うたのみあらか

かみほめ つちほめ たてまつる みそひとつ

長崎街道

長崎街道 筑前六宿 原田宿 三国境 肥前なる田代の道の絶えけるや

福岡県筑紫野市 長崎街道 三国境 嘆く 同行の甲斐はあらめや 霧りにける佐賀の行く方ながめかてぬに 836. どうぎょうの かいはあらめや きりにける さがのゆくかた ながめかてぬに 同行の甲斐は在らめや 霧りにける佐賀の行く方眺め/詠めかてぬに どう ぎょ…

直方 長崎街道沿いの町 おらが町の 廃るべきかは 元文元年

直方 長崎街道沿いの町(1736年より) 町年寄 庄野仁右衛門を偲ぶ のぼりくだり往来盛る街村にたぐりし徳は仁の字なるめり 365. のぼりくだり おうらいさかる がいそんに たぐりしとくは にのじなるめり 上り下り往来盛る街村に手繰りし徳は仁の字なるめり …

筑豊本線 上穂波駅 阿恵 老松神社 街道わきの句々迺智さま

筑豊本線 上穂波駅 阿恵 老松神社 言祝く 道ゆきを長みあえげばほいやりと御垣にのぞく木祖神しおらし 295. みちゆきを ながみあえげば ほいやりと みかきにのぞく きのおやしおらし 道行きを長み喘げばほいやりと御垣に覗く木祖神様かも み ちゆきを な が…

筑前国 筑紫神社 豊年満作 お粥さまのうらなうままに

筑前国 御笠郡 原田宿 筑紫神社 粥卜祭 言祝く 粥の肴は吉凶つぐるかび一朶 生えて春めくつくしうつくし 271. かゆのなは きっきょうつぐる かびいちだ はえてはるめく つくしうつくし 粥の肴は吉凶告ぐる黴一朶 生えて春めく筑紫美し かゆのな は きっきょ…

筑前国 御笠郡 原田宿 行く方はるか まずは慌つな 腹ごしらえ

筑前国 御笠郡 原田宿 名物 はらふと餅 言祝く はらのみの留守そおんみの大事なる はみ鎮めてむはらふとさまもて 270. はらのみの るすそおんみの だいじなる はみしずめてむ はらふとさまもて 腹の実の留守そ御身の大事なる 食み鎮めてむはらふと様以て は …

筑前国 御笠郡 山家宿 道はふたまた 身はひとつ

筑前国 御笠郡 山家宿 言祝く 宿ひとつまかりて道のえだわかれ 日田な薩摩なまねく追分 269. やどひとつ まかりてみちの えだわかれ ひたなさつまな まねくおいわけ 宿一つ罷りて道の枝分かれ 日田な薩摩な招く追分 や どひとつ ま かりてみちの え だわかれ…

筑前国 穂波郡 内野宿 大銀杏 妻を亡くして八十余年

筑前国 穂波郡 内野宿 内野の大銀杏 言祝く 堂守のやもめいちもち大銀杏 しとねしきしく秋そ寂しき 268. どうもりの やもめいちもち おおいちょう しとねしきしく あきそさびしき 堂守のやもめ逸物 大銀杏 褥 頻敷く秋そ寂しき どうもり の やもめいちも ち …

筑前国 穂波郡 飯塚宿 曩祖八幡宮 さぞや后を慕いてけむ

筑前国 穂波郡 飯塚宿 曩祖八幡宮 土地名の由緒を言祝く いつしにもいづちに散れども会せむと花にやいつく曩つ祖らは 267. いつしにも いづちにちれども かいせむと はなにやいつく さきつおやらは 何時しにも何方に散れども会せむと花にや斎く/居着く/居憑…

筑前国 鞍手郡 木屋瀬宿 舟運さかえし鞍手の宿場

筑前国 鞍手郡 木屋瀬宿 宿場踊り 言祝く 古態なる矢止めの町の軒ならび 背子は手を掻く笠御はめぐる 266. こたいなる やどめのまちの のきならび せこはてをかく かさごはめぐる 古態なる矢止めの町の軒並び 背子は手を掻く笠御は巡る こ たいなる や どめ…

筑前黒崎宿 櫻屋主人 明治六年改姓 贈従五位 宇都宮正顕

筑前国 遠賀郡 黒崎宿 旅籠 櫻屋 櫻屋主人 古海東四郎を偲ぶ 公卿にも楼に宿りし櫻屋は勤皇あつみ正と顕る 265. くぎょうにも ろうにやどりし さくらやは きんのうあつみ まさとあらわる 公卿にも楼に宿りし櫻屋は勤皇厚み正と顕る く ぎょうにも ろ うにや…

筑前黒崎宿 櫻屋 勤皇の志士 御用達の旅籠

筑前国 遠賀郡 黒崎宿 旅籠 櫻屋 偲ぶ 一新の國のあしたの論つはき櫻の宿に霧ふかめけむ 264. いっしんの くにのあしたの ろんつはき さくらのやどに きりふかめけむ 一新の國の明日/朝の論唾吐き櫻の宿に霧深めけむ いっしんの く にのあしたの ろ んつはき…

長崎街道 起点 常盤橋 もとめしは砂糖の甘みか島のかたちか

豊前国 企救郡 長崎街道 起点 常盤橋 伊能忠敬翁を偲ぶ 島嶼ごときわみしまなこしば干けむ 企救の初日のただ高みしに 263. とうしょごと きわみしまなこ しばひけむ きくのはつひの ただたかみしに 島嶼ごと極めし眼瞬きけむ只高き企救の初日に と うしょご…

長崎街道 筑前六宿 遠賀郡一宿 鞍手郡一宿 穂波郡二宿 御笠郡二宿

長崎街道 筑前六宿 遠賀郡黒崎宿から御笠郡原田宿まで 言祝く 夢寐うつつ新菓珍味の愉絶ほしみ含みてしかな 道の神たたかむ 262. むびうつつ しんかちんみの ゆぜつほしみ くくみてしかな ちのかみたたかむ 夢寐現 新菓珍味の愉絶欲しみ含みてしかな 道の神…

長崎街道 砂糖街道 踏みゆくつちも甘からむ

長崎街道 砂糖の道 シュガーロード 言祝く 嘗めてしが さしもゆかしき菓子もよい 何方にも食らう道のみたから 261. なめてしが さしもゆかしき かしもよい どちにもくらう みちのみたから 嘗めてしが 然しもゆかしき菓子催い 何方にも食らう道の御宝 な めて…

八幡西区 幸神 幸の神神社 草鞋をかざる小さなほこら

八幡西区 幸神 幸の神神社 猿田彦さまに奉る さきながみ憩うほこらの軒したに替うるわらじも御諸なるめり 244. さきながみ いこうほこらの のきしたに かうるわらじも みもろなるめり 先長み憩う祠の軒下に替うる草鞋も御諸なるめり さ きながみ い こうほこ…

八幡西区 藤田 春日神社 添うて聞きたき昔語り

八幡西区 藤田 春日神社 偲ぶ 振り建てし入魂の町はたなごころ 之房公とながめためるかも 242. ふりたてし じこんのまちは たなごころ ゆきふさこうと ながめためるかも 振り建てし入魂の町は掌 之房公と眺めためるかも ふ りたてし じ こんのまちは た なご…

八幡西区 藤田 春日神社 松寿丸 生い成る黒崎大明神

八幡西区 藤田 春日神社 武甕槌命に奉る 船泊てし城下のみちをたどりなば春日の宮に花そ咲わむ 241. ふなはてし じょうかのみちを たどりなば かすがのみやに はなそわらわむ 船泊てし城下の道を辿りなば春日の宮に花そ咲わむ ふ なはてし じ ょうかのみちを…

筑前国 長崎街道 黒崎宿 城を廃して宿場興る

筑前国 長崎街道 黒崎宿 偲ぶ 海をつく九郎の端城 退けばささ人馬ざざめき宿場しさからむ 240. うみをつく くろうのはじろ ひけばささ じんばざざめき しゅくばしさからむ 海を衝く九郎の端城 退けば然々人馬ざざめき宿場し盛らむ うみをつ く くろうのはじ …

黒崎 くまで通り商店街 興玉神 街道筋の傘の下 赤い鳥居の猿田彦

黒崎 くまで通り商店街 興玉神 言祝く 黒崎に詣で来るたびのどちひとり 興玉さまやりはつなるかも 236. くろさきに までくるたびの どちひとり おきたまさまや りはつなるかも 黒崎に詣で来る度/旅のどち一人興玉様や利発なるかも く ろさきに まで くるたび…

北九州市八幡西区 舟町 黒崎湊跡 草長けて石くれひとつ湊跡

北九州市八幡西区 舟町 黒崎湊跡 偲ぶ 難波へと来たる人しな棹しげみ浪華みちひく洞の青海 211. なにわへと きたるひとしな さおしげみ ろうかみちひく くきのあおうみ 難波へと来たる人品棹繁み浪華道曳く洞の青海 なにわへ と き たるひとし な さ おしげ …

筑豊電鉄 木屋瀬電停 長崎街道 宿帳のこる広南従四位白象

筑豊電鉄 木屋瀬電停 言祝く 舶来の背しろき客も軒ゆすり宿に落ちけむ心しらひに 176. はくらいの せしろききゃくも のきゆすり やどにおちけむ こころしらひに 舶来の背白き客も軒揺すり宿に落ちけむ心しらひに はくらいの せ しろききゃくも の きゆすり …

筑豊電鉄 新木屋瀬電停 扇天満宮 夢に出でます天神さま

筑豊電鉄 新木屋瀬電停 言祝き 菅原道真公に奉る 夢の瀬のさめてみのるや安寝の子 扇天神そいてあるべし 175. ゆめのせの さめてみのるや やすいのこ おうぎてんじん そいてあるべし 夢の瀬の覚めて実るや安寝の子 扇天神添いてあるべし ゆめの せの さめて…

木屋瀬・感田 遠賀野あたり 街道追分 興玉神社 赤間の道は渡し舟

遠賀野 興玉神社 遠賀川の渡し 往時を偲ぶ 遠賀の魚ならず憂えんまろうどがよるはましらのきみの庵かも 174. おかのいお ならずうれえん まろうどが よるはましらの きみのいおかも 遠賀の魚ならず憂えん客人が拠るは猿の君の庵かも おかのい お ならずうれ…

筑豊電鉄 感田電停 阿高神社 大水に流れ着いた祠を崇めて

筑豊電鉄 感田電停 阿高神社 由緒を偲び言祝く 婆々さまがおさげ知れらんくすのえだ 願いも知れらん水なたぎりそ 173. ばばさまが おさげもしれらん くすのえだ ねがいもしれらん みずなたぎりそ 婆々様がお下げ知れらん楠の枝願いも知れらん水な滾りそ ばば…

北九州市八幡西区 舟町 五卿上陸地の碑 古湊に偲ぶ幕末の政変

八幡西区 舟町 五卿上陸地の碑 偲び言祝く 吹き荒るる波七難もまつろわず 筑前の灯にきょうはよすらむ 138. ふきあるる なみしちなんも まつろわず ちくぜんのひに きょうはよすらむ 吹き吹き荒るる波七難も服わず筑前の灯に卿/今日は寄すらむ ふ きあるる …

曲里の松並木 長崎街道 黒崎宿 歳松の二張りばかりのこりけり

長崎街道 黒崎宿 曲里の松並木 往古の松にかしこみ、あたらしき並木に言祝く くきの海 路次に背負わば先にまつ樹々は曲里の並木なりけり 052. くきのうみ ろしにせおわば さきにまつ きぎはまがりの なみきなりけり 洞海 路次に背負わば先に待つ樹々は曲里の…