うたのみあらか

かみほめ つちほめ たてまつる みそひとつ

むかしのできごと

令和改元奉祝 天平二年正月十三日 大宰帥宅 梅花宴

令和改元奉祝 天平二年正月十三日 大宰帥宅 梅花宴 兄大伴旅人に奉る 人はみな花と生りにき さればおのおのにほふどち 杯なとどめそ 849. ひとはみな はなとなりにき さればおの おのにほふどち つきなとどめそ 人は皆花と生りにき 然れば己己匂ふどち 杯な…

群馬県太田市 生品神社 義貞のいくさほの見ゆ皐月やみ

群馬県太田市新田市野井町 生品神社 新田義貞挙兵伝説地 大穴牟遅神に奉る 往にしにはくつわならびし時なるも夏のいくさは響もすばかりに 830. いにしには くつわならびし しだなるも なつのいくさは とよもすばかりに 往にしには轡並びし時なるも夏の軍は響…

JR東日本 高田馬場駅 伊予西条藩士の血風塵

JR東日本 高田馬場駅 元禄七年如月 高田馬場の決闘 敗れしものを偲ぶ かたきどちだにもほふられ野ざらしに晩節過ぐすばかりなりけむ 822. かたきどち だにもほふられ のざらしに ばんせつすぐす ばかりなりけむ 敵どちだにも屠られ野晒しに晩節過ぐすばかり…

福岡県添田町 日田彦山線 彦山駅 まけいくさ足りぬ命のおとしまえ

福岡県田川郡添田町 JR九州 日田彦山線 彦山駅 1945年11月12日 二又トンネル爆発事故 はらからを悼む 勝ち軍 火を仕損じぬ 此つ方を惨に埋みぬ 役あけにしに 800. かちいくさ ひをしそんじぬ こつかたを さんにうずみぬ えきあけにしに 勝ち軍 火を仕損じぬ …

福岡県大刀洗町 大堰神社 床島堰 幸ひは祖の血の沁む地にこそ

福岡県三井郡大刀洗町冨多 大堰神社 床島堰 罔象女神によせ 床島堰の五庄屋に奉る おのづから落つるみづはよ是非もなく来座し廻らへ祖のひく御路 785. おのづから おつるみづはよ ぜひもなく きましめぐらへ おやのひくみち 己づ柄落つる罔象よ/早よ是非も無…

福岡市天神 母里太兵衛屋敷跡 菅公もあさみつほれつ頑固者

福岡県福岡市中央区天神 母里太兵衛屋敷跡 黒田家臣 母里但馬守に奉る のまばのめ のまば見せてんおとこ意地 干さば獲りなんみごとひとすじ 753. のまばのめ のまばみせてん おとこいじ ほさばとりなん みごとひとすじ 呑まば呑め 呑まば見せてん男意地 干さ…

福岡市東区 筥崎宮 現つ世も言霊幸え 敵国降伏

福岡県福岡市東区 筥崎宮 八幡大神に奉る 晴るかしし古往の寇にきざむ手のなお魂かぎる遥かの海かも 737. はるかしし こおうのあだに きざむての なおたまかぎる はるかのみかも 晴るかしし古往の寇に刻む手の猶魂かぎる遥かの海かも は るかしし こ おうの…

東海道五十三次 二十二の宿 駿河国志太郡 藤枝宿 孫三の孫の伝えし朱印状

駿河国志太郡(静岡県藤枝市) 藤枝宿 白子の町を言祝く 吹きかえす侍衛の恩の大なれば伊勢ゆ駿河の白子かんじょう 638. ふきかえす じえいのおんの だいなれば いせゆするがの しろこかんじょう 吹き反す侍衛の恩の大なれば伊勢ゆ駿河の白子勧請 ふ きかえ…

東海道五十三次 五の宿 相模国鎌倉郡 戸塚宿 佐野の源左を見てしがな

相模国鎌倉郡(神奈川県横浜市戸塚区) 戸塚宿 戸塚 元町別道 広重の手によせ 鉢木を思い 言祝く 乏しみに継ぐ衣もつがずかけきたるおとこ思ほゆ 茶屋の軒端に 597. ともしみに つぐいもつがず かけきたる おとこおもほゆ ちゃやののきばに 乏しみに継ぐ衣も…

福岡県太宰府市 太宰府天満宮 東風ふかばながめまくほし梅うたげ

福岡県太宰府市 太宰府天満宮 右大臣道真公に奉る 堕転めくざまをみるこそ因果なれ不遇なぐさむ花しららかに 580. だてんめく ざまをみるこそ いんがなれ ふぐうなぐさむ はなしららかに 堕転めく様を見るこそ因果なれ不遇慰さむ花白らかに だ てん めく ざ …

福岡県飯塚市幸袋 旧伊藤伝右衛門邸 華にたぐわぬも丈夫なれ

福岡県飯塚市幸袋 旧伊藤伝右衛門邸 伊藤伝右衛門を偲ぶ 炉にあかくくぶるほむらのうらはらにことのは鎮むる男ありけり 577. ろにあかく くぶるほむらの うらはらに ことのはしずむる おとこありけり 炉に赤く焼ぶる炎の裏腹に言の葉鎮むる男在りけり ろ に…

福岡県飯塚市幸袋 旧伊藤伝右衛門邸 三世にながむる時じ月読

福岡県飯塚市幸袋 旧伊藤伝右衛門邸 柳原燁子を偲ぶ 恋いそめし初心にいろさす黒髪のなさけおもえばももとせの月 576. こいそめし うぶにいろさす くろかみの なさけおもえば ももとせのつき 恋い初めし初心に色差す黒髪の情け思えば百歳の月 こ いそめし う…

新潟県村上市岩ヶ崎 多岐神社 弁慶のうらに日をさす多岐の海

新潟県村上市岩ヶ崎 多岐神社 九郎判官一行の遺説を偲び 多岐都比売命に奉る さき奇しきわが道なれといにしえの行者たぎつか海をいつくしみ 573. さきくしき わがみちなれと いにしえの ぎょうじゃたぎつか みをいつくしみ 前/先/幸奇しき吾が道なれと往にし…

京丹後市 奈具神社 奈具村に天女も祖もなぐべくあらに

京都府京丹後市弥栄町船木奈具 奈具神社 往古奈具村の祖を思い 豊宇賀能賣神に奉る 天降りこしつゆひとときにふる里のなき身となりぬ なぐさみもがも 569. あもりこし つゆひとときに ふるさとの なきみとなりぬ なぐさみもがも 天降り来し露一時に降る/古里…

鳴門市大麻町板東 板東俘虜収容所 板独にむすぶえにしに果てあらで

徳島県鳴門市大麻町板東 板東俘虜収容所 往時のともがらともがき偲び 阿波の国つ母 大宜都比売大神に奉る うたかたの同舟なりしも万鈞の橋かかりたり二千里のさき 566. うたかたの どうしゅうなりしも ばんきんの はしかかりたり にせんりのさき 泡沫の同舟…

徳島県鳴門市 大麻比古神社 囚われの月日に響く歓喜あり

徳島県鳴門市 大麻比古神社 板東俘虜収容所 眼鏡橋 ドイツ橋 松江豊寿陸軍中佐を偲び 大麻比古神と阿波の国つ母 大宜都比売大神に奉る あさからぬおひげの佐のお懇志と水はたたえよ ゆめにも涸るな 565. あさからぬ おひげのすけの おこんしと みずはたたえ…

奈良県天理市 大和神社 父子桜 いくかえり咲いたまえ いくせ散るとも

奈良県天理市 大和神社 戦艦大和ゆかりの宮 父子桜 大国主大神によせ 日本大国魂大神に奉る ひとひらにかげを偲ばば沖さくる祖よいろ兄よまとかなれかし 550. ひとひらに かげをしのばば おきさくる おやよいろえよ まとかなれかし 一片に影を偲ばば沖放くる…

西武新宿線 新狭山駅 三ツ木原古戦場 道灌はいかに思うや道節は

埼玉県狭山市 西武新宿線 新狭山駅 三ツ木原古戦場 往古を偲ぶ 神算の矢たけびたてば勝りざま落ちてはらめく扇谷そ 540. しんさんの やたけびたてば まさりざま おちてはらめく おうぎがやつそ 神算の矢叫び立てば勝り様落ちてはらめく扇谷そ しんさ んの や…

西武新宿線 東村山駅 東村山音頭 一家そろいし茶の間もむかし

東京都東村山市 西武新宿線 東村山駅 東村山音頭 言祝く 半ドンの日が落ちゆきてしむらなるやさおとこ世にまして郷祝く 533. はんどんの ひがおちゆきて しむらなる やさおとこよに ましてさとほく 半ドンの日が落ち行きて志村なる優男世に申して郷祝く はん…

西武新宿線 西武柳沢駅 旧中島飛行機 地に墜ちて昴の星はなおあかし

東京都西東京市 西武新宿線 西武柳沢駅 旧中島飛行機 中島知久平 中島知久平を偲び 言祝く やさし眉ぎわ 現つ世の無為なれと青雲の技師統ばりし人の 527. やさしまゆ ぎわあきつよの ぶいなれと せいうんのぎし すばりしひとの 優し眉際 現つ世の無為なれと…

西武新宿線 上石神井駅 石神井城 愛宕山城 人も世もまろき月こそめでたけれ

東京都練馬区 西武新宿線 上石神井駅 石神井城 愛宕山城 言祝き 道灌と川瀬巴水を偲び 月読命に奉る 神し身に益をたのまば陣にいづ 往にしもおなじ巴水の月なれ 524. かみしみに やくをたのまば じんにいづ いにしもおなじ はすいのつきなれ 神し身に益を頼…

西武新宿線 下井草駅 銀杏稲荷神社 三浦氏の末裔 井口を名乗る

東京都杉並区 西武新宿線 下井草駅 銀杏稲荷神社 言祝き 倉稲魂命に奉る 相模ゆり具してうつりし一党もすえ見守るらし木立かさめく 521. さがみゆり ぐしてうつりし いっとうも すえみもるらし こだちかさめく 相模ゆり具して移りし一党も末見守るらし木立嵩…

西武新宿線 鷺ノ宮駅 鷺宮八幡神社 陸奥守もどりそこねし六つの年

東京都中野区 西武新宿線 鷺ノ宮駅 鷺宮八幡神社 源頼義公を偲び 八幡大神に奉る 晒れのはて御意にかないし祈み人に陸奥のあか八重とつみけむ 520. されのはて ぎょいにかないし のみひとに みちのくのあか やえとつみけむ 晒れの果て御意に叶いし祈み人に陸…

西武新宿線 沼袋駅 沼袋氷川神社 道灌のすぎのむくろの枯山水

東京都中野区 西武新宿線 沼袋駅 沼袋氷川神社 江古田原合戦 駅を言祝き 道灌と往時の合戦を偲び 須佐之男命に奉る 幣はらえ まぶのこしらえ 黒の鹿毛 武者は討ちいづ江古田原さし 517. ぬさはらえ まぶのこしらえ くろのかげ むしゃはうちいづ えごたはらさ…

静岡市葵区 賤機山 静岡浅間神社 火になじみあれば祟らざるか

静岡県静岡市葵区 賤機山 静岡浅間神社 木之花咲耶姫命に奉る 鎮神に旗巻かせける益あればまして豪めく葵の宮なれ 509. しずかみに はたまかせける やくあれば ましてえらめく あおいのみやなれ 鎮神に旗巻かせける益あれば況して豪めく葵の宮なれ しず かみ…

京都市東山区清水 地主神社 御車返して時めき初むるさくら花

京都府京都市東山区清水 地主神社 大国主命に奉る 春みゆき一重八重の枝 君おしみ御車やらず転めかしけり 505. はるみゆき ひとえやえのよ きみおしみ みくるまやらず くるめかしけり 春行幸一重八重の枝君惜しみ御車遣らず転めかしけり はるみゆ き ひとえ…

徳島県美馬市 中鳥 伊射奈美神社 川中の島を去にけり 母も子も

徳島県美馬市美馬町中鳥 伊射奈美神社 伊邪那美尊に奉る 夏さりて霖雨ばかりの訪う日には隠れし子らの何そ思ほゆる 504. なつさりて りんうばかりの とうひには かくれしこらの なそおもほゆる 夏去りて霖雨ばかりの訪う日には隠れし子らの何そ思ほゆる なつ…

長野県 諏訪大社 下社秋宮 かみしもあらそいみあらかくべらる

長野県諏訪郡下諏訪町 諏訪大社 下社秋宮 売神祝ノ印 建御名方神に奉る 仇し世の貴家は千尋の水の辺にやつれ幽るるしるしなりけり 498. あだしよの きかはちひろの みずのへに やつれかくるる しるしなりけり 仇し世の貴家は千尋の水の辺に窶れ幽るる印なり…

のぞみ2号の旅 広島駅 07:18発

広島県広島市 山陽新幹線 広島駅 悼み言祝く 閃きのしきてあめつち全からず 昭和二十年八月六日ゆ 489. ひろめきの しきてあめつち またからず しょうわにじゅうねん はちがつむいかゆ 閃きの敷きて天地全からず 昭和二十年八月六日ゆ ひろ めきの し きてあ…

のぞみ2号の旅 徳山駅 06:56発

山口県周南市 山陽新幹線 徳山駅 偲び言祝く 突ごつのくすし入り江に大和なるいにしのかげやおぼろに見べき 488. とつごつの くすしいりえに やまとなる いにしのかげや おぼろにみべき 突ごつの奇し入り江に大和なる往にしの影や朧に見べき と つごつの く …