池鯉鮒宿 「ちりゆう」 671. 餞くる首夏の馬市 歯並み揺り鳴す鼻うたゆお里かたらう 東海道五十三次 三十九 三河国碧海郡 池鯉鮒宿 「ちりゆう」 670. 貴子ひとつ在ながらうる川なかに生うす竹刈り矢矧がせ励みき 東海道五十三次 三十八 三河国額田郡 岡崎宿 「おかざき」 669. 矢矧ばし気ざしいよだつ川むこう大きいくさのみあれ城みゆ 東海道五十三次 三十八 三河国額田郡 岡崎宿 「おかざき」 668. 犬子はふびんなりけり 獣のみのかわりなきにもすめら知らずま 東海道五十三次 三十七 三河国額田郡 藤川宿 「ふじかわ」 667. 伏しおがむ上意づくしの若つ駒 汝が背かさなも吾が尻いらすに 東海道五十三次 三十七 三河国額田郡 藤川宿 「ふじかわ」 666. あかなくにさびし入りの日かくれては置かるるみこそかなしうおじゃれ 東海道五十三次 三十六 三河国宝飯郡 赤阪宿 「あかさか」 665. 垢おとし酒な肴な魚な掻きがきの旅からたのしおじゃれ夜さこそ 東海道五十三次 三十六 三河国宝飯郡 赤阪宿 「あかさか」 664. 行くかたにしき松並まばごゆるりと見に入るよろし狐の御饗 東海道五十三次 三十五 三河国宝飯郡 御油宿 「ごゆしゆく」 663. ゆくりかにしがらみかけてゆきつきてござるおじゃれに日も隠るらむ 東海道五十三次 三十五 三河国宝飯郡 御油宿 「ごゆしゆく」 662. よき地に頻く頻くわたす大橋はくくる水さえ豊々まさりぬ 東海道五十三次 三十四 三河国渥美郡 吉田宿 「よしだ」 661. 天のした領かぬ身なれど台閣にしもじもみれば世はこともなし 東海道五十三次 三十四 三河国渥美郡 吉田宿 「よしだ」 660. いく山河ふみこしくれば頼りなきわがはらたまら 来よかしわ餅 東海道五十三次 三十三 三河国渥美郡 二川宿 「ふたがわ」 659. 吾妹どちたがい連ねにふる風は心に影さし色いけるかも 東海道五十三次 三十三 三河国渥美郡 二川宿 「ふたがわ」 658. 永久なるは六道またぎし菩薩すらもてわずらうかあやかしづくとは 東海道五十三次 三十二 遠江国浜名郡 白須賀宿 「しらすか」 657. 離れ来てはすなわち離るらし まさら汐見の阪に遠つうみ見ゆ 東海道五十三次 三十二 遠江国浜名郡 白須賀宿 「しらすか」 656. すべるごとはかゆく海の緒今切れば埒あけもがも改めしげきに 東海道五十三次 三十一 遠江国敷知郡 荒井宿 「あらい」 655. はやあしにかぶる埃は今切に楽の船路そありがたげなる 東海道五十三次 三十一 遠江国敷知郡 荒井宿 「あらい」 654. 徒がちにさはしるあせは今切にひるめ耀う青海さはしる 東海道五十三次 三十 遠江国敷知郡 舞坂宿 「まいさか」 653. えも青む遠つ淡海の今切の爽だつうらにかすむ白富士 東海道五十三次 三十 遠江国敷知郡 舞坂宿 「まいさか」 652. 八幡の真白ぎつねのつまみなば敷知の許部松ざざんざ唄わね 東海道五十三次 二十九 遠江国敷知郡 濱松宿 「はままつ」 651. 火のどちはあい知らぬまま聞かぬまま世ごと焼べつつあいぬくめゆく 東海道五十三次 二十九 遠江国敷知郡 濱松宿 「はままつ」 650. あなおそろ 怪異の哭き女の恙まく御族のいかで禍つ日よきむ 東海道五十三次 二十八 遠江国磐田郡 見附宿 「みつけ」 649. 蹴るあしの地の子なれば水漬くやも 馬子のくどきも煙ととくらむ 東海道五十三次 二十八 遠江国磐田郡 見附宿 「みつけ」 648. ふりだしゆ陸に山河に一会ごしいままなかいに真中の宿みゆ 東海道五十三次 二十七 遠江国山名郡 袋井宿 「ふくろい」 647. 行きさしの路次の竈つ火にくすぶるも風狂ならむや遠つ鳥子ろ 東海道五十三次 二十七 遠江国山名郡 袋井宿 「ふくろい」 646. かぞうれば日長くなりぬ吾が旅は あした渡れど倉真と言いしに 東海道五十三次 二十六 遠江国佐野郡 掛川宿 「かけがわ」 645. 寄す処なき凧にしあらば宙をかけ参り来てしが秋葉やまぎわ 東海道五十三次 二十六 遠江国佐野郡 掛川宿 「かけがわ」 644. 魂尽くるにも母ごころ尽きざらし 佐夜の中山かなし石泣く 東海道五十三次 二十五 遠江国佐野郡 日坂宿 「につさか」 643. 山の辺の佐夜鹿まさか嵩ゆくさ五百つ松見つべきに見え来に 東海道五十三次 二十五 遠江国佐野郡 日坂宿 「につさか」 642. 徒歩よどみなぞりし道こそ八尋なれ淡海のいまだ遠つと宣ばく 東海道五十三次 二十四 遠江国榛原郡 金谷宿 「かなや」 641. 如何にしかやどらむ ゆかなゆかばはや喉もとすぐる国方の道 東海道五十三次 二十四 遠江国榛原郡 金谷宿 「かなや」 640. 洒落めかす髷も曲げえぬ段取りにまろうど咲くや あめうらみつつ 東海道五十三次 二十三 駿河国志太郡 嶋田宿 「しまだ」 639. 宿ゆかば真一の竜の大名もとぐろまきけり渡しづまりに 東海道五十三次 二十三 駿河国志太郡 嶋田宿 「しまだ」 638. 吹きかえす侍衛の恩の大なれば伊勢ゆ駿河の白子かんじょう 東海道五十三次 二十二 駿河国志太郡 藤枝宿 「ふじえだ」 637. 人馬荷駄あふれば上うえさばくまじ いかでか駅夫かろむべしやも 東海道五十三次 二十二 駿河国志太郡 藤枝宿 「ふじえだ」 636. みやこ落つべきとが負いしかなし身の男ながめし駿河なるかも 東海道五十三次 二十一 駿河国志太郡 岡部宿 「おかべ」 635. 宇津之山ゆきゆきみれば奥つ方かすか里めくべし いき延びぬ 東海道五十三次 二十一 駿河国志太郡 岡部宿 「おかべ」 634. とろろ汁はめばあなうま いかばかり肥ゆるや芋こ みがらするがに 東海道五十三次 二十 駿河国有渡郡 鞠子宿 「まりこ」 633. まなかいに律儀の春はことといてうぶのつぼみをはらませてあり 東海道五十三次 二十 駿河国有渡郡 鞠子宿 「まりこ」 632. 時な来とふる砂糖こそ馳走なれ言う名もたかき五文どりやな 東海道五十三次 十九 駿河国有渡郡 府中宿 「ふちゆう」 631. 山に川 符牒とおしてゆくがごとうらら晴るかす安倍の渡しろ 東海道五十三次 十九 駿河国有渡郡 府中宿 「ふちゆう」 630. えにかけし上手の舞はりりしくも艶らなりけむ見まくしもがも 東海道五十三次 十八 駿河国庵原郡 江尻宿 「えじり」 629. 七重八重 神のかよい路あてまさり見惚るるままに天降りこしけむ 東海道五十三次 十八 駿河国庵原郡 江尻宿 「えじり」 628. 現つ海は帆船はしらせえも青む上古の松は隆と潮じむ 東海道五十三次 十八 駿河国庵原郡 江尻宿 「えじり」 627. おとにきく許奴美の浜とつゆしらずきみをまつ海そおのづ潮たるる 東海道五十三次 十七 駿河国庵原郡 興津宿 「おきつ」 626. たぢからお助けそあるべき 息みつつ舁く川越しはなえまろびなむ 東海道五十三次 十七 駿河国庵原郡 興津宿 「おきつ」 625. 雪富士はいただき晴れて手裏のうち くぐむ松が枝すきてそ映えける 東海道五十三次 十六 駿河国庵原郡 由井宿 「ゆいしゆく」 624. 嶺の端ゆのぞむ富士美し ふるびゆく人みすぐして時じくしあらむ 東海道五十三次 十六 駿河国庵原郡 由井宿 「ゆいしゆく」 623. かさみ雪 晩されば寒らかに凍み墨まく天は地に墜ち暗れぬ 東海道五十三次 十五 駿河国庵原郡 蒲原宿 「かんばら」 622. 道すがら時に暮るれば六つ天花しろ敷く里に宿るべからむ 東海道五十三次 十五 駿河国庵原郡 蒲原宿 「かんばら」 621. うまの背によする身のから尻あわせ咲うやからは弓手みてけり 東海道五十三次 十四 駿河国富士郡 吉原宿 「よしわら」 620. よせかくる潮いまわしみ海を離るらむ あなめずら ひだり富士みゆ 東海道五十三次 十四 駿河国富士郡 吉原宿 「よしわら」 619. 晴れさせば白な富士みゆ ゆく人の吐く音も知らに白むあしたに 東海道五十三次 十三 駿河国駿東郡 原宿 「はらしゆく」 618. 田鶴どもはすれてあるらし朝明ゆく高嶺もい見ず地を喰いけり 東海道五十三次 十三 駿河国駿東郡 原宿 「はらしゆく」 617. ぬか星は枕くやことしりづらにます心かげ見せぬ貴のみことと 東海道五十三次 十二 駿河国駿東郡 沼津宿 「ぬまづ」 616. ぬばたまの真宵どき道づれひとつ まろきつくよみ旧きともがき 東海道五十三次 十二 駿河国駿東郡 沼津宿 「ぬまづ」 615. 暮れてこそさびし狩野川づたいなれ まれびとさやにぬるむ宿り灯 東海道五十三次 十二 駿河国駿東郡 沼津宿 「ぬまづ」 614. 月読のてらすうつしみ濡るる三枚橋 こころづからゆらめく 東海道五十三次 十二 駿河国駿東郡 沼津宿 「ぬまづ」 613. あさきよみ神のこぼしし瑞の玉 千々にほどけて霧りにけるかも 東海道五十三次 十一 伊豆国君沢郡 三島宿 「みしま」 612. みやしろは鎮に冴えつつ まろうどはしのに去りつつ あさは醒めゆく 東海道五十三次 十一 伊豆国君沢郡 三島宿 「みしま」 611. はてしれぬこの峠みち拗けみち 音にはなくまじ蟻にしならむ 東海道五十三次 十 相模国足下郡 箱根宿 「はこね」 610. 百代を湖水におとす嶺らならで一会のなみだ地におとしけり 東海道五十三次 十 相模国足下郡 箱根宿 「はこね」 609. 雷公の走り過ぎては穏しめき奏瑞きたる 早き雲かも 東海道五十三次 九 相模国足下郡 小田原宿 「おだわら」 608. おのづ神だのみ とくとく咲わなも うずめこ舞わね ちからお手引かね 東海道五十三次 九 相模国足下郡 小田原宿 「おだわら」 607. 大きなる台閣みれば童げにせく旅ごころ疾くわたさなも 東海道五十三次 九 相模国足下郡 小田原宿 「おだわら」 606. 酒匂川 穏しみ徒の渡しにも楽土の弥陀の肖えのあるらむ 東海道五十三次 九 相模国足下郡 小田原宿 「おだわら」 605. 祖つらを庵におもえば宙うちて鴫たつみゆる西行のみち 東海道五十三次 八 相模国淘綾郡 大磯宿 「おおいそ」 604. さつき野に生おせるあめはいらつめのそでをあふれてふりしきるかも 東海道五十三次 八 相模国淘綾郡 大磯宿 「おおいそ」 603. 舟待ちにひらくながめについいづるかぶり白らの富士そめでたき 東海道五十三次 七 相模国大住郡 平塚宿 「ひらつか」 602. 飛脚ろは捉まらざるごと駕籠かきは徒然のごと縄手道ゆく 東海道五十三次 七 相模国大住郡 平塚宿 「ひらつか」 601. ひく道はつららに折れて韓の山なじむ相模の澄みの地かも 東海道五十三次 七 相模国大住郡 平塚宿 「ひらつか」 600. 茶話にきく時政の神の吹きけらしべんてん鳥居の息かぐわしも 東海道五十三次 六 相模国高座郡 藤澤宿 「ふじさわ」 ▲ 上に戻る ▲ 599. この道は咲う宿世のさきがけと時衆のおどりの踏みあけてけむ 東海道五十三次 六 相模国高座郡 藤澤宿 「ふじさわ」 598. 時ならば月はおのづに懸かるべし 人もやすらえ旅まくら初め 東海道五十三次 五 相模国鎌倉郡 戸塚宿 「とつか」 597. 乏しみに継ぐ衣もつがずかけきたるおとこ思ほゆ 茶屋の軒端に 東海道五十三次 五 相模国鎌倉郡 戸塚宿 「とつか」 596. まほかたほ見ばはおとれどここに吾がみのから一夜枕きておじゃらむ 東海道五十三次 四 武蔵国橘樹郡 保土ヶ谷宿 「ほどがや」 595. 帷子や延るはしの柄いしみ宿むらたちて町はしあらたし 東海道五十三次 四 武蔵国橘樹郡 保土ヶ谷宿 「ほどがや」 594. 風神は凪もあらしもわがままに海はしるらし白帆はらまゆ 東海道五十三次 三 武蔵国橘樹郡 神奈川宿 「かながわ」 593. かぐわしみ眺めあかざるわたのはら 眺めあかさむ台の旅籠に 東海道五十三次 三 武蔵国橘樹郡 神奈川宿 「かながわ」 592. 水夫ゆらり渡す流れに棹させば聞かまくほしき小唄ひとふし 東海道五十三次 二 武蔵国橘樹郡 川崎宿 「かわさき」 591. 六郷や架けてながれて渡し舟さ走る水のきょうのぬるさよ 東海道五十三次 二 武蔵国橘樹郡 川崎宿 「かわさき」 590. 白ちどり 汝が身にあらばわたす瀬も飛びゆかましを 草鞋すりけり 東海道五十三次 一 武蔵国荏原郡 品川宿 「しながわ」 589. わたのはら ながむるどちの白ちどり ともにゆかむや やよみやこ詣で 東海道五十三次 一 武蔵国荏原郡 品川宿 「しながわ」 588. わざとめきながす列らのしんがりの過ぎて笑きなむ武家さだめよな 東海道五十三次 一 武蔵国荏原郡 品川宿 「しながわ」 587. 白帆船 ながき旅ゆり吾が子がり今しもどれば子らをまつらむ 東海道五十三次 一 武蔵国荏原郡 品川宿 「しながわ」 586. わたつみよ 汝がささげたる敷島の道ふむわれそ ながめさせなも 東海道五十三次 一 武蔵国荏原郡 品川宿 「しながわ」 585. 道みちの神のまにまに贄まかば奔走あるべし しばいとませむ 東海道五十三次 始 武蔵国豊島郡 日本橋 「にほんばし」 584. いや真秀に豪気と呼ばんながながし列ら見まほし犬児も待ちかぬ 東海道五十三次 始 武蔵国豊島郡 日本橋 「にほんばし」 583. ほにめでた 万国万戸しらしめす万道の祖よ おのづ旅なれ 東海道五十三次 始 武蔵国豊島郡 日本橋 「にほんばし」 582. たらしひめだれか詠まむやいざ子どもふるにあらたに御言たたえな 福岡県太宰府市 大宰府政庁跡 「だざいふ」 581. 駄目を踏まざりしおのこのいかにかは腑にし落つべき酒くまなくに 福岡県太宰府市 大宰府政庁跡 「だざいふ」 580. 堕転めくざまをみるこそ因果なれ不遇なぐさむ花しららかに 福岡県太宰府市 太宰府天満宮 「だざいふてんまんぐう」 579. 垂乳女は無為にありこそ うつくしむほむらの御子とむつみありこそ 三重県熊野市 産田神社 「うぶた」 578. 善哉にあらぬ身すがらいかでかは洗わざるやは浸け代なきにも 神奈川県鎌倉市 銭洗弁財天宇賀福神社 「ぜにあらい」 577. 炉にあかくくぶるほむらのうらはらにことのは鎮むる男ありけり 福岡県飯塚市幸袋 旧伊藤伝右衛門邸 「こうぶくろ」 576. 恋いそめし初心にいろさす黒髪のなさけおもえばももとせの月 福岡県飯塚市幸袋 旧伊藤伝右衛門邸 「こうぶくろ」 575. さりとてはしらぬべきやは栲幡の清らにむすぶかみの垂水ろ 山梨県富士河口湖町 母の白滝神社 「ははのしらたき」 574. 月読の無聊めかして澄まざれば思い寝すらむ浪のしとねに 滋賀県長浜市 竹生島 都久夫須麻神社 「つくぶすま」 573. さき奇しきわが道なれといにしえの行者たぎつか海をいつくしみ 新潟県村上市岩ヶ崎 多岐神社 「いわがさき」 572. あか御衣 さ走るつやもまぐわしく稚児は舞いけり 山や鎮まな 山梨県富士河口湖町 河口浅間神社 「かわぐちあさま」 571. ひかり透くのどけき杜に奇しあらか真幸なあらかならびたちます 和歌山県和歌山市 日前神宮・國懸神宮 「ひのくま」「くにかかす」 570. 食すつちにおのづかかやくみいつどち 夏のお旅の伴だちろかも 石川県金沢市 大野湊神社 「おおのみなと」 569. 天降りこしつゆひとときにふる里のなき身となりぬ なぐさみもがも 京都府京丹後市 奈具神社 「ふなきなぐ」 568. 天降りつく樹雨憑き漬く頒じふだ 山道ものかは吾家まつらむ 静岡県浜松市 秋葉山本宮秋葉神社 「あきはさん」 567. ほのけぶるお湯屋ごもりにほの浴むや目かどゆるばむかそもいろはも 大分県別府市 火男火売神社 「ほのおほのめ」 566. うたかたの同舟なりしも万鈞の橋かかりたり二千里のさき 鳴門市大麻町板東 大麻比古神社 「ばんどう」 565. あさからぬおひげの佐のお懇志と水はたたえよ ゆめにも涸るな 徳島県鳴門市 大麻比古神社 「おおあさひこ」 564. おかしばむお山も花もたまゆらの春を遊ばな明日そたちなむ 宮城県大河原町 大高山神社 「おおたかやま」 563. 地にひとつ柳しあらば道引きな神のあらかと見ゆる河曲ろ 三重県鈴鹿市 都波岐奈加等神社 「つばきなかと」 562. 咬み奔るみいつは宙をそぎてあり おおなむち波 すくなひこ波 茨城県大洗町 大洗磯前神社 「かみいそ」 561. 沖つはて蒼褪むる世のいらつ神 ま一度むすべ玉友垣こそ 茨城県大洗町 大洗磯前神社 「おおあらい」 560. かむさびのみゆき迎えぬよしやある 真幸く道ひく熊のかしらそ 福岡県遠賀郡岡垣町 山崎神社 「みよし」「やまさき」 559. 風ぬるむべし 入り江ながまし 春は時じみどりこ 比売によすらむ 佐賀県唐津市 加部島 田島神社 「かべしま」 558. みけつ神しましいまほし真菰しく田居の屠蘇うちしやるまにまに 静岡県三島市 三嶋大社 「みしまたいしや」 557. 高てらす郎君いませど亡八の寓居となすこそかたじけなけれ 滋賀県東近江市 太郎坊宮 「たろうぼうぐう」 556. いくさごし酌みてはかやす醸みの神酒 天かみ地かみひとつやねどち 静岡県浜松市 五社神社・諏訪神社 「ごしや」「すわ」 555. 花も実も咲う稲荷そよかるべき とくといればや目にも肚にも 愛知県豊川市 豊川稲荷 「とよかわ」 554. 名にしおうあべこべ神は目の鞘もさ外れさるるめぐし女子なれ 天邪鬼の由 天探女 「あめのさぐめ」 553. わが貴のいろねのすすぐ御許こそ田心の川と田子の呼びけめ 栃木県小山市 思川 「おもいがわ」 552. 天孫のかたえの花をおかざればかげしもい見ず春を待つらむ 富山県高岡市 射水神社 「かたおか」「いみず」 551. 沓手の音しばかけゆかば青む海しばふす神と見むよしもがも 北九州市戸畑区 戸畑恵美須神社 「とばた」 550. ひとひらにかげを偲ばば沖さくる祖よいろ兄よまとかなれかし 奈良県天理市 大和神社 「おおやまと」 549. あだならず目の子にはかる秀つ神にひたぶるこころささげし御子なれ 国つ神の朋友 天穂日命 「あめのほひ」 548. わたなかにかがよう玉を祀りしに詣でて目にしむ洞の青海 北九州市若松区 若松恵比須神社 「わかまつ」 547. ととの子のつむぐえにしもまわりゆきかえましょの音のわく師走かも 北九州市若松区 若松恵比須神社 「わかまつ」 546. てんでんにしつらう船はのどやかに御益みのらす稲ひとたばに 京都府京都市下京区 五條天神社 「てんしのみや」 545. 遠ちはるか 君をしたいし地の子は目なら口ならわれにも似てけむ 奈良県橿原市 橿原神宮 「かしはら」 544. 澄む月をくくりてうつす海の浦 いにしの人と見るもやいかも 兵庫県淡路市 岩樟神社 「いわくす」 543. 仄さ湧く泡しもみえぬ大いにし いろは知らずまいろはいざなう 兵庫県南あわじ市 沼島 おのころ神社 「ぬしま」 542. 武の地の神ほく武者のわかぶりの御影おもわば鐘もときめけ 西武新宿線 本川越駅 「ほんかわごえ」 541. 白髭の神よ わらべらかいなさす土のお神楽みな見おおせに 西武新宿線 南大塚駅 大袋白髭神社 「みなみおおつか」 540. 神算の矢たけびたてば勝りざま落ちてはらめく扇谷そ 西武新宿線 新狭山駅 三ツ木原古戦場 「しんさやま」 539. ひとよぎり散る大輪のゆかしさや かげろう入間川の辺うるわし 西武新宿線 狭山市駅 入間川 七夕祭り「さやまし」 538. ほりかねの武蔵の玉井七曲がり吾が足ななえそまろばば呑まる 西武新宿線 入曽駅 七曲井 「いりそ」 537. ざわだてる児ろどもあかす神灯に火伏せの神も母とあるらむ 西武新宿線 新所沢駅 愛宕権現社 「しんところざわ」 536. ここちよく植うる芝ふむ崩えこみに雲海翔けしつばさ跳ねけむ 西武新宿線 航空公園駅 「こうくうこうえん」 535. うこづける供じの庭の植え込みも紺天かけし寝目に青まむ 西武新宿線 航空公園駅 「こうくうこうえん」 534. あずま征く小碓のみわざ晒れしころ おややかなしと天あおぎけむ 西武新宿線 所沢駅 所澤神明社 「ところざわ」 533. 半ドンの日が落ちゆきてしむらなるやさおとこ世にまして郷祝く 西武新宿線 東村山駅 「ひがしむらやま」 532. 晴れの間や花そ待つらむ訪いてしが まみえばよき日菖蒲しむべし 西武新宿線 東村山駅 北山公園 東村山菖蒲まつり 「ひがしむらやま」 531. 草の子の芽吹くばかりを頑是なくわらべふみゆく影やわらかに 西武新宿線 久米川駅 空堀川 「くめがわ」 530. 木霊づくいのりの杜の濫觴はただわがままに干ずみ満たずみ 西武新宿線 小平駅 小平霊園 さいかち窪 「こだいら」 529. はなり髪こがるる春のねをとえばいろもさかりににおうらむかも 西武新宿線 花小金井駅 小金井桜 「はなこがねい」 528. 玉真水ながれこしかば級戸辺の風しなやかに里めぐりけむ 西武新宿線 田無駅 田無神社 「たなし」 527. やさし眉ぎわ 現つ世の無為なれと青雲の技師統ばりし人の 西武新宿線 西武柳沢駅 旧中島飛行機 「せいぶやぎさわ」 526. 日にすがしふさに立ち並む朱の御門 みけつ御神はなじみてあるらし 西武新宿線 東伏見駅 東伏見稲荷神社 「ひがしふしみ」 525. 天てらす祖のまにまにむすばるるさらの水よせ島は雅びき 西武新宿線 武蔵関駅 武蔵関公園 天祖若宮八幡宮 「むさしせき」 524. 神し身に益をたのまば陣にいづ 往にしもおなじ巴水の月なれ 西武新宿線 上石神井駅 石神井城 愛宕山城 「かみしやくじい」 523. 神さびて斎串ささげば小枝ふる 八幡の神の戯れてあるらし 西武新宿線 上井草駅 井草八幡宮 「かみいぐさ」 522. いかで舌べろ餅はまな いちしろき祖つやしろの御賜いただかな 西武新宿線 井荻駅 中瀬天祖神社 「いおぎ」 521. 相模ゆり具してうつりし一党もすえ見守るらし木立かさめく 西武新宿線 下井草駅 銀杏稲荷神社 「しもいぐさ」 520. 晒れのはて御意にかないし祈み人に陸奥のあか八重とつみけむ 西武新宿線 鷺ノ宮駅 鷺宮八幡神社 「さぎのみや」 519. 祖柄のとりなしありて集う子の顔あらたしく青陽さかりぬ 西武新宿線 都立家政駅 「とりつかせい」 518. 祈みおがみ願かけむすぶたなごころ 神むすひなれ人の心こそ 西武新宿線 野方駅 笑い地蔵 願掛け地蔵 「のがた」 517. 幣はらえ まぶのこしらえ 黒の鹿毛 武者は討ちいづ江古田原さし 西武新宿線 沼袋駅 沼袋氷川神社 江古田原合戦 「ぬまぶくろ」 516. あくびさすらし北の風忌し日も 野営のきわみたきびあたらな 西武新宿線 新井薬師前駅 「あらいやくしまえ」 515. ながれぐも風にさすらういくとせのついのすみかもやがて去にけり 西武新宿線 中井駅 林芙美子記念館 「なかい」 514. あい坐せる遠ちのつまごみ詣でなばしば垣間みむその閨ぐるみ 西武新宿線 下落合駅 下落合氷川神社 「しもおちあい」 513. 篁のだれそまつれば里の姥おのづ詣づるか 三祇なるらむ 西武新宿線 高田馬場駅 新宿諏訪神社 「たかだのばば」 512. 天の原ゆふりさけみれば星河なるいや点じゆく武州の夜さりそ 西武新宿線 西武新宿駅 「せいぶしんじゆく」 511. いわいどち諏訪のみまえに洒落めかし致せおくんち囃せ万歳 長崎県長崎市 鎮西大社諏訪神社 「ちんぜい」「たいしや」 510. われ結びかましごんぞは詰め離れ斎きの比売をこい慕いけむ 北九州市若松区 厳島神社 旧ごんぞう小屋 「わかまつ」 509. 鎮神に旗巻かせける益あればまして豪めく葵の宮なれ 静岡市葵区 賤機山 静岡浅間神社 「しずはたやま」 508. しまし生る月よ潮にも淡海にもおとないともしき比売をなぐさめ 滋賀県近江八幡市沖島町 奥津嶋神社 「おきつしま」 507. 吾が背子の似つくいろせをこらさんとうたえばいろもふる敷島路 栃木県日光市 日光二荒山神社 「につこう」「ふたらさん」 506. 八つ宮に八つ子そろわぬ乳飲みどち いづこいつくか活津彦根子 神戸市 生田裔神八社 一宮神社 「いちのみや」 505. 春みゆき一重八重の枝 君おしみ御車やらず転めかしけり 京都市東山区清水 地主神社 「きよみず」 504. 夏さりて霖雨ばかりの訪う日には隠れし子らの何そ思ほゆる 徳島県美馬市 中鳥 伊射奈美神社 「なかとり」 503. 神つ代にむちのひきける利益もてまろうど癒ゆる道後なるかも 愛媛県松山市冠山 湯神社 「かんむりやま」 502. うろあさり郡下にさかり尽期さりまつりし灯り宿り去にけり 福岡県北九州市八幡西区 旧大辻炭鉱 山神宮 「やまじんぐう」 501. 伊予の潮いろこの真青荒びをなみ父の鎮みし瀬戸はまほらま 愛媛県 大三島 大山祇神社 「おおみしま」 500. やまとさしまれびと崗を出にしかば落日いろう神代なるかも 筑前国遠賀郡 山寺 王子神社 「やまでら」 ▲ 上に戻る ▲ 499. おろがまな 父の御夜を抱きてけむ寓処のなごりうつす皇庭 福岡県北九州市八幡西区黒崎 岡田神社 「おかだぐう」 498. 仇し世の貴家は千尋の水の辺にやつれ幽るるしるしなりけり 長野県 諏訪大社 下社秋宮 「あきみや」 497. 西むこう間近く皇居ありますと耳にはしれど目にはしかざり 東海道新幹線 東京駅 「とうきよう」 496. 広重の日之出の青にわざむすぶ長鼻駕籠も頻るべかめり 東海道新幹線 中央新幹線 品川駅 「しながわ」 495. ひのもとの輿車のおこりに今昔を馳せてまだきに枕く旅すがら 東海道新幹線 新横浜駅 「しんよこはま」 494. 二重めく物見はしらに八雲たつ五天のはてをながめてしかも 東海道新幹線 名古屋駅 「なごや」 493. 旧都はやよぎればしろき灯心のかさもすくなむ史ししのはゆ 東海道新幹線 京都駅 「きようと」 492. なにはあれ淀のむこうにさかえたる御地ふまぬはおしくあるかも 東海道新幹線 新大阪駅 「しんおおさか」 491. 深山に行李をほどくべきならむ 天かけるその曳舟むすべば 山陽新幹線 新神戸駅 「しんこうべ」 490. 鬼首の宅つ神らはまかねふく吉備の神奈備 みすぐみすみす 山陽新幹線 岡山駅 「おかやま」 489. 閃きのしきてあめつち全からず 昭和二十年八月六日ゆ 山陽新幹線 広島駅 「ひろしま」 488. 突ごつのくすし入り江に大和なるいにしのかげやおぼろに見べき 山陽新幹線 徳山駅 「とくやま」 487. こす波をくくればひびく雷鼓はや離りてひらくこの秋津島 山陽新幹線 小倉駅 「こくら」 486. 防人はいくよ寝ぬるかこちかなたまどろみのうちいたる旅路に 山陽新幹線 博多駅 「はかた」 485. 奉拝に能わざらむやわが父は上古の島に幽りたまいき 兵庫県淡路市多賀 伊弉諾神宮 「あわじ」「たが」 484. 託す地にはたたく子らの千々なれと秘めて乞うらむすめら母なれ 天忍穂耳命の奥方 栲幡千千姫命 「たくはたちぢひめ」 483. うす紅の冴えなまめかしはちす花 万夏いろえね神の朝みけ 大分県宇佐市 宇佐神宮 「うさ」「はちまん」 482. 召し具するすめのつるぎがくるめくや皇子は討ちいづ仇の叢草 駿河国 焼津神社 「するが」「やいづ」 481. 結う庵に閉じて斎きし奇し媛もいまは命となりにけるかも 佐賀県鹿島市 祐徳稲荷神社 「ゆうとくいなり」 480. におやかにしぶく宮水飲めばささ身も清まわる厄祓えやな 兵庫県西宮市 西宮神社 「にしのみや」 479. この海は真青なれかし長けくに磐座の根の細らざるごと 京都府宮津市 籠神社奥宮 真名井神社「この」「まない」 478. おろがめや降りし天孫むつぶべき臈たき比売のほむらたつ山 静岡県伊東市 大室山 大室山浅間神社 「おおむろやま」 477. 縁つちに祈みそ捧ぐるささらげる御宇な絶えそね千代ささへよ 鹿児島県薩摩川内市 可愛山陵 「えのみささぎ」 476. 八重の潮 枕きてはるけき島つちのさびてあれかし神さぶるまま 福岡県宗像市 沖ノ島 宗像大社沖津宮 「おきのしま」 475. 三十ひとつ敷けば妙なる右府どのが玉言のなお褪せぬ月日か 神奈川県鎌倉市 鶴岡八幡宮 「つるがおか」 474. いち頻きな喉の寂びを安んずる比売の地なる阿波そめでたき 徳島県徳島市一宮町 一宮神社 「いちのみや」 473. 神さぶる厳しのたたら吹くべけむむらじの郷よ火明かり絶やしそ 岡山県岡山市北区京山 旧上伊福村 尾針神社 「かみいふくむら」 472. 古き神よ祈みな疎みそ玉垣の内つ国の子 君が子なれば 奈良県天理市布留町 石上神宮 「ふるのみたま」 471. かかはゆききみのやしろに食す月の朱き甘けき禅寺丸とう 神奈川県川崎市麻生区 柿生駅 「かきお」 470. さし曇るいろにみかがみとみ疎みいろねの放るにさしいでけらしも 宮崎県西都市 銀鏡神社 「さいと」「しろみ」 469. 欣然と下照らせてそちりぬべき よすがの祖を埋ずみましつつ 錦糸町駅 東京都墨田区 錦糸公園 「きんしちよう」 468. 九十九の代くだれば反りも鈍すらし あいまつらるるすめふたはしら 東京都千代田区九段 築土神社 「くだん」「つくど」 467. 明らけきつるぎたたえばたたなづく玉垣たづさう熱田したたわし 愛知県名古屋市熱田区 熱田神宮 「あつた」 466. すすむ方に御厄むかえし八十ひとがしかと詣づるも路次の祥かも 京都市北区 西賀茂角社町 大将軍神社 「にしがも」「すみやしろ」 465. かみいだく地のみのりにもやさばみて大宜都の比売みちゆかれけり 徳島県名西郡神山町 上一宮大粟神社 「かみいちのみや」 464. 相八つのかしら絶ちなば生かざらむ わみことほふりて呼ばむ羽々斬 岡山県赤磐市石上 石上布都魂神社 「あかいわ」「いしかみ」 463. 枝折らるるつかさよなにそ千の道も怖気はらえる翁神なれ 潮の神 道引きの神 塩土老翁 「しおつちのおじ」 462. 鳴るをなみ神楽はつるやすたるるや 舞はばいかさま神さびまくを 長野県諏訪市中洲宮山 諏訪大社本宮 「なかす」「みややま」 461. いわれひくその天孫の遺しける神さびのそのみつるぎ尊し 奈良県天理市 石上神宮 「いそのかみ」 460. 吹かばちる人間なればのどらかに見守りつつあれ 山なたぎりそ 静岡県富士宮市 富士山本宮浅間大社 「ふじのみや」 459. ふしのまのみいつは朱になりいづるひとのこころよ俯してくくらむ 京都市伏見区 伏見稲荷大社 「ふしみいなり」 458. つばくらめ沖はてゆかば陸見べし 石楠華盛るその頓宮の 三重県鈴鹿市 椿大神社 「つばきおおかみ」 457. 義をなさん備前おのこのあたら身や くちおしかるらむ湍津の比売にも 兵庫県神戸市 三宮神社 「さんのみや」 456. いかでかはわけふみ詣づる神祀殿 見ずして罷る人のあるべき 京都府八幡市 石清水八幡宮 「いわしみず」 455. ねずつ国はこゆり六里にざざめけり 猫やい音鳴け 稲こ寝ずつけ 千葉県浦安市猫実 豊受神社 「ねこざね」 454. おおやけの真清水ささと酌みさせば胃の腑にいしむ松尾さまなれ 酒の神 大山咋神 「おおやまくい」 453. 御輿においでたまわばくらやみもにきびてわたす多摩の神なれ 武蔵国の守り神 大國魂神 「おおくにたまのかみ」 452. 時ならば世は重畳にやまんやとまいらする御衣きよき熊鰐なる 八幡東区春の町 豊山八幡神社 「とよやまはちまん」 451. 御上幸い野辺にくちゆく吾がみよと頼もし熊鰐そ崗のおさなる 崗県主の祖 熊鰐命 「おかのあがた」 450. 大君のかしこき御前にのぼすともあかすまことにたがわぬ熊鰐はや 旧遠賀郡 崗県 「おかのあがた」 449. さえずりの気清き跳ねもたたわしく入らずもはしけやし森ならも 石川県羽咋市 気多大社 「けたたいしや」 448. 鹿子や鹿子 すがたい隠らふ白な鹿子 やつこはかかな神ますかの背な 奈良県奈良市 春日大社 「かすがたいしや」 447. 青むす辺 卉草いさやぐかむながら 神代におなじ海人のまほらま 石川県 舳倉島 奥津比咩神社 「へぐらじま」 446. 弧ひきたる黄金のどちは不精にも降り明かすらむ怜悧めかして 壱岐の島 月讀神社 「こくぶ」「ひがしふれ」 445. 息の緒ののどめの助けとましまさね 海原の島 夜の月読 長崎県壱岐市 壱岐の島 「いきのしま」 444. つつめける樹々のつつめる宵うつつ見つつ月ふる壱岐の津つ浦 壱岐の島 月讀神社 「つきよみ」 443. 金箭のさだめし産みの海を暗み矢うち明かしぬ加賀の潜戸に 島根県松江市 佐太神社 「さだみやうち」 442. みあらかのさみはいずくに くわ見さね 礼にとおしろき神奈備の山 奈良県桜井市三輪 大神神社 「さくらい」「みわ」 441. 食しめすは大宜都比売のあらかゆりわらいひろごる阿波そうましき 徳島県 上一宮大粟神社 「おおあわ」 440. 偉丈夫は随に来てゆくものぞかし すがしみたまもさに鎮めけむ 島根県出雲市 須佐神社 「いずも」「すさ」 439. 樹々にぎし凜朱のあらか枝折るまま詣でなば人もににぎなるべし 鹿児島県霧島市 霧島神宮 「きりしま」 438. 城影に真青の夏はつもりゆく 遠く山の端ふりのこしつつ 長野県松本市 松本城 「まつもと」 437. 拝みなむ わびし原野に千代の里うまずひらきし祖つらの道 東京都小平市小川町 「おがわちよう」 436. 子は国の大珠よ ほそき濫觴も大海充つる子よ いつきなな 東京都小平市小川町 小平神明宮 「こだいら」 435. 木高きは郎子ひらく新田の芽い生す貴の寓処なりけり 東京都小平市小川町 小平神明宮 「こだいらしんめいぐう」 434. ちはやぶる御疫神の生まふ子の慈護負う爾地は八尺み八尋み 東京都 八王子市 「はちおうじ」 433. 永久翔けるいのちの母よあまつさえふたはしらます渓処の宮には 宮崎県 高千穂町 天岩戸神社 「あまのいわと」 432. あおぎみる真祖はあしたを手ひきのぼらる まばゆしや皇のおおかみ 宮崎県 高千穂町 天岩戸神社 「あまてらす」「おおひるめ」 431. みどりな子すら手をささげてむ そのみあまねくてらす母を恋ほしみ 天照大神 「あまてらす」 430. 興国の火入れのあした祝う日はまみえまほしや八万御幡 八幡製鐵所 起業祭 「やはた」 429. 冷えおろし得てのつかいは緋にまさる宵のもみじのしとねなるらむ 滋賀県大津市 日吉大社 「ひえひよし」 428. かの男川 貴種にまねぶやつまを恋い晩な朝なとたえず訪いけり 知立市八橋町 逢妻男川 「かきつばた」 427. かくしきに消えては結ぶ露なるも万世ひとつの魂よ愛しまね 花言葉は幸運 「かきつばた」 426. しば見てん八尋の基地のまぐわしき地の元名こそ小郡とよべ 山陽新幹線 新山口駅 「しんやまぐち」 425. 憂さふかき世は置き去りに軌路の彼方 心はひた駆け疾きめかざるや 東海道新幹線 始発 東京駅 「とうきよう」 424. いづる日に連ぬるなれば背におえと宣らし果てにし尊兄なれ すめら兄 五瀬命 「いつせのみこと」 423. 孫枝しも拗ねては黄泉にながさるる仇のはじめの鳥見の長なれ 鳥見の豪族 長髄彦 「ながすねひこ」 422. 愛しけめ 禍厄祓えと研がれてし利剣の神の威姿のさびこそ 千葉県香取市 香取神宮 「かとり」「かなめいし」 421. 神郡しらしめさるるますらおのかなた雲さき鳴しけるかも 茨城県鹿嶋市宮中 鹿島神宮 「かしま」「かなめいし」 420. 苫ひとつもがくは地祇の潮しるべ まさきくわたせ比売と愛づ児と 和歌山市加太 友ヶ島 「ともがしま」 419. あかときの海のはらものしば凪がばまみゆべきかも ががいも小舟 和歌山市加太 淡嶋神社 「かだあわしま」 418. たたせかし ましらの宮に漬ちませるげに丈たかき朱の四つ脚 滋賀県高島市 白鬚神社 「たかしま」「しらひげ」 417. はやつみこ土地に天降りし幼籠ゆりうち生す杜のなげき深けく 鹿児島県霧島市隼人町内 蛭児神社 「はやとちよううち」 416. 御往んじ御裳すそ濯ぐ比売の訪う伊勢やとこしく朝明ふりつむ 三重県伊勢市 神宮 「じんぐう」 415. 熊人の清らの海よ 祈み拝むうつくし比売に水さへすずろく 北九州市 洞海湾 くきのうみ 「くきのうみ」 414. 熊つ海やきのうをはるか見放くれば祖の水押しみ江にし葦みし 北九州市 洞海湾 くきのうみ 「くきのうみ」 413. 上つ江戸は大吉千町 仁慈めす和らぎの神あればさるべし 千代田区外神田 神田神社 「かんだじんじや」 412. なれむつむ川べの山のおやしろも唐戸にくれぬ えも己貴ます 福岡県中間市中尾 惣社宮 「なかお」 411. 水尾なさば潮やととのうおのづから熊鰐やまつらうすめらかしこみ 日本書紀より 周芳 沙麼之浦 「さばのうら」 410. 星さかる万古の海ゆり新羅さす祖ほこるらし杉の叢立つ 北九州市八幡西区 帆柱山 「ほばしら」 409. 落日に礼侍かなわば三指とう里の灯りを見させてしかも 北九州市八幡東区 皿倉山 「さらくら」 408. 棄て宮にくびきとかれし隠し神 つれさらばやときざはし見まくし 八幡西区 香月 旧大辻炭鉱 山神宮跡 「かつき」 407. 足をなみきびすを噛むや野のもみじ 目見をえぬまま朽ちゆくましじと 安芸国 宮島 厳島神社 紅葉山公園 「あきのみやじま」 406. 玉のみのかみに天降りし地のゆかり誇らひますや日向三代 宮崎県西臼杵郡高千穂町 高千穂神社 「たかちほ」 405. 貝一双 御娘を生し彦名生し出雲の己貴すくる神なれ 別天津神 独神 神産巣日 「かみむすひ」 404. 貴の血を人世につなぐ比売も生す見解きに聡む高木神なれ 別天津神 独神 高御産巣日 「たかみむすひ」 403. 生れし初め のたまいをなみ寝さるるか ぬけてかくれし始めの神なれ 別天津神 独神 天之御中主 「あめのみなかぬし」 402. 咲きにおう千草嶽より霊を遷じ名代のやしろ近江しらさね 滋賀県大津市神領 建部大社 「じんりよう」 401. 此の神はいつく樟にもまぐわしく正勝吾勝勝速日とう 福岡県小郡市 今隈地区 天忍穂耳神社 「いまぐま」 400. 六ヶ岳なりける比売はかなたこち旅の子すくる道主のむち 宗像大社 ご祭神 宗像三女神 「むなかた」 ▲ 上に戻る ▲ 399. 睦む海に流るる水のかたえなる市杵島比売いつく辺つ宮 宗像大社 田島 辺津宮 「むなかた」 398. 村わらべ夏七夕にかけはずみ湍津の比売の笑む中つ宮 宗像大社 大島 中津宮 「むなかた」 397. 無垢なるは波のへだつる神つ島 田心の比売のます沖つ宮 宗像大社 沖ノ島 沖津宮 「むなかた」 396. 宝恵駕籠のにぎわいたつやいとまなみ祝うていかさま打つ初笑い 大阪市浪速区 今宮戎神社 「いまみや」 395. 祝り子の律儀の鈴もかぐらやな 咲て見てむか蛭子のきみにも 大阪市北区西天満 堀川戎神社 「ほりかわ」 394. 鳴尾海に身をしがらみし蛭神の縁をゆかしみ傾ぐ三連家 兵庫県西宮市 えびす宮総本社 西宮神社 「にしのみや」 393. 天照らす比売のいとしむ子のつかさ 讃ずる御名そおしほみみなる 豊前国 英彦山神宮 「ひこさん」 392. おろちなる湖潟干して地掻く里 湍津の比売はひとり暮らしけり 羽咋市吉崎町 湍津姫神社 「おうちがた」 391. あさけふる伊勢の狭長田水清ら うずめ子請じ猿田はもどりぬ 伊勢市 宇治浦田 猿田彦神社 「うじうらた」 390. 直ぐな子の加護はとこしへ しづかにも色あざらけくたてり綾杉 香椎宮 綾杉 「かしい」 389. 八重のなみ見延ぶる比売のいつき宮 かしづきあらな かしこみ詣でな 筑紫行宮 橿日宮 「かしいのみや」 388. 樫の実の一人落つれば便なきと夭后ぐしていを寝たまえり 筑紫国 香椎廟 「かしいびよう」 387. 浦は朱ぐれ頬そむる美し比売のかづらく御髪みづらにわかれぬ 筑前国 香椎宮 御島神社 「かしいぐう」 386. 住吉のかかる神慮としらずしていぶかる君ははかなくなられき 筑前国 香椎宮 「かしい」 385. ふくさなる地祇にまみゆる行き交いの馬見もたのし多摩の総べ宮 武蔵国総社 府中市 大國魂神社 「ふちゆう」 384. いづくにそ詣でざらむや おおやけにしろしめさるる天之御舎 出雲大社 「いづもおおやしろ」 383. 綺羅の陽を逆方に投ぐる楼硝子 空中歩廊に踊るだまし絵 鹿児島本線 黒崎駅 駅前ペデストリアンデッキ 「くろさき」 382. わが居り処おんみ仮漆めくむかしいろ 旧型客車や灯そあたたかき 国鉄室木線 遠賀川-室木 昭和六十年四月一日廃止 「おんががわ」「むろき」 381. 菜の花の惚気うとみて岸卉燃し落ちゆく玉よ六が岳がり 筑豊電鉄 遠賀野電停 菜の花大橋あたり 「おんがの」 380. 水抜かば瑞禾くがねに斎いつつかすむ福智になびく秋され 平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 「なかいずみ」 379. 流れ来し上境には堰たちずしやかにその水嵩ましゆく 平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 「なかいずみ」 378. 祖つ田の水を乏しみ井手ひけど懸けし庄屋の情けな流しそ 平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 「なかいずみ」 377. ながらえし構えふるくも色さして瑞とめぐるや三色灯 平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 「なかいずみ」 376. 福智山は十里に 水はたなごころ ながめすがしや 境橋の招く 平成筑豊鉄道 伊田線 藤棚駅 境橋 「ふじたな」 375. 皆に一味の雨そそぐ折あらん願をいだきて立つか地蔵御 平成筑豊鉄道 伊田線 南直方御殿口駅 御殿口地蔵 「みなみのおがたごてんぐち」 374. のたのたりおがむ彦山川あおみ隊伍つらなし炭車は添うらし 平成筑豊鉄道 伊田線 直方-田川伊田 「のおがた」「たがわいた」 373. 天降りこし日真名子の座も揺るぎしか 飛石疾墜 四海に先駆く 直方 下境 須賀神社 直方隕石 世界最古の落下目撃事例 「しもざかい」 372. 煤けしもさかるおりしにキネマ美しみたびによらしむさすらい人しも 直方 須崎町 開月館 「すさき」 371. カチューシャのすさびて侘びし木賃宿 越す夜も明けぬふみの道やも 直方 須崎町公園 芙美子碑 「すさき」「ふみこ」 370. 清朝ににじむにき日の夕立ちて秀づ兄らは夜露に果てにき 直方 向野堅一記念館(鞍手郡新入村生まれ) 「しんにゆう」 369. 地の子らの万福結びし瀟家こそ三太の放りける御徳なるめり 直方 新町 直方歳時館(旧堀三太郎邸) 「しんまち」 368. 魁なりと聞く貝島の祖はひづちわらべ守りつつ緑づきゆく 直方 殿町 多賀町公園 貝島太助像 「とのまち」 367. 世はふれど降らざる路の丸なりの千尋の傘のふるびやはする 直方 ふるまち通り 古町商店街 「ふるまち」 366. 出つ入りつしば廻らする転車台 高きに見しは遠ちの煙かも 直方 御館橋 「おたてばし」 365. のぼりくだり往来盛る街村にたぐりし徳は仁の字なるめり 直方 長崎街道沿いの町(1736年より) 「のおがた」 364. 赤心の胆気は猛りがちならし おのこますらそ皇方にたつ 筑前国 直方 「のおがた」 363. 明治の血 湛えたる屋がまえゆり祖の手しのぶ乗り合いあらか 筑豊本線 直方駅 旧駅舎 「のおがた」 362. おのこみの頑健ひとつ湛わしくかいなひらきて往来に立つ 筑豊本線 直方駅 新駅舎 「のおがた」「かいおう」 361. 祈む富士に後れはとらぬ岳なりと太兵衛の愛づる福智山かも 筑前 豊前 国境の山 福智山 「のおがた」 360. 川筋のたまのおは先駆けの鯉 遠賀に逆えてのぼり龍らし 直方 遠賀川 川筋気質 「のおがた」 359. 宵うかつ玉の爆ぜなば画眉たらし遠賀の水面にののめく夏よ来 直方 のおがた夏まつり 花火大会 「のおがた」 358. 中ノ島たおやかに花神やどし遠賀の水はのたりまつろう 直方 中ノ島公園 「のおがた」 357. のぞき見るおかの館の硝子ごし たがい見つむるととのこひとのこ 直方 中ノ島 遠賀川水辺館 「のおがた」 356. 呑む水のおそれを昔語りたる阿高の宮そ堰しとどむる 直方 阿高神社 「のおがた」 355. 月替えの五日の市のたまほこのおがみてしかのののの猿さま 直方 庚申社 「のおがた」 354. 橋ふめば鳥の逃げたつ野路のさき おがたまのきは佇まいつつ 直方 多賀公園 黄玉樹(おがたまのき) 「のおがた」 353. 胸三寸 飲むや事成し顔にみる太助の魄のこもりあらぬかも 直方 石炭記念館(旧筑豊石炭鉱業組合直方会議所) 「のおがた」 352. 国生みしののの祖御におとなわば多賀の社の桃やいろなる 直方 多賀神社 「のおがた」 351. 花菜むらたましかば春霞たち遠賀の土手はのどかならまし 直方 遠賀川 「のおがた」 350. 願わしくまとう祝きいろのろし傘 蒼な天つき熊の地に立つ 八幡西区 黒崎 三菱化学 紅白煙突 「くろさき」 349. 沓の音の路次にあふれてさかり鳴る響鼓の宵よ今日こそよらめ 八幡西区 黒崎 黒崎祇園山笠 「くろさき」 348. 海べりの九郎の城はさながらに桐の花をなみはかなくなりにき 八幡西区 黒崎城 元和元年(1615年)廃城 「くろさき」 347. 次いつつ舗道へ据え立つは饗花火狩るどちの縄張り 北九州市 八幡東区 スペースワールド 「すぺえすわあるど」 346. 筑紫路に行幸むかうる大禧よと縁を枝にかけ熊鰐は待ち兼ね 北九州市 八幡東区 枝光 「えだみつ」 345. 渡し場の道にそびゆる大傘は薔薇くれないに突跨してわす JR九州 戸畑駅 北口 「とばた」 344. 白妙の波頭のわかつ陸々におわすえびすも渡しあうらし 北九州市 若戸大橋 「わかとおおはし」 343. 八重ぶすま打ち敷く海は時じくにかくしも見えねたちそふ峰ゆり 北九州市 若松区 高塔山 展望台 「たかとうやま」 342. 熊鰐の来まし遊びし曩古ゆり澪絶えかてぬ胎母の海なれ 洞海湾 くきのうみ 「くきのうみ」 341. くすみなく真青とひらくわたのはら匂うまことの祖つ神なれ 崗の県主の祖 熊鰐 「くまわに」 340. くしはみづら としはわずかに晏駕へて千代に祀らるる水天さまなれ 壇ノ浦にほどけしおさなみかど 安徳天皇 「あんとく」 339. おみなこの錆びなばいつき快癒さし祈念なさるる比売の神なれ 平家のまかたち おみなやまいの救い神 榊姫 「さかきひめ」 338. 御祟りに朝衣の君も寝覚め悪しみ北野に祀る天神さまなれ 天神 菅原道真 「みちざね」 337. 生おしたる下々の糧にも艶めかし日めくりめぐむ食の神なれ 五穀養蚕の神 大宜都比売 「おおげつひめ」 336. 伽こいし陽貴のそばに庇恵あれとめしあげらるる御饌の神なれ 外宮の度相に坐す神 豊受比売 「とようけひめ」 335. 追分に来ては去りゆくたまのおの仮庵にも添う道の神なれ 皇大神宮大宮所の地主神 猿田彦か大田命か 興玉神 「おきたまのかみ」 334. 帆船たて向くる新羅のわたはらみ日長く寝ぬる八幡神なれ 八幡神 応神天皇 誉田別 「ほむたわけ」 333. 沖つ辺にながすみぐしの垂乳女は尚武もしたふ比売の神なれ 聖母 神功皇后 息長帯比売 「おきながたらしひめ」 332. やさ御衣まといかたきをたちしずめける白鳥のますら御子なれ 小碓命 白鳥の皇子 倭建 「やまとたける」 331. 紘八方一つ家となす令しけば和となす国の一の君なれ 初代天皇 神日本磐余彦 「いわれひこ」 330. かうる食はのえふす嘉禾のみたからとましろにかしく稲荷神なれ 穀物神 稲荷神 宇迦之御魂 「うかのみたま」 329. 斎みあらば近つ湊に来立ち召し島へつ見やる比売のすえなれ 田島 辺津宮の比売 市杵島姫 「いちきしまひめ」 328. 中つ海にたどほく浮ける玉体もつぶらかにます比売のなかなれ 大島 中津宮の比売 湍津姫 「たぎつひめ」 327. 沖津ゆりたまゆらさかる御座船に稜威わたらす比売のかみなれ 沖ノ島 沖津宮の比売 田心姫 「たごりひめ」 326. むす波の並みの果てしにかしこまばたまも潮つく海つ比売神なれ 天孫奉り祭らるる三女神 道主貴 宗像神 「むなかたみつひめ」 325. 澄みの江にみたまおきてはよるへにも潮けぶりたつ海つ柱なれ 海の三柱 住吉神 「すみよしみつはしら」 324. めす海の漬つるほとりに頑とさし萎ゆることなき磐の比売なれ 常しえに絶えぬ磐の神 にびに隠るるうつくし神 磐長姫 「いわながひめ」 323. 小寂びたる野暮れの世ゆりはや去なばなごり尽くまじ花の比売なれ 栄ゆれど命みじかき花の神 富士の社の浅間神 木花咲耶姫 「このはなさくや」 322. 思し召すおやのこころにまつろわぬ罪避りかてぬ山つ神なれ 山の神 大山祇 「おおやまつみ」 321. 晃芯の灯のまなこもて玉鉾の累をかまえるさいの神なれ 道の神 導きの神 庚申の神 塞の神 猿田彦 「さるたひこ」 320. めずらしき浮かれの舞いもめのとくとあでしはだけし猿女祖なれ 芸能の神 舞踊の女神 天宇受賣 「あめのうずめ」 319. にき洲のにぎ敷島の後の世の御子につらなす遠つ祖なれ 天孫 日向初代 瓊瓊杵 「ににぎのみこと」 318. 姐よする目安の祝詞のこしなく連に祖づく春日神なれ 藤原氏の氏神 祝詞の神 天児屋根 「あめのこやね」 317. 不義あらばつるぎの仇と貫き討てる鎮し灼たし香取神なれ 武つ神 剣神 経津主 「ふつぬし」 316. 魑魅あらばかづくつるぎの身に討てる丈し貴し鹿島神なれ 雷神 剣神 建御雷 「たけみかづち」 315. 天の橋ゆおしほゆる音に身をのろみ道をかへせる勝速日なれ 稲穂神 五皇子のつかさ 天忍穂耳 「あめのおしほみみ」 314. 言承けはしろく逆手と抜き打ちて敷くふしがきに隠るる神なれ 言知る神 えびす神 事代主 「ことしろぬし」 313. 気高きは水辺の里にかくれます館も湛わし諏訪神なれ 諏訪の神 建御名方 「たけみなかた」 312. 波はてゆ漕ぎ漕ぎきてはひとつ釜 なむちのわざをすくる神なれ 小さきこぼれ神 少彦名 「すくなひこな」 311. 食す国におくるる憂さもにきたまもぬかしみもろに鎮ます神なれ 国つくりの神 大国主 「おおくにぬし」 310. あぢさわう目隠してむと宣らす日女の手折り手引ける力神なれ 力の神 天手力男 「あめのたぢからお」 309. 思ほえぬ物の諭しやいかにしるねびのしるしの知恵の神なれ 知恵の神 思兼 「おもいかね」 308. 櫛ともす暗き黄泉路に利口まし秘めしむつみを結ぶ比売なれ 白山の比売 菊理媛 「くくりひめ」 307. 血汐もてつぐないこがすかみむすひ後世にともすほむら神なれ 火の神 火之迦具土 「ほのかぐつち」 306. ひさなりし流漂の不虞もこすなみのうたに枕きけるえびす神なれ 流されて戻りし天磐樟船の神 えびす神 蛭子命 「ひるこ」 305. いろしめく才はあらたま なびらかにみぐしもくくる四方つ神なれ 黄泉つ神 伊邪那美命 「いざなみ」 304. いちしろき嶄絶なればなる末の御宇も八尋む洲つ神なれ 国産みの神 神産みの神 伊邪那岐命 「いざなぎ」 303. すがしからぬ沙汰のとがめと野に天降り大蛇ほふれる須賀し神なれ 須賀の地に歌詠む神 素戔男尊 「すさのお」 302. 尽きし日の繰れり暮るれば夜を暗みみかげたまわる月し神なれ 夜の食国の神 月の神 月読命 「つくよみ」 301. あさけふるまほらの伊勢に天威さし爛とかかやくすめらかみなれ 日の神 皇祖神 天照大神 「あまてらす」 300. やぐらすそ輪なす着付けの柄もつむ炭坑節の月は太しも 田川市 石炭記念公園 炭坑節 「たがわ」 ▲ 上に戻る ▲ 299. 剥かれてはかしろき肉をわけてしか 礼誼かさぬるだけ細りけり 福岡県 田川郡 香春町 香春岳 「かわらだけ」 298. 歩廊ゆりしばしのあいだながめつる橙機車はすげかわるらし 筑豊本線 原田駅 機回し線 「はるだ」 297. 駅宿の幕間うがち闇六里 喘下緑なす千草つくし野 筑豊本線 筑前山家駅 冷水隧道 「ちくぜんやまえ」 296. 馳駆したる漸駈の火車はうちあえぎのぼるべきかと祈むは冷水 筑豊本線 筑前内野駅 冷水峠 「ちくぜんうちの」 295. 道ゆきを長みあえげばほいやりと御垣にのぞく木祖神しおらし 筑豊本線 上穂波駅 阿恵 老松神社 「かみほなみ」 294. 泉下にも色い五つなる化粧塚 つかさ隠れの遠つ比良坂 筑豊本線 桂川駅 王塚古墳 「けいせん」 293. 満仲は賊を討ちてん加護あれと伏してあがまうむちのひるめに 筑豊本線 天道駅 天道神社 「てんとう」 292. 汽車路の行き交いに見えいづる峰にかそいろはただ隈なく思ほゆ 筑豊本線 飯塚駅 筑豊富士 「いいづか」 291. いつし世も勝盛に筒井筒つれ率てくる児らに神慈ありこせ 筑豊本線 新飯塚駅 勝盛公園 「しんいいづか」 290. 國のため斃れし兄の礼塔をうたてみ高雄の花や色こき 筑豊本線 浦田駅 旌忠公園 忠霊塔 「うらた」 289. 夏越なる祭りの舞はずしやかにたのしかるらむ皇母子も 筑豊本線 鯰田駅 皇祖神社 夏越しの獅子舞 「なまずた」 288. 黒衣づく炭鉱線は煙にとけひとつアルコのさびしおかれぬ 筑豊本線 小竹駅 小竹町民グラウンド 保存機 アルコ23号 「こたけ」 287. 貝島の束石さして延ばしたる宮田の橋のひとつ晒りおり 筑豊本線 勝野駅 旧宮田線起点駅 「かつの」 286. のぞみてはおおしき火車の伽藍ゆりたなびくけむのにおう遠ちかも 筑豊本線 直方駅 旧直方機関区 「のおがた」 285. めぐらせしヤマの支線に縁を結う気動車あまた夜を憩いけり 筑豊本線 新入駅 旧直方気動車区 「しんにゆう」 284. 筑紫なる熊襲猛れば小碓とう天孫のすえ陣をかまえき 筑前国 鞍手郡 植木村 「うえき」 283. 築陣の前途の武功謳われし帰営の皇子の生うすとうらし 筑豊本線 筑前植木駅 御山神社 「ちくぜんうえき」 282. ヤマたちて逸る国から押しけらく 今日のわだちの中山知らずも 筑豊本線 鞍手駅 旧小牧信号場-筑前中山 貨物支線 「くらて」 281. 詣でみち かっぱの斎く神の御前うてば八幡 花もほころぶ 筑豊本線 筑前垣生駅 垣生公園 埴生神社 「ちくぜんはぶ」 280. 長津辺や嵩つむ煉瓦にまみゆれば明治の汗は黒く染み沁み 筑豊本線 中間駅 遠賀川橋梁 「なかま」 279. 引く堀が枝路をたどらば見えし出ず 団居ときなきとぶらい羅漢 筑豊本線 東水巻駅 羅漢川 石仏 「ひがしみずまき」 278. 屋駆くる立体交差のおはしらの籬下の古画こそおかしやかなれ 筑豊本線 折尾駅 「おりお」 277. 鋒先の陣しく武夫の由あつみ産土ましますよしみの熱田ゆ 筑豊本線 本城駅 八剣神社 「ほんじよう」 276. 干る潮の祟りて熊鰐は神供なす まかなし鳥よ魚よつどわな 筑豊本線 二島駅 江川 魚鳥池 「ふたじま」 275. 一艇のカウル跳ねたつ轟きよ くきのみなもに踊れうたかた 筑豊本線 奥洞海駅 若松競艇場 「おくどうかい」 274. 菊理とうのののひめごも地の花をふりみてあらむ春の赤島 筑豊本線 藤ノ木駅 白山神社 赤島町西公園 「ふじのき」 273. 尽きかてぬ真黒の玉のかきつみに咲ふごんぞよ歯並みしららに 北九州市 若松港 「わかまつ」 272. 渡らへる貨車に祀るは真黒なる艶めく生肌燻ぶる木骸 筑豊本線 若松-原田 「わかまつ」「はるだ」 271. 粥の肴は吉凶つぐるかび一朶 生えて春めくつくしうつくし 筑前国 御笠郡 原田宿 筑紫神社 粥卜祭 「はるだ」 270. はらのみの留守そおんみの大事なる はみ鎮めてむはらふとさまもて 筑前国 御笠郡 原田宿 名物 はらふと餅 「はるだ」 269. 宿ひとつまかりて道のえだわかれ 日田な薩摩なまねく追分 筑前国 御笠郡 山家宿 「やまえ」 268. 堂守のやもめいちもち大銀杏 しとねしきしく秋そ寂しき 筑前国 穂波郡 内野宿 内野の大銀杏 「うちの」 267. いつしにもいづちに散れども会せむと花にやいつく曩つ祖らは 筑前国 穂波郡 飯塚宿 曩祖八幡宮 「いいづか」 266. 古態なる矢止めの町の軒ならび 背子は手を掻く笠御はめぐる 筑前国 鞍手郡 木屋瀬宿 宿場踊り 「こやのせ」 265. 公卿にも楼に宿りし櫻屋は勤皇あつみ正と顕る 筑前国 遠賀郡 黒崎宿 旅籠 櫻屋 「くろさき」 264. 一新の國のあしたの論つはき櫻の宿に霧ふかめけむ 筑前国 遠賀郡 黒崎宿 旅籠 櫻屋 「くろさき」 263. 島嶼ごときわみしまなこしば干けむ 企救の初日のただ高みしに 豊前国 企救郡 長崎街道 起点 常盤橋 「ときわばし」 262. 夢寐うつつ新菓珍味の愉絶ほしみ含みてしかな 道の神たたかむ 長崎街道 筑前六宿 遠賀郡黒崎宿から御笠郡原田宿まで 「ちくぜん」「むしゆく」 261. 嘗めてしが さしもゆかしき菓子もよい 何方にも食らう道のみたから 長崎街道 砂糖の道 シュガーロード 「ながさきかいどう」 260. 貨車群をつれて野面さし汽車はゆく 古き宿場のたづき無沙汰に 国鉄香月線 終点 香月駅 「かつき」 259. 汽車ゆけばさかる蛍のわがままに美しき尾灯を恋ひつ掃ひつ 国鉄香月線 岩崎駅 「いわさき」 258. あたらヤマの落莫知るや鉄軌にもわだち絶ゆれば錆しかりけり 国鉄香月線 新手駅 「あらて」 257. なじみある顔もあどなき毎の朝 汽車は香月ゆ折尾さしゆく 国鉄香月線 起点 中間駅 「なかま」 256. 長津野は化石の洲にましますか 西つ東つヤマの溢れき 国鉄香月線 中間-香月 昭和六十年四月一日廃止 「なかま」「かつき」 255. かまえ立ち投ぐる玉もて宝瓶を逐せし館もやがてひさげり 筑豊電鉄 筑豊中間電停 中間パレスボウル(現にしてつストア) 「ちくほうなかま」 254. 福納め 鷹見の宮にあまた手の伸して鈴鳴す往古なるかも 筑豊電鉄 穴生電停 鷹見神社 「あのお」 253. 文よまば夜籠りかけて夜もすがら暁闇に起つ夢の八衢 山手線 代々木駅 学生の街 予備校の街 「よよぎ」 252. 夏来なば暖紅の花や畳なわれ 郷家に遠き眠の庭にも 山手線 五反田駅 ねむの木の庭 「ごたんだ」 251. にわか雨 ぽつとおぼゆる里下の縁 一枝の露の道と灌きぬ 山手線 日暮里駅 太田道灌像 「につぽり」 250. 卉木さえうつろう逢う魔が時に若子屋下につどう 駆けて電車来 筑豊電鉄 希望が丘高校前電停 「きぼうがおか」「こうこうまえ」 249. 出し風や斎垣こえゆく柳絮にそ君の魂つむ みやこかえさに 鹿児島本線 大里駅(現門司駅) 御所神社 「だいり」 248. 廻りの而後くくりゆく構廊に打ちたつしるべ零哩のらまく 鹿児島本線 門司港駅 「もじこう」 247. モダンなる時宜にそぐはぬこしらへもうべみいれたる驛の旧けく 鹿児島本線 門司港駅 「もじこう」 246. 四方つ世のすがしき縁をうたとなしかしこみ垂るるつたなきこうべ よすがしるべ 縁標 寄す処知る辺 「よすがしるべ」 245. おおいくさ逐いたつ氷禍あがれども御身くすめり白な智鳥は 特別急行 白鳥 大阪-青森 「おおさか」「あおもり」 244. さきながみ憩うほこらの軒したに替うるわらじも御諸なるめり 八幡西区 幸神 幸の神神社 「さいのかみ」 243. ふりさけば盛土の島にたなびける化学の煙は蒼に溶けつつ 黒崎 藤田 三菱化学 紅白煙突 「ふじた」 242. 振り建てし入魂の町はたなごころ 之房公とながめためるかも 八幡西区 藤田 春日神社 「ふじた」 241. 船泊てし城下のみちをたどりなば春日の宮に花そ咲わむ 八幡西区 藤田 春日神社 「ふじた」 240. 海をつく九郎の端城 退けばささ人馬ざざめき宿場しさからむ 筑前国 長崎街道 黒崎宿 「くろさき」 239. くきの海にますらをのこは出ましけり 崗も喰らへば熊鰐とよぶらし 熊手宮 崗の県主の祖 熊鰐 「くまで」 238. 大事なす神日本なる王子御の謂われひこひくままにありこそ 黒崎 岡田神社 神日本磐余彦 「おかだ」 237. 遠つ祖 おきたまひける野の石にかしこみ拝む道すがらかも 興玉神 「おきたまのかみ」 236. 黒崎に詣で来るたびのどちひとり 興玉さまやりはつなるかも 黒崎 くまで通り商店街 興玉神 「くまでどおり」 235. 貢せしおりのみやげか資珂島のくがねのしるします叶の浜 志賀島 漢委奴国王印 出土の地 「しかのしま」 234. 花葉吹く無為の日和に小舟さしうしろにくくる延壽橋かも 中間市 垣生公園 「はぶこうえん」 233. 道ぬしのまねくほこらにかしこめば流れはひらく堀川唐戸 中間市 厳島神社 堀川の中間唐戸 「なかま」 232. わきまえし河童ひそみぬ律儀にもほとびたらめやほのみえなくに 中間市 堀川 「ほりかわ」 231. 帆風たち熊鰐のてひきに雁もたつ 眼下蒼めく崗の行幸に 遠賀川 崗の水門 「おんががわ」 230. 崗ゆけば雁のかり鳴く潟の辺にわるるささ海もみつるいにしえ 遠賀川 古遠賀潟 「おんががわ」 229. 厳し矛 ざざめく四海和ぐるわざ 巍々たる島な凝らるる国生み 伊邪那岐 伊邪那美 国産み 「いざなぎ」「いざなみ」 228. 旨炊きの禾の実つややと見惚るれば賜ぶしゃもじにもます正一位 稲荷神 宇迦之御魂 「うかのみたま」 227. のこりなく果つべき人のなさけにそ久遠の花は八重と咲きなむ 浅間の神 木花咲耶姫 「このはなさくや」 226. 天そむく威趣絢爛に千代籠めてしゃちはいませり御衣あてやかに 愛知県名古屋市 名古屋城 「あいち」 225. 餃子なる血肉ざわめくとよ旨に舌もつづみをうつのみやらし 栃木県 宇都宮市 餃子の街 「とちぎ」 224. 嵩たけておもてをしむる瑞の葉のしずくのみどり翡翠にやひく 静岡県 お茶の国 「しずおか」 223. 力男の竿のしなえば弧をえがき海のみたから地にほふらるる 高知県 鰹の一本釣り 「こうち」 222. との曇り月をかくさば遠つ風 鱗砂なづらし逢の名残りと 鳥取県 鳥取市 鳥取砂丘 「とつとり」 221. 水天の眉もひらくや八丁浜 ふくもたおやぐ此は唐戸市 山口県下関市 唐戸市場 「やまぐち」 220. 孟夏なる崖はだ撫づる水涼み駕夫の謡いに沸くや山背も 山形県 最上川 「もがみがわ」 219. 磐みぎわたどる舟路が瀬をあらみはやる翁があおぐあめかも 山形県 最上川 「もがみがわ」 218. 万葉の山辺のみつる潟をなみ海の田鶴らはいづこ去りしか 和歌山県和歌山市 和歌の浦 「わかやま」 217. なつく鹿の礼しししばの山の端ゆまほらにしのぶ遠つ祖かも 奈良県奈良市 若草山 「なら」「やまと」 216. 刎ねられし姫のこうべがおちかてにうかぶ淡海や みぐしほどろに 滋賀県長浜市 竹生島 都久夫須麻神社 「しが」「おうみ」 215. ひたち野やうぐいすうたい梅さけば色う草はらいやおいの月 茨城県水戸市 偕楽園 「いばらき」 214. 海や遠ち 稲毛野にしば咲くはなも潮音をおもう此のににぎしさ 千葉県千葉市 稲毛浅間神社 「ちば」「しもうさ」 213. 矢あわせにまさる武門の名をたかみしおく言の葉もののふかがみ 山梨県 甲斐国 武田氏 甲陽軍鑑 「やまなし」 212. 朔づきにあおらばまどいふかきよがさるもうたかた よいの越後路 新潟県 銘酒の国 「にいがた」 211. 難波へと来たる人しな棹しげみ浪華みちひく洞の青海 北九州市八幡西区 舟町 黒崎湊跡 「くろさき」「みなと」 210. 暁鐘の布告あらたに御名しけばのぞみあらたし稲葉山かも 岐阜県 金華山 岐阜城 「ぎふ」「みの」 209. 御裳すすぐえにしのはゆる五十鈴川 瀬にみそぎなな あねさまもうで 三重県 神宮 「みえ」「いせ」 208. 滅ばざるものうつしよに踏みたちて国のおもてに威をしめしけり JR福井駅 恐竜広場 「ふくい」 207. 頬あかめ唾吐く喚きのかいやある 一打乾坤 堂下どどめけ 北海道札幌市 札幌ドーム 「ほつかいどう」 206. わたのはらなべてにき凪ぐきょうなれど遠ちにあふれし血汐なわすれそ 沖縄県 昭和二十年 沖縄戦 「おきなわ」 205. 陽をやわみ子も狩るしなの勧進が池の蓮はな亀もよらしむ 長野県長野市 善光寺 「ながの」 204. 時どきにくくる阿波路の潮あらみ巻けば瀬戸鳴る響みの水門はや 徳島県 鳴門海峡 「とくしま」 203. 歳どしの病みの祓えの祀り箱 越中なまりのにおいつくかも 富山県 富山の薬売り 「とやま」 202. 大路には祖がしるべとおきたまう千代の君が代うつす望月 京都府 朱雀大路 「きようと」 201. 天うかち五十の枝つる芯柱 かかる月しも侘ぶる霜月 石川県金沢市 兼六園 「いしかわ」 200. おおきにとおみや笑顔の咲くみやこ かしましもまたここちよきかも 大阪府 商人気質 「おおさか」 ▲ 上に戻る ▲ 199. 煮られてし億のまゆたま弔わん 御身繰りつぐ絹を献げて 群馬県 養蚕業 「ぐんま」 198. 時はるか万世を経たる大樹幹 よくも身を継ぎ雅びたまうや 北九州市戸畑区 夜宮の大珪化木 「とばた」「よみや」 197. 海竜の牙をぬけてぞ綺羅星も涼の水桶もきみが手なるべき 北九州市八幡東区 桃園公園 「ももぞの」 196. くろがねの汽笛一声 野をゆくもはかなき寝目よ まほら駆けなも 北九州市若松区 久岐の浜 19633号 「くきのはま」 195. 祀らるる栄えの蒸機も野ざらしに季節めぐれば朽ちてかなしも 北九州市若松区 久岐の浜 19633号 「くきのはま」 194. あわざれば とりもあえずに るろうのと まてよ なにゆえ さまようや きみ ドラゴンクエスト2 サマルトリアの王子 「さまるとりあ」 193. 崎立ちて瞠目しける雅句あれど潮なあらびそ真幸くわたせ 佐渡島 「さどがしま」 192. 青島や見ては詣でくる八十ひとのざざめきたけみ奇岩涸びぬ 宮崎県 青島 「みやざき」 191. 御覧ずるうぶの白鷺は世に弥に日々にひかめく日がける日女道に 兵庫県 世界文化遺産 姫路城 「ひようご」 190. かいな鳴す身業こそ若やれ 天つ真孫つ曽孫 常つ国しく 神武天皇 神日本磐余彦尊 中州(うちつくに)平定 「かむやまと」「いわれひこ」 189. 崗あがた貴妃のあるらし なごりの日みをこそあかめおいとまなさぬに 神功皇后 息長帯比売命 遠賀郡 「おきながたらしひめ」 188. 沖つかぜ 汝がまといける垂乳女に四表もなづくめぐしいとしと 神功皇后 息長帯比売命 くきのうみ 「おきながたらしひめ」 187. 敷島に祀るよろずとねんごろにあればねたまし神在月かも 島根県 出雲大社 初霜月 「しまね」 186. いつきなす比売の安芸みや﨟たけて潮みち来なばますうつく島 広島県 安芸の宮島 厳島神社 「ひろしま」 185. 鬼吼ゆる釜にうらなうやしろ名そ真金吹き吹く吉備津宮なる 岡山県 吉備津神社 吉備津彦命と温羅(うら) 「おかやま」 184. 赤い靴 駆りし娘の名を問えど外国船は侘び鳴くばかりに 神奈川県 童謡「赤い靴」の少女 「かながわ」 183. 火やさかれ 三千世界の涯のはていかで見てしかいよ翔らなも 佐賀県 バルーンフェスタ 「ひぜんさが」 182. かえらざる護国の盾をしのぶればまぶたにちらむ笑顔あどなく 鹿児島県 知覧 万世 指宿 鹿屋 串良 国分 出水 「かごしま」 181. ヤマ筋に初をささげし紅顔も時々に褪せゆき靄にい果てぬ 国鉄50系客車 於門司港駅 「もじこう」 180. 冬にこそ食うべきもののおおくあれ 風にあしむく川端のれん 福岡県 博多 中洲屋台 「ふくおか」 179. 古記ゆかし海こそ常世がましけれ 笑くはたまゆら后しうるわし 北九州市八幡西区 皇后崎 神功皇后上陸の地 「こうがさき」 178. 乳子あやし坐せる清げなたおやめが神祝くみぎわ御田八幡宮 山手線 田町-品川 港区三田 御田八幡神社 「たまち」「しながわ」 177. 里々に色い彩うる武つ国 まほらうららにさえたまうかも 埼玉県 もっとも「市」の多い県 「さいたま」 176. 舶来の背しろき客も軒ゆすり宿に落ちけむ心しらひに 筑豊電鉄 木屋瀬電停 長崎街道 広南従四位白象 「こやのせ」 175. 夢の瀬のさめてみのるや安寝の子 扇天神そいてあるべし 筑豊電鉄 新木屋瀬電停 扇天満宮 「しんこやのせ」 174. 遠賀の魚ならず憂えんまろうどがよるはましらのきみの庵かも 筑豊電鉄 遠賀野電停 街道追分 興玉神社 「おんがの」 173. 婆々さまがおさげ知れらんくすのえだ 願いも知れらん水なたぎりそ 筑豊電鉄 感田電停 阿高神社 「がんだ」 172. 明ケ森に祝夜はやしし万古の火すめらきさきもくしく照りけむ 筑豊電鉄 楠橋電停 廣旗八幡宮 「くすばし」 171. 歳ふれどみましが汲みて製鉄の冷持をになう 幸えみちみち 筑豊電鉄 土手の内電停 遠賀川水源地ポンプ室 「どてのうち」 170. くすしかれ 路次の古木の晒れてなお今日の新芽が生いゆくあした 筑豊電鉄 黒崎-直方 「くろさき」「のおがた」 169. 清けきはだれの宮にや物ゆかし遠つ神代の王子のなるらし 筑豊電鉄 貞元電停 一宮神社 「さだもと」 168. えも垂らふまぶた暇なきここちよさ 八尋む鉄路しらべゆかしく 筑豊電鉄 黒崎車庫前電停 「くろさき」「しゃこまえ」 167. 庭つ口しば踏む電車安からず狸や詣づらむ鳴神ほこら 筑豊電鉄 西山電停 変電所 「にしやま」 166. 新堀の地をさすいさお汲むよすが 歩廊のかなた埋む夢骸 筑豊電鉄 筑豊直方電停 直方-福岡 未成線 「ちくほう」「のおがた」 165. 千々舞うは黒川しらす星の子か 浮きつ沈みつ翠ちらめき 筑豊電鉄 筑豊香月電停 黒川ほたる祭り 「ちくほう」「かつき」 164. 熊手さす路傍の御饗さわぎゆき綺羅きそう山いかにや牛頭え 筑豊電鉄 黒崎駅前電停 黒崎祇園山笠 「くろさき」「えきまえ」 163. 花さかり虫もわらしも出で来しが温む金山かわべの長閑けさ 筑豊電鉄 三ヶ森電停 金山川 「さんがもり」 162. 土も樹も肥ゆる道のりわたす橋 のぞむは瀬板 水濃き森よ 筑豊電鉄 森下電停 瀬板の森公園 「もりした」 161. 池みやるまに山かくれ家は並み着せる町の名 耳にしあらたし 筑豊電鉄 今池電停 八幡西区北筑 「いまいけ」 160. あたら身を野辺に散らししおのこらはわがうぶすなよ いろ兄と懐かむ 筑豊電鉄 穴生電停 鷹見神社 英霊碑 「あのお」 159. さきざきの禄ひらきゆく薫習は錦と着さね花も咲はむ 筑豊電鉄 西黒崎電停 北九州予備校黒崎校 「にしくろさき」 158. 黄金めき初心めく笑壺恋いしらう駅家よ 泣き顔えや見過ぐすか 筑豊電鉄 希望が丘高校前電停 「きぼうがおか」「こうこうまえ」 157. 地のそこに駆けこしはまた駆けゆけり 吊りかけの音にぶく鳴しつつ 筑豊電鉄 通谷電停 「とおりたに」 156. 日がけりししばのさかえのなごりさえ家居にうずませ見せぬヤマはや 筑豊電鉄 東中間電停 新手五坑(扇浦炭鉱) 「ひがしなかま」 155. 地のそこに黒のたからをほり川の海路ゆわえしかましひらたし 筑豊電鉄 筑豊中間電停 堀川 川ひらた 「ちくほうなかま」 154. 晴れさして銀の波間に咲いける花のなごりそ皇后崎なる 筑豊電鉄 萩原電停 皇后崎 「はぎわら」 153. 草わけに詣づる后もにびのたま敷くひもろぎにいわれ偲ぶや 筑豊電鉄 熊西電停 一宮神社 「くまにし」 152. 引く潮に流児の舟路は忽と絶えほまれと結び満ちてそもどす 蛭子神 恵比須 「ひるこ」「えびす」 151. 見蕩れしは八十の松島 銀いろこゆれる入り江にかかる望月 宮城県 松島 「みやぎ」 150. あわゆきや きめうるわしきたおやめのながみとけしはまぶのおもかげ 秋田県 秋田美人 「あきた」 149. 豊の路はたから湧くみちいで湯みち 帯もときめく温泉めぐり 大分県 湯の国 「おおいた」 148. こぼしつつ乳のしみしむ柔つ肌 路次に食みなばしづるしづくしづ 黒崎・小倉 パンと洋菓子のシロヤ サニーパン 「しろや」 147. 草千里馬子にひかるるもどり路の遠く中岳くすぶりてあり 熊本県 阿蘇 「くまもと」 146. 熊の地や路次のしるべは幸の白 寿の紅かさね天さす 北九州市八幡西区 黒崎 三菱化学 紅白煙突 三柱 「くろさき」 145. 乱あれば国の偉城も焦げの土 人はかわらじ 秋月やさす 豊前国 小倉藩 1866年 第二次長州征討 「こくら」 144. うれしきは同郷人の包みにそ 迎嬉の和菓よ こくら栗饅頭 北九州市小倉 湖月堂 栗饅頭 「こげつどう」 143. あなかしこ鉄路わけゆく旅すがらかしわすすらず小倉かたるな JR九州 小倉駅 立ち食いうどん ぷらっとぴっと 「こくら」 142. 凪ぐ海を眼下に見やる坂あらば祈念そしなむおのがすべから 長崎県 長崎市 祈念坂 「ながさき」 141. えだえだに陽の果見るこそめでたけれ 時じ常世もいよよ近めり 愛媛県 みかん 「えひめ」 140. さきだちて累世の祖のたどるみち ひきしらひしは此そ中つ国 猿田彦 「さるたひこ」 139. ふりさけば雲に枕きぬる信夫山 馬屋に歩けば暫の七夕 福島県 信夫山 JRA福島競馬場 「ふくしま」 138. 吹き荒るる波七難もまつろわず 筑前の灯にきょうはよすらむ 北九州市八幡西区 舟町 五卿上陸地の碑 「ふなまち」 137. おしげなく恩地くださる国ゆずり 額もみあおぐ神居をえてあり 大国主 国譲りと出雲大社 「おおくにぬし」 136. 洲に夕陽入れば川端きと暮れぬ 宵のかがり火 鵜飼の影絵 水郷 日田 「すいきよう」「ひた」 135. 頻く波も瀬をわかつまじ塩枯れの銀機を牽かせくくる道ゆき 九州 門司関 山陽本線 門司駅 「もじのせき」 134. いりこだしかぐわしみ かきがたきかも 沸きたつつゆのつゆさめなくに 香川県 讃岐うどん 「かがわ」 133. 御名折りし供物にあれば忌諱もあり どうもならねばほかす手もあり しばりとほどき 「しばり」「ほどき」 132. お手引きの利益をこわんよしやそも御影そこなうことな詠まれそ 折り詠み相聞 「おりよみ」「そうもん」 131. 祝かるべき現しの色を言の葉にうたてうたわなうたかたなれば 奉公歌 土地の神さまへの捧げもの 「ほうこううた」 130. 彼の岸へ急きてそ渡りつる人の遠き日の唄テープにあざやぐ 詠題 声 「かせつとてーぷ」 129. 啓示なくつがい結びし今生も宿世の縁の兆しなれかし 詠題 結婚 「けつこんしき」 128. やがて来む真新しきにのぼせたる鉄道少年線細くあり 詠題 電車 「やまのてせん」 127. 花手折る罪おぼえしか校舎裏 生き廻らいし楡の古木よ 詠題 はつこい 「はつこい」 126. 吹きされの流浪のままにさりゆかば遠き日にこそよきものはあれ 詠題 ふるさと 「ふるさとよ」 125. にくらしき朝起もなんぞ夜をふかし憂き世忘らな美酒に漬きつつ 詠題 曜日 「にちようび」 124. 咲きぬれば苦界も明かし爛漫と万事憂いのなきにあざむけ 詠題 さくら 「さくらばな」 123. 湯の獄を出て殻剥がれたるに塩まぶし大蛇がごとく食みおり 詠題 たまご 「ゆでたまご」 122. 磯つちをわくる波にもながされぬ干潮の磐こそめでたかりけれ 磐長姫 「いわながひめ」 121. 惜しからめ親の結びにまつろわず露と儚き身の余生こそ 大山祇神 「おおやまつみ」 120. 三十のとし流浪かさねつ今宵また数寄にあそぶも見ものなりけり 人名折り タモリ 「たもり」 119. 撒けばよせ つもりし気負い文字に落ち時に人の世透かし責め問う 人名折り 松本清張 「まつもと」「せいちよう」 118. 羽含むか狩りたる餌児 裁ち食わし黄嘴閉じぬ間 悠居なくたち 九州新幹線 つばめ 博多-鹿児島中央 「はかた」「かごしまちゆうおう」 117. 小瀬を舞う尾われし鳥よ 里な軒貸しつかわそう 巣づけ妻児と 特別急行 つばめ 東京-大阪 「とうきよう」「おおさか」 116. なみみぎわ 潟におぼれし魚児は君が餌なりしか消息無沙汰 特別急行 かもめ 博多-長崎 「はかた」「ながさき」 115. 早苗とんぼはねかかやかせ翔けば草たける息吹にむせかえるかも 特別急行 みどり 博多-佐世保 「はかた」「させぼ」 114. 扇沿い歩みし区道につい見ゆる館あらたしまなび楽しも 津山線 津山駅 津山まなびの鉄道館 「つやま」 113. 櫛の歯にまがう海苔ひび杜なすは豊の磯の香かぐわしき潟 特別急行 有明 博多-熊本 「はかた」「くまもと」 112. 見よしかと八洲の天に座しますは君の島おか照らす姉かた 特別急行 にちりん 博多-宮崎 「はかた」「みやざき」 111. はだかみの神うるわしみ讃えなな 吾星があねご明つ星はや 寝台特急 金星 博多-名古屋 「はかた」「なごや」 110. 深々と溺るる老母 穏しき瀬 さきがけぬ今朝 彼はまだ明けず 寝台特急 あかつき3号 新大阪-佐世保 「しんおおおさか」「させぼ」 109. 耳かすかすさぶる風砂たちてなお懸かる梢音 浜路やたのし 特急まつかぜ4号 博多-新大阪 「はかた」「しんおおさか」 108. いかにしかあらぶる水嵩 おおうしお悶えていわお凌じ尽きなむ 寝台特急 日本海 大阪-青森 「あおもり」「おおさか」 107. 幹千本 清らににおうさかりどき眼福いよよなぎさせたまう 寝台特急 さくら 東京-長崎 「ながさき」「とうきよう」 106. 春天下 温気にすごし溺るまま咲くや人中駆くる花王 山陽・九州新幹線 さくら 新大阪-鹿児島中央 「しんおおさか」「かごしまちゆうおう」 105. おりしなに喨々ひびく音きけば腹もうたいぬ かしわめしひとつ 鹿児島本線 折尾駅 「おりお」 104. まさりたる綴りのわざは病みてなおまさにおかしき上気にのぼる 愛媛県 松山市 子規のふるさと 「まつやま」 103. 時つかぜ興きて栄華をかすりたるマジョリカお召よ千々に色わね 新潟県 十日町市 「とおかまち」 102. 屋なしたおおしき火車そ見えわたる 八十国かけし身から艶らに 東北本線 大宮駅 鉄道博物館 「おおみや」 101. 防雪のはしたる駅ののぼりおりへて見し汽車は辞世すらなく 旧東北本線 旧南部縦貫鉄道 野辺地駅 「のへじ」 100. いくどかの波の興れば樺太に繋ぐ鉄路も海つ霧に消ゆ 宗谷本線 稚内駅 稚泊連絡船 「わつかない」 ▲ 上に戻る ▲ 099. 怒りてし下唇もゆるむ見目朗ら 笑みのさきがけへんなおじさん 詠題 印象に残る新人 「しむらけん」 098. 八重つやら真紅の玉の雅味あまみ讃えもたかむ佐藤錦よ 山形県 さくらんぼ 「やまがた」 097. いろり火や 沸かまくに焼く鉄瓶の湯気たつ黒の凍みにけるまま 岩手県 南部鉄器 「いわて」 096. 朝な夕な お岩木山の燃えさしてりんごはかくも紅くみのるか 青森県 「あおもり」 095. 頬あかめつたなく雪道かく子らはいかな凍れもどうなく咲いぬ 北海道 「ほつかいどう」 094. 秋さらば黄金めく穂に秋津来ん さらばかかやく秋津島じま 天神地祇あまたまします日本国 「にほんこく」 093. 春告ぐや御所な築山うぐいすのいろをしたいてよもやも馳せん JR東日本 山手線 「やまのてせん」 092. 四分儀を嘗めてとらえし画龍やな わたつかみらがなづる洲ぎわ 山手線 品川駅 測量基点 高輪大木戸 「しながわ」「しながわ」 091. 沁みいらばなおりて詠まむ賀しのうた わたる八十隈しきしまの道 山手線 品川-田町 「しながわ」「たまち」 090. 國のため身を棄ててなおさかる庭 あどなき花が咲いてあるらし 山手線 品川駅 御殿山 「しながわ」 089. 汐を背になおらせたまえと願かけて咲う稲荷や高輪鎮守 山手線 品川駅 高輪神社 「しながわ」 088. 落ち遠き翁がたりは続くとも禍厄の祓いは此にたちそめき 山手線 大塚駅 八犬伝 「おおつか」 087. 七の字が晩節かざる匠わざ まさかにうつす千代の芝浜 山手線 田町駅 芝浜 「(しば)たまち」 086. 離れ宮 ままにのぼりし築山の千代を籠むれど海こそ見えね 山手線 浜松町駅 旧芝離宮恩賜庭園 「はままつちよう」 085. ともがらは故郷に眠りし暮れの寒 汽笛ひびけばいよよ夜深し 山手線 新橋駅 C11 292号機 「しんばし」 084. ゆかばやとうきたつ子らはラジオまねくちさかしらに夜さり深めぬ 山手線 有楽町駅 1957年 そごう開店 「ゆうらくちよう」 083. 遠つ波うちわるるこそ聞きたけれよすがたどれば内堀見まく 山手線 東京駅 「とうきよう」 082. かよいなん 己が身にただ知を酌めよ 凡夫万考 人士をなさん 東京都千代田区 神田神保町 「かんだ じんぼうちよう」 081. 丑寅の大穴持のまもりふだ伏せてそまいらん公の首塚 山手線 神田駅 神田明神 平将門首塚 「かんだ」 080. 此は欧亜ひろく名高き文化の葉 千々にしげれば栄す街から 山手線 秋葉原駅 「あきはばら」 079. 地に高き摩利支天山ちかよらば鐘も鳴らまし屋な上ゆり 山手線 御徒町駅 アメ横 妙宣山徳大寺 「おかちまち」 078. 憂き日こそ笑みをともせと野良をうち野良うちわたる母そ恋ほしき 東北本線 上野駅 「うえの」 077. のぼり路の襟のかたさはうせはてて そもふるさとはうつつならむやは 東北本線 上野駅 「うえの」 076. うつろいし栄華よ久にののめかね なまりなつかしその停車場に 東北本線 上野駅 「うえの」 075. 春告に音をたがえしに巣をわかつ きよしや独歩 しき鳴きしけり 西日暮里 明治28年 道灌山事件 「にしにつぽり」 074. 名のえにしビルの彼方に思いつつ山見のさんぽ今やならざり 山手線 西日暮里駅 日暮里 富士見坂 「にしにつぽり」 073. 文士うたかたひしめけば言あまた生まれては散る 星に芥に 山手線 田端駅 「たばた」 072. 古今集まねび矛ふる御用人 めづるつつじのよしやすなわち 山手線 駒込駅 六義園 「こまごめ」 071. のみおろすおみかげ札が霊験もかくさぬしわそ這う またし来よ 豊島区巣鴨 地蔵通り 「すがも」 070. かにみるは現なるまじ おみなこのまたがりてその犬と駆けゆく 文京区大塚(旧武蔵国豊島郡大塚) 「おおつか」 069. 露悪なる蔵をひらきし文傑のけれん看取りて家は蔵めり 山手線 池袋駅 立教大学 旧江戸川乱歩邸 「いけぶくろ」 068. 武庸もかしこきかたには慎みぬろ つては大あじ知こそ洗わめ 豊島区 目白 学習院 血洗いの池 「めじろ」 067. 佃橋ゆ きしかた仰げばまどかなる月読ひとつわけしりにます 東京都 中央区 月島 「つきしま」 066. 信愛に生いゆく栄えのおもさにも悔いはたちけむ母堂見ざれば 山手線 新大久保駅 2001年1月26日 「しんおおくぼ」 065. くまで咲く酉の初冬よいのつじ 奉納提灯おごりて明かし 新宿総鎮守 花園神社 「しんじゆく」 064. 世ごもりに夜ごもりかけて行じたるまめの報いはひたむきなるらむ 代々木駅 「よよぎ」 063. つごもりは暮れて夜すがらにぎし辻 おのづむれゆく歳のみあれ処 山手線 原宿駅 明治神宮 「はらじゆく」 062. 偲ばれし人の名をよぶよもあるや草葉しげきに秋たつはちこう 山手線 渋谷駅 ハチ公 「しぶや」 061. 艶麦の美酒の烏帽子の据えあぐら咲みしいざなう宵こ昼こと 恵比寿 えびすさま 蛭子さま 「えびす」 060. 誰のため苦役やわらぐ緩勾路 誰のひらくや名にしとどめな 山手線 目黒駅 権之助坂 説話 「めぐろ」 059. ねむ花児匂わばあなたやすらがん せめてひと枝おとないもがも 山手線 五反田駅 ねむの木の庭 「ごたんだ」 058. 丘はらにおわすやしろのさきがけは雉子ノ宮とそゆるぎ橋に聞く 大崎鎮守 居木神社 「おおさき」 057. 武庸が加勢つかえし太刀しごと のばしつたうる晩の歳暮 江戸郊外戸塚村 高田馬場の決闘 「たかたのばば」「たかだのばば」 056. 飛ばましの嚆矢しのべば路次に往なざる翼あり 若びたつ見ゆ 所沢航空記念公園 「ところざわ」 055. 逢瀬なす火はままならず恋の性 八百屋お七も身を焼かれたり 東京都史跡 鈴ヶ森刑場 「すずがもり」 054. 私貨をよせ万代の遺産願いし義 賀せばひふみよ名工の掛く 八女市上陽町 洗玉眼鏡橋 「せんぎよく」「めがねばし」 053. やわらかき肌を噛み裂く太古竜アロサウルスは宿を替えたり 鹿児島本線 八幡駅 「やはた」 052. くきの海 路次に背負わば先にまつ樹々は曲里の並木なりけり 曲里の松並木 長崎街道 黒崎宿 「くろさき」 051. そは遺聞 國の末期もあかしけり 火器きずえぐるコンクリの肌 豊後森機関庫 昭和二十年八月四日 「ぶんごもり」「きかんこ」 050. ちのみのりまさる笑みこぼすわらべのくまなきいわい泳げととの子 大分県 玖珠町 童話祭 「くすまち」「こいのぼり」 049. ちんちんごう 雲を追いつつ頬つきて うたい妙音つりかけ詣で 筑豊電鉄 「ちくほう」「でんてつ」 048. かきわけにいづるボタらはいかさまに円居なすらむ富士とつむらむ 飯塚 旧住友忠隈炭鉱ボタ山 「いいづか」 047. 津はひびきすさべどこさず艦つ垣ゆきつしずみつやわすかむなぎ 若松 軍艦防波堤 「ずずつき」「ふゆつき」「やなぎ」 046. なきしのぶ川辺のかげはまことしくあかつきかけし夢を見つれか 筑豊本線 遠賀川橋梁 あかつき3号 「なかま」「はぶ」 045. 御名折る律句ばかりをくくりおく 慚無きことの毎度なるとて 折句三昧 「おりくざんまい」 044. 宣たてし材を編みこみ置きなやみ律をととのえくくる歌なり 千歳折句 「せんざいおりく」 043. 新進とあけし国北 大名立て 詣でたきは来 稜地の威神 2016年3月26日 新青森-新函館北斗 開業 「しんあおもり」「しんはこだてほくと」 042. 遺漏なき主に牙なす頑物も好けばわが真子 来ませともに寝 詠題 猫派か犬派か 041. 双眸に露あふるるも僥倖ぞ よき日の多く得ればこそ染め 詠題 卒業 「そつぎよう」 040. みあかしの透きて灯るや瑞華糖 甘味とりどり目にも麗し 信州銘菓 みすゞ飴 「みすずあめ」 039. 四方をまうもく星号よ つつがなき旅路を願う三原のふもと 伊豆大島 三原山 もく星号 「とうきよう」 038. めでたきと耳目いざなう腰しろき﨟たき刀自よ くれないの塔 東京タワー 「とうきよう」 037. うみどりはよく飛びゆかむ旗手たてて うてばはねだつ渡界のつばさよ 羽田空港 「とうきよう」 036. 時千歳うてば東夷もきなれにし詠み手の名こそうつさざりけれ とうきょうスカイツリー(旧業平橋)駅 在原業平 「とうきよう」 035. 鬨にぎし馬場参道 来なば見ゆ よき日よき地 祈うもののふ 府中 大国魂神社参道 「とうきよう」「ふちゆうし」 034. 徳川の移りこしゆり今日日までよくもはえたるうまし国都よ 江戸 東京 「とうきよう」 033. 時に文政 謳いし奇書の生の墨を由と纏える美し都よ 東京 縁起 「とうきよう」 032. 幸むすぶまでいざ端午 とともこも玖珠の春さりかけあそばさね 久大本線 豊後森駅 「ぶんごもり」 031. 宿をなみ人馬なえゆく甲州路 さてそ開かん花都のおこりし 内藤新宿 縁起 「しんじゆく」 030. ちはやぶる神に玉借る奈多の浦 御宣り海しく産女いさおし 海の中道 奈多 神功皇后伝承 「うみのなかみち」 029. 八十が偽禍すくいたまわん蒲穂肌 比売が芳妙得たるは寛仁 平成27年 神田明神遷座400年 大己貴説話 「かんだみょうじん」 028. 陸はるかあざむき渡らん和邇いかだ 舌禍辛命皮はげ生尽 平成27年 神田明神遷座400年 大己貴説話 「かんだみょうじん」 027. 国が獅子美鬣いさおな牙貌なり 爪は捕り方鉤は狩り方 平成27年 神田明神遷座400年 三乃宮 平将門 026. おさめ鉾おきて語らひなすきずな結び紐とく地を国となす 平成27年 神田明神遷座400年 一乃宮 大己貴 二乃宮 少彦名 「おおなむち」「すくなひこ」 025. 甘酸いの澱にあわれをもてあそび林檎しみつく奥のみちのく 青森県りんごジュース シャイニー 「あおもり」 024. あかさずもまにままにまに手をあますらむ安からず隙もたちなむ 天照大神 岩戸隠れ 「あまてらす」 023. 時あらば憂き世ふりすて郷里へとよらせたまえと姥はねがえど 日本国 首都 東京 「とうきよう」 022. 姉が池に奇患克せし栄えのさき 万禍ふみこす蘭学のすえ 総武線 秋葉原駅 岩本町 お玉ヶ池種痘所 「あきはばら」 021. 歌うたう人の日をそぐ肺やまい 雛ほととぎす馴れぬあいだに 山手線 鶯谷駅 「うぐいすだに」 020. 橙に瑠璃の朝明け馳せまとい早苗田くくらせ汽車は行くらん 寝台特急あかつき3号 筑豊本線 桂川-原田 「けいせん」「はるだ」 019. 過ぎかれて何そなつかしき終の朝 埋けし轍ろ鈍とひかめく 西鉄北九州線 砂津 - 黒崎駅前 1992年10月24日 廃止 「くろさき」「すなつ」 018. 飛び来ざま討ちし鉤あし禽夜叉児 黄泉おくりしか穿ちほふるに 寝台特急 はやぶさ 東京-西鹿児島 「とうきよう」「にしかごしま」 017. 参らせと衆生いざなう御粧雪 四海にはえよ錦の威峰 寝台特急 富士 東京-西鹿児島 「とうきよう」「にしかごしま」 016. 閑をみた組合普請が晒れてなお煤しし栄華の匂いを生せり 直方 石炭記念館(旧筑豊石炭鉱業組合直方会議所) 「のおがた」 015. 渡らせよ 河童の地蔵まつりしと伝えに聞けばゆかしかの方 戸畑 若戸渡船 若松 高塔山 かっぱ地蔵 「わかまつ」「とばた」 014. 生く日足る日 物見衆生が山をなしはゆる引き札たれ起業祭 八幡 東田 八幡製鉄所 起業祭 「やはた」「ひがしだ」 013. 隠らるる姫の乞うままおみなこのこしけのやまいすくわせたまえ 永犬丸 榊姫神社 「えいのまる」 012. 伏しおる知謀の駒も行き初むや 馬影かくす欅のむこう 府中 東京競馬場 「ふちゆう」 011. 嵩立つは土にあらずと聞きし山 草むすよすか閑にもがもな 中間 香月 椋枝 大辻炭鉱ボタ山 「かつき」「なかま」 010. 夏されば八坂祇園の鉦太鼓ひびきて集くひさしともがら 小倉 八坂神社 祇園祭 「こくら」 009. くうならば路次にかぐわしサニーなる貴偉のたまもて腹をそみたさん 黒崎 シロヤベーカリー サニーパン 「くろさき」 008. もどりえぬ時世にあれどこのまちのうしろがえりの旅そおかしき 門司港 「もじこう」 007. 海をさす四線のそろえ同じくも離会かさねておましましけり 筑豊本線 折尾-中間 「おりお」「なかま」 006. 野に侘ぶる男いさまし頑とたつ 恃みにあらば街にそおかまし 直方 中ノ島 坑夫の像 「のおがた」 005. 現し世に目見えたまわる黒衣嬢 初心とあれかし時代なるもの 京都 旧梅小路蒸気機関車館 「うめこうじ」 004. わたつみは火車ゆきかいて真黒なる塚をそなえし日をおぼゆるか 筑豊本線 若松駅 「わかまつ」 003. 首級あげ名にたつ義士の涯のはて わかつ境そ木戸の高輪 品川 泉岳寺 「しながわ」 002. いまはむかし刑たまわりし武のかたも国ながむるか楼たかきゆり 池袋 巣鴨プリズン(現サンシャインシティ) 「いけぶくろ」 001. 潮はやき壇ノ浦が瀬 水天のをさなみたまも泡とほどけし 下関 壇ノ浦古戦場 「しものせき」 ▲ 上に戻る ▲