うたのみあらか

かみほめ つちほめ たてまつる みそひとつ

名物 -伝承-

摂津国風土記より難波高津 天降りこし彦と探女と舟ひとつ

摂津国風土記より難波高津(大阪府大阪市中央区) 天探女によせ 言祝く なにはさて宣くままにかつぎこし探女の海に楼家なみたつ 789. なにはさて のたまくままに かつぎこし さぐめのうみに ろうかなみたつ 何はさて宣く儘に担ぎ来し探女の海に楼家並み立つ …

福岡市天神 母里太兵衛屋敷跡 菅公もあさみつほれつ頑固者

福岡県福岡市中央区天神 母里太兵衛屋敷跡 黒田家臣 母里但馬守に奉る のまばのめ のまば見せてんおとこ意地 干さば獲りなんみごとひとすじ 753. のまばのめ のまばみせてん おとこいじ ほさばとりなん みごとひとすじ 呑まば呑め 呑まば見せてん男意地 干さ…

東海道五十三次 五十の宿 近江国甲賀郡 水口宿 水口の石にや匂うみましかも

近江国甲賀郡(滋賀県甲賀市) 水口宿 名物 水口石を言祝き 大井子に捧ぐ なみの手にくみするものか力石 ただしららなる大井子の手に 699. なみのてに くみするものか ちからいし ただしららなる おおいこのてに 並の手に与するものか力石 唯白らなる大井子…

東海道五十三次 四十九の宿 近江国甲賀郡 土山宿 ものわかりよき甲羅やな舌つづみ

近江国甲賀郡(滋賀県甲賀市) 土山宿 名物 蟹ヶ坂飴を言祝く つくばいし道触りの蟹の厄はらえ まろきあまきに益とけゆかね 697. つくばいし ちふりのかみの やくはらえ まろきあまきに やくとけゆかね 蹲いし道触りの蟹の厄祓え 円き甘きに益溶け行かね つ …

東海道五十三次 四十八の宿 伊勢国鈴鹿郡 阪之下宿 わがせなとよべば夜深し立烏帽子

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 阪之下宿 鈴鹿御前に奉る 山月よかのさま手びけ慕いつつした待つ御前をあわれと思わば 695. さんげつよ かのさまてびけ したいつつ したまつごぜを あわれとおもわば 山月よ彼の様手引け慕いつつ下待つ御前を哀れと思わば さ …

東海道五十三次 四十八の宿 伊勢国鈴鹿郡 阪之下宿 筆捨てのゆかりを問えど岩根山

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 阪之下宿 阪之下 筆捨嶺 広重の手によせ 言祝く 峰もうたた色こき往にし法眼の筆を呑みしか言わねのさのさ 694. ねもうたた いろこきいにし ほうげんの ふでをのみしか いわねのさのさ 峰も転色濃き往にし法眼の筆を呑みしか言…

東海道五十三次 四十六の宿 伊勢国鈴鹿郡 亀山宿 曽我におとらぬ元禄ひとつはら

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 亀山宿 名物 石井兄弟敵討を言祝く いかで天かれと戴かめや さらば真秀にも非にもはたさざらむや 691. いかでてん かれといただか めやさらば まほにもひにも はたさざらむや 如何で天彼と戴かめや 然らば真秀にも非にも果たさ…

東海道五十三次 四十五の宿 伊勢国鈴鹿郡 庄野宿 地いろは いさましも美し汲川原

伊勢国鈴鹿郡(三重県鈴鹿市) 庄野宿 名物 女人堤防を言祝く 浸む地によきおなごまし雨さはらす 載せつ積みつつ身を罪しろに 689. しむつちに よきおなごまし うさはらす のせつつみつつ みをつみしろに 浸む地に善き女子坐し雨さ/憂さ晴らす 載せつ積みつ…

東海道五十三次 四十四の宿 伊勢国鈴鹿郡 石薬師宿 狸にも如来にもなる命ありこせ

伊勢国鈴鹿郡(三重県鈴鹿市) 石薬師宿 もののふの棟梁を言祝く 医者ぼとけくすし縁もて衆生めき降りたちけらし三河あたりに 686. いしゃぼとけ くすしえにもて しゅじょうめき おりたちけらし みかわあたりに 医者仏奇し/薬師縁以て衆生めき降り立ちけらし…

東海道五十三次 三十二の宿 遠江国浜名郡 白須賀宿 子を守る身にも輩の生えてけむ

遠江国浜名郡(静岡県湖西市) 白須賀宿 名物 袈裟切り地蔵を言祝く 永久なるは六道またぎし菩薩すらもてわずらうかあやかしづくとは 658. とわなるは ろくどうまたぎし ぼさつすら もてわずらうか あやかしづくとは 永久なるは六道跨ぎし菩薩すらもて煩うか…

東海道五十三次 二十八の宿 遠江国磐田郡 見附宿 夜さのもののけ 与謝の手なる

遠江国磐田郡(静岡県磐田市) 見附宿 名物 夜泣き婆を言祝く あなおそろ 怪異の哭き女の恙まく御族のいかで禍つ日よきむ 650. あなおそろ けいのなきめの つつがまく みぞうのいかで まがつひよきむ あな怖ろ 怪異の哭き女の恙まく御族のいかで禍つ日避きむ…

東海道五十三次 二十五の宿 遠江国佐野郡 日坂宿 無念なるらめ 抱きしもあえぬいろはこそ

遠江国佐野郡(静岡県掛川市) 日坂宿 日坂 佐夜ノ中山 名物 夜泣き石を言祝く 魂尽くるにも母ごころ尽きざらし 佐夜の中山かなし石泣く 644. たまつくる にもははごころ つきざらし さよのなかやま かなしいしなく 魂尽くるにも母心尽きざらし 佐夜の中山哀…

東海道五十三次 二十一の宿 駿河国志太郡 岡部宿 うつつにもあわれなりけむいろごのみ

駿河国志太郡(静岡県藤枝市) 岡部宿 むかしおとこを偲ぶ みやこ落つべきとが負いしかなし身の男ながめし駿河なるかも 636. みやこおつ べきとがおいし かなしみの おとこながめし するがなるかも 都落つべき咎負いし哀し身の男眺めし駿河なるかも みやこお…

東海道五十三次 十八の宿 駿河国庵原郡 江尻宿 天つ女のなお降りにやと松がよい

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 江尻宿 名物 羽衣の松を言祝く えにかけし上手の舞はりりしくも艶らなりけむ見まくしもがも 630. えにかけし じょうずのまいは りりしくも つやらなりけむ みまくしもがも 枝に/縁掛けし上手の舞は凛々しくも艶らなりけ…

東海道五十三次 十八の宿 駿河国庵原郡 江尻宿 天降りこしひめのより松みそもがも

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 江尻宿 名所 三保の松原を言祝く 七重八重 神のかよい路あてまさり見惚るるままに天降りこしけむ 629. ななえやえ かみのかよいじ あてまさり みほるるままに あもりこしけむ 七重八重 神の通い路貴優り見惚るる儘に天降…

東海道五十三次 八の宿 相模国淘綾郡 大磯宿 あだ討ちはなりて涙そすすかざる

相模国淘綾郡(神奈川県大磯町) 大磯宿 大磯 虎ヶ雨 広重の手によせて 名物虎ヶ雨を言祝く さつき野に生おせるあめはいらつめのそでをあふれてふりしきるかも 604. さつきのに おおせるあめは いらつめの そでをあふれて ふりしきるかも 皐月野に生おせる雨…

東海道五十三次 五の宿 相模国鎌倉郡 戸塚宿 佐野の源左を見てしがな

相模国鎌倉郡(神奈川県横浜市戸塚区) 戸塚宿 戸塚 元町別道 広重の手によせ 鉢木を思い 言祝く 乏しみに継ぐ衣もつがずかけきたるおとこ思ほゆ 茶屋の軒端に 597. ともしみに つぐいもつがず かけきたる おとこおもほゆ ちゃやののきばに 乏しみに継ぐ衣も…

新潟県村上市岩ヶ崎 多岐神社 弁慶のうらに日をさす多岐の海

新潟県村上市岩ヶ崎 多岐神社 九郎判官一行の遺説を偲び 多岐都比売命に奉る さき奇しきわが道なれといにしえの行者たぎつか海をいつくしみ 573. さきくしき わがみちなれと いにしえの ぎょうじゃたぎつか みをいつくしみ 前/先/幸奇しき吾が道なれと往にし…

栃木県小山市 思川おもいわかたに田心川

栃木県小山市 思川 田心比売命に奉る わが貴のいろねのすすぐ御許こそ田心の川と田子の呼びけめ 553. わがむちの いろねのすすぐ おもとこそ たごりのかわと たごのよびけめ 吾が貴のいろねの濯ぐ御許こそ田心の川と田子の呼びけめ わが むちの い ろねのす…

京都市東山区清水 地主神社 御車返して時めき初むるさくら花

京都府京都市東山区清水 地主神社 大国主命に奉る 春みゆき一重八重の枝 君おしみ御車やらず転めかしけり 505. はるみゆき ひとえやえのよ きみおしみ みくるまやらず くるめかしけり 春行幸一重八重の枝君惜しみ御車遣らず転めかしけり はるみゆ き ひとえ…

京都府八幡市 石清水八幡宮 千代を籠めたる法師ありけり

京都府八幡市 石清水八幡宮 八幡大神に奉る いかでかはわけふみ詣づる神祀殿 見ずして罷る人のあるべき 456. いかでかは わけふみまづる しんしでん みずしてまかる ひとのあるべき 如何でかは分け踏み詣づる神祀殿 見ずしてまかる人の在るべき い かでかは …

羽咋市吉崎町 湍津姫神社 たのしからむ さびしからむ あねいもうとのかげをなみ

羽咋市吉崎町 湍津姫神社 湍津比売命に奉る おろちなる湖潟干して地掻く里 湍津の比売はひとり暮らしけり 392. おろちなる うみがたほして ちがくさと たけつのひめは ひとりくらしけり 大蛇なる湖潟干して地掻く里 湍津の比売は一人暮らしけり お ろちなる …

筑前国 直方 南朝ゆかりの地名にあるか

筑前国 直方 由緒を言祝く 赤心の胆気は猛りがちならし おのこますらそ皇方にたつ 364. せきしんの たんきはたけり がちならし おのこますらそ のうがたにたつ 赤心の胆気は猛り勝ちならし 男益荒そ皇方に立つ せきしんの た んきはたけり が ちならし お の…

筑前 豊前 国境 福智山 異議あらば 首をかけよと 黒田武士

筑前 豊前 国境の山 福智山 黒田家臣 鷹取城主 母里友信の逸話を偲ぶ 祈む富士に後れはとらぬ岳なりと太兵衛の愛づる福智山かも 361. のむふじに おくれはとらぬ がくなりと たへえのめづる ふくちやまかも 祈む富士に後れは取らぬ岳なりと太兵衛の愛づる福…

筑豊本線 天道駅 天道神社 源満仲、海賊純友と対峙する

筑豊本線 天道駅 天道神社 由緒を言祝く 満仲は賊を討ちてん加護あれと伏してあがまうむちのひるめに 293. みつなかは ぞくをうちてん かごあれと ふしてあがまう むちのひるめに 満仲は賊を討ちてん加護あれと伏して崇まう貴の日霊に みつなかは ぞくをうち…

日暮里駅 太田道灌像 みのひとつ なくてみのるや うたごころ

山手線 日暮里駅 太田道灌像 言祝く にわか雨 ぽつとおぼゆる里下の縁 一枝の露の道と灌きぬ 251. にわかあめ ぽつとおぼゆる りかのえに ひとよのつゆの みちとそそきぬ 俄か雨 ぽつと覚ゆる里下の縁 一枝の露の道と灌きぬ に わかあめ ぽつ とおぼゆる り …

中間市 堀川 馬この皮かわらしの肌か 河童の証文 浸まざりき

中間市 堀川 伝承によせて偲ぶ わきまえし河童ひそみぬ律儀にもほとびたらめやほのみえなくに 232. わきまえし かっぱひそみぬ りちぎにも ほとびたらめや ほのみえなくに 弁えし河童潜みぬ律儀にも潤びたらめや仄見え無くに わ きまえし か っぱひそみぬ り…

筑豊電鉄 新木屋瀬電停 扇天満宮 夢に出でます天神さま

筑豊電鉄 新木屋瀬電停 言祝き 菅原道真公に奉る 夢の瀬のさめてみのるや安寝の子 扇天神そいてあるべし 175. ゆめのせの さめてみのるや やすいのこ おうぎてんじん そいてあるべし 夢の瀬の覚めて実るや安寝の子 扇天神添いてあるべし ゆめの せの さめて…

愛媛県 みかん 時じくの香ぐの木の実

愛媛県 田道間守の伝承を偲び伊予国を言祝く えだえだに陽の果見るこそめでたけれ 時じ常世もいよよ近めり 141. えだえだに ひのかみるこそ めでたけれ ときじとこよも いよよちかめり 枝々に陽の果見るこそ目出度けれ 時じ常世もいよよ近めり え だえだに …

山手線 目黒駅 権之助坂 説話 坂を開きて死を賜る

山手線 目黒駅 権之助坂 中目黒村名主 菅沼権之助を偲び、坂を言祝く 誰のため苦役やわらぐ緩勾路 誰のひらくや名にしとどめな 060. たれのため くえきやわらぐ かんこうろ たれのひらくや なにしとどめな 誰の為苦役和らぐ緩勾路 誰の拓くや名にし留めな た…