うたのみあらか

かみほめ つちほめ たてまつる みそひとつ

福岡県

北九州市八幡西区 帆柱山 樹も人も祖を偲ばば直ぐに立つ

北九州市八幡西区 帆柱山 息長帯比売命に奉る 星さかる万古の海ゆり新羅さす祖ほこるらし杉の叢立つ 410. ほしさかる ばんこのみゆり しらぎさす おやほこるらし すぎのむらたつ 星盛る万古の海ゆり新羅さす祖を誇るらし杉の叢立つ ほ しさかる ば んこのみ…

北九州市八幡東区 皿倉山 新日本三大夜景も上古にはただ星ばかりさかりてありけむ

北九州市八幡東区 皿倉山 息長帯比売命に奉る 落日に礼侍かなわば三指とう里の灯りを見させてしかも 409. らくじつに らいじかなわば さんしとう さとのあかりを みさせてしかも 落日に礼侍叶わば三指とう里の灯りを見させてしかも らく じつに ら いじかな…

八幡西区 香月 旧大辻炭鉱 山神宮跡 人車にぎしき通りのさなか 不意に山めくあたりあり

八幡西区 香月 旧大辻炭鉱 山神宮跡 大山祇大神に奉る 棄て宮にくびきとかれし隠し神 つれさらばやときざはし見まくし 408. すてみやに くびきとかれし かくしがみ つれさらばやと きざはしみまくし 棄て宮に頸木解かれし隠し神 連れ去らばやと階 見まくし …

福岡県小郡市 天忍穂耳神社 小郡はちいさきこおり 生す音もいたくさやぎてはあらず

福岡県小郡市 今隈地区 天忍穂耳神社 天忍穂耳命に奉る 此の神はいつく樟にもまぐわしく正勝吾勝勝速日とう 401. このかみは いつくくすにも まぐわしく まさかつあかつ かちはやひとう 此の神は斎く樟にも目細しく正勝吾勝勝速日とう このかみは い つくく…

宗像大社 ご祭神 宗像三女神 あめみま助けよ祀られよ

宗像大社 ご祭神 宗像三女神 奉る 六ヶ岳なりける比売はかなたこち旅の子すくる道主のむち 400. むつがたけ なりけるひめは かなたこち たびのこすくる みちぬしのむち 六ヶ岳 生りける比売は彼方此方旅の子助くる道主貴 む つがたけ な りけるひめは か な…

宗像大社 田島 辺津宮 釣川の長太のいつく田島べり

宗像大社 田島 辺津宮 市杵島比売命に奉る 睦む海に流るる水のかたえなる市杵島比売いつく辺つ宮 399. むつむみに ながるるみずの かたえなる いちきしまひめ いつくへつみや 睦む海に流るる水の片方なる市杵島比売斎く辺つ宮 む つむみに な がるるみずの …

宗像大社 大島 中津宮 次い女はつかずはなれず浮かれ坐し

宗像大社 大島 中津宮 湍津比売命に奉る 村わらべ夏七夕にかけはずみ湍津の比売の笑む中つ宮 398. むらわらべ なつたなばたに かけはずみ たぎつのひめの えむなかつみや 村童夏七夕に駆け弾み湍津の比売の笑む中つ宮 む らわらべ な つたなばたに か けはず…

宗像大社 沖ノ島 沖津宮 神つ島おみなこのただひとはしら

宗像大社 沖ノ島 沖津宮 田心比売命に奉る 無垢なるは波のへだつる神つ島 田心の比売のます沖つ宮 397. むくなるは なみのへだつる かみつしま たごりのひめの ますおきつみや 無垢なるは波の隔つる神つ島 田心の比売の坐す沖つ宮 む くなるは な みのへだつ…

豊前国 英彦山神宮 日の神の御子を祀りし日子の山

豊前国 英彦山神宮 天之忍穂耳命に奉る 天照らす比売のいとしむ子のつかさ 讃ずる御名そおしほみみなる 393. あまてらす ひめのいとしむ このつかさ さんずるみなそ おしほみみなる 天照らす比売の愛しむ子の長 讃ずる御名そ忍穂耳なる あまてらす ひ めのい…

香椎宮 綾杉 遠つ比売の彩をやどして杉ひとつ

香椎宮 綾杉 息長帯比売命に奉る 直ぐな子の加護はとこしへ しづかにも色あざらけくたてり綾杉 390. すぐなこの かごはとこしへ しづかにも いろあざらけく たてりあやすぎ 直ぐな子の加護は常しへ 閑かにも色鮮らけく立てり綾杉 すぐなこの か ごはとこしへ…

筑紫行宮 橿日宮 いさおし君とうつくし比売と 筑紫行幸に住吉の影

筑紫行宮 橿日宮 往古を偲び息長帯比売命に奉る 八重のなみ見延ぶる比売のいつき宮 かしづきあらな かしこみ詣でな 359. やえのなみ みのぶるひめの いつきみや かしづきあらな かしこみまでな または 八重のなみ見延ぶる比売の日繰る地にかしづきあらな か…

筑紫国 香椎廟 遠つ后の香椎に住まうと養老七年

筑紫国 香椎廟 往古を偲び息長帯比売命に奉る 樫の実の一人落つれば便なきと夭后ぐしていを寝たまえり 388. かしのみの いちじんおつれば びんなきと ようごうぐして いをねたまえり 樫の実の一人落つれば便なきと夭后具して寝を寝たまえり かし のみの い …

筑前国 香椎宮 御島神社 わたつみの髪結い初めし御島かも

筑前国 香椎宮 御島神社 息長帯比売命を偲び奉る 浦は朱ぐれ頬そむる美し比売のかづらく御髪みづらにわかれぬ 387. うらはあけ ぐれほおそむる いしひめの かづらくみぐし みづらにわかれぬ 浦は朱暮れ頬染むる美し比売の鬘く御髪美豆良に別かれぬ う らはあ…

筑前国 香椎宮 小碓の子 熊襲討たむと筑紫洲にたつ

筑前国 香椎宮 仲哀帝を悼む 住吉のかかる神慮としらずしていぶかる君ははかなくなられき 386. すみよしの かかるしんりょと しらずして いぶかるきみは はかなくなられき 住吉の懸かる神慮と知らずして訝る君は果無くなられき すみよしの か かるしんりょと…

黒崎駅 駅前ペデストリアンデッキ しるべひかめく宵くらむ山の影

鹿児島本線 黒崎駅 駅前ペデストリアンデッキ 言祝く 綺羅の陽を逆方に投ぐる楼硝子 空中歩廊に踊るだまし絵 383. きらのひを さかえになぐる ろうがらす くうちゅうほろうに おどるだましえ 綺羅の陽を逆方に投ぐる楼硝子 空中歩廊に踊る騙し絵 き らのひを…

帝国鉄道庁九州線 遠賀川-室木 明治四十一年七月一日開業

国鉄室木線 遠賀川-室木 昭和六十年四月一日廃止 偲ぶ わが居り処おんみ仮漆めくむかしいろ 旧型客車や灯そあたたかき 382. わがおりが おんみにすめく むかしいろ きゅうがたきゃくしゃや ひそあたたかき わが居り処おんみ仮漆めくむかしいろ 旧型客車や灯…

筑豊電鉄 遠賀野電停 菜の花大橋あたり 月すらもひえびえあさむ花菜むら

筑豊電鉄 遠賀野電停 菜の花大橋あたり 言祝く 菜の花の惚気うとみて岸卉燃し落ちゆく玉よ六が岳がり 381. なのはなの のろけうとみて がんきもし おちゆくたまよ むつがたけがり 菜の花の惚気疎みて岸卉燃し墜ちゆく玉よ六が岳許 なのはなの の ろけうとみ…

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 稲穂むらさきつ庄屋も見惚るるや

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 近隣の美田を言祝く 水抜かば瑞禾くがねに斎いつつかすむ福智になびく秋され 380. みずぬかば ずいかくがねに いわいつつ かすむふくちに なびくあきされ 水抜かば瑞禾黄金に斎いつつ霞む福智に靡く秋され み ずぬかば ず…

直方市 中泉駅 岡森堰 豊前の水に関なす堰 設くは筑前上境

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 言祝く 流れ来し上境には堰たちずしやかにその水嵩ましゆく 379. ながれこし かみざかいには いせきたち ずしやかにその みかさましゆく 流れ来し上境には堰立ちずしやかにその水嵩増しゆく な がれこし か みざかいには …

直方市 中泉駅 岡森堰 米の国は水の国 田枯れもいさかいも 水を尊み

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 感田村庄屋 渡辺善吉を偲ぶ 祖つ田の水を乏しみ井手ひけど懸けし庄屋の情けな流しそ 378. おやつたの みずをともしみ いでひけど かけししょうやの なさけなながしそ 祖つ田の水を乏しみ井手引けど懸けし庄屋の情けな流し…

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 なかいずみ むかし炭積み いま髪摘み

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 言祝く ながらえし構えふるくも色さして瑞とめぐるや三色灯 377. ながらえし かまえふるくも いろさして ずいとめぐるや みついろあかり 長らえし構え旧くも色差して瑞と廻るや三色灯 な がらえし か まえふるくも い ろさして …

平成筑豊鉄道 伊田線 藤棚駅 境橋 祈む水の西も東も下境

平成筑豊鉄道 伊田線 藤棚駅 境橋 言祝く 福智山は十里に 水はたなごころ ながめすがしや 境橋の招く 376. ふくちやまは じゅうりにみずは たなごころ ながめすがしや さかいばしのおく 福智山は十里に水は掌 眺め清しや境橋の招く ふ くちやまは じ ゅうり…

直方 南直方御殿口駅 御殿口地蔵 細い道に入って 新町第三公民館の前

平成筑豊鉄道 伊田線 南直方御殿口駅 御殿口地蔵 言祝く 皆に一味の雨そそぐ折あらん願をいだきて立つか地蔵御 375. みなにいち みのあめそそぐ おりあらん がんをいだきて たつかじぞうご 皆に一味の雨注ぐ折在らん願を抱きて立つか地蔵御 みな にい ち み…

平成筑豊鉄道 伊田線 直方-田川伊田 国端の炭都をつなぐ複線路

平成筑豊鉄道 伊田線 直方-田川伊田 往時を偲ぶ のたのたりおがむ彦山川あおみ隊伍つらなし炭車は添うらし 374. のたのたり おがむひこさん がわあおみ たいごつらなし たんしゃはそうらし のたのたり拝む彦山川青み隊伍結びて炭車は添うらし の た のたり …

直方 下境 須賀神社 直方隕石 さすらうこと45億年 天よりくだりて1150年

直方 下境 須賀神社 直方隕石 世界最古の落下目撃事例 素盞嗚尊に奉る 天降りこし日真名子の座も揺るぎしか 飛石疾墜 四海に先駆く 373. あもりこし ひまなこのざも ゆるぎしか ひせきしっつい しかいにさきがく 天降り来し日真名子の座も揺るぎしか 飛石疾…

直方 須崎町 開月館 煤めきてありうつし世もゆめの瀬も

直方 須崎町 開月館 在りし日を偲ぶ 煤けしもさかるおりしにキネマ美しみたびによらしむさすらい人しも 372. すすけしも さかるおりしに きねまいしみ たびによらしむ さすらいびとしも 煤気しも盛る折しにキネマ美しみ度/旅に寄らしむ流離人しも す すけし…

直方 須崎町公園 芙美子碑 少女すこやかにはぐくむ毒と夢

直方 須崎町公園 芙美子碑 偲ぶ カチューシャのすさびて侘びし木賃宿 越す夜も明けぬふみの道やも 371. かちゅーしゃの すさびてわびし きちんやど こすよもあけぬ ふみのみちやも カチューシャの遊びて侘びし木賃宿 越す夜も明けぬ文の道やも かちゅーしゃ…

直方 向野堅一記念館 日清貿易研究所 功も屍も紙一重の夢

直方 向野堅一記念館(鞍手郡新入村生まれ) 氏の芳友を悼む 清朝ににじむにき日の夕立ちて秀づ兄らは夜露に果てにき 370. しんちょうに にじむにきひの ゆうだちて ひいづあにらは よつゆにはてにき 清朝に滲む和日の夕立ちて秀づ兄らは夜露に果てにき しん…

直方 新町 直方歳時館 三太立志伝の瑞兆は海軍払い下げ鉱にあり

直方 新町 直方歳時館(旧堀三太郎邸) 言祝く 地の子らの万福結びし瀟家こそ三太の放りける御徳なるめり 369. ちのこらの まんぷくむすびし しょうかこそ さんたのほりける ごとくなるめり 地の子らの万福結びし瀟家こそ三太の放りける御徳なるめり ち のこ…

直方 殿町 多賀町公園 貝島太助像 偉丈夫の緑ふかめて星凍てつ

直方 殿町 多賀町公園 貝島太助像 偲び言祝く 魁なりと聞く貝島の祖はひづちわらべ守りつつ緑づきゆく 368. かいなりと きくかいじまの そはひづち わらべもりつつ みどりづきゆく 魁なりと聞く貝島の祖は漬ち/泥打ち童守りつつ緑着きゆく かいなり と きく…