2017-03-30から1日間の記事一覧
詠題 声 ふるきにも よきことありと くぐもるこえの あたたかさ 彼の岸へ急きてそ渡りつる人の遠き日の唄テープにあざやぐ 130. かのきしへ せきてそわたり つるひとの とおきひのうた てーぷにあざやぐ 彼の岸へ急きて渡らひつる人の遠き日の唄テープに鮮や…
詠題 結婚 気のすすまない宴席を 呪詛も吐かずに埋めたのだから 破婚の折には溜飲下がる 不幸話のひとつやふたつ 聞かせてくれてもいいだろう 啓示なくつがい結びし今生も宿世の縁の兆しなれかし 129. けいじなく つがいむすびし こんじょうも しゅくせのえ…
詠題 電車 205系から30年 E231系から13年 やがて来む真新しきにのぼせたる鉄道少年線細くあり 128. やがてこむ まあたらしきに のぼせたる てつどうしょうねん せんほそくあり やがて来む真新しきに逆上せたる鉄道少年線細く在り や がてこむ ま あたらしき…
詠題 はつこい つみなきみには むなしきうたかな 花手折る罪おぼえしか校舎裏 生き廻らいし楡の古木よ 127. はなたおる つみおぼえしか こうしゃうら いきめぐらいし にれのこぼくよ 花手折る罪覚えしか校舎裏生き廻らいし楡の古木よ は なたおる つ みおぼ…
詠題 ふるさと ゆめいだきて わかつくびき ゆめやぶれて たどるよすが 吹きされの流浪のままにさりゆかば遠き日にこそよきものはあれ 126. ふきされの るろうのままに さりゆかば とおきひにこそ よきものはあれ 吹き曝れの流浪のままに晒りゆかば遠き日にこ…
詠題 曜日 げつかすいよう やすんでいても もくきんどよう なまけていても はたらくものか にちようび にくらしき朝起もなんぞ夜をふかし憂き世忘らな美酒に漬きつつ 125. にくらしき ちょうきもなんぞ よをふかし うきよわすらな びしゅにつきつつ 憎らしき…
詠題 さくら いのちみじかき ひとのこが ちるをおしめる さくらのはなは としがめぐれば またさきほこる わらべのやがて おきなとなりて ついにははいと みまかりたれば はなはたむけに そのみをちらす あたらいのちの ほろほろと はかなくちるや ほろほろと…
詠題 たまご 折り詠む 湯の獄を出て殻剥がれたるに塩まぶし大蛇がごとく食みおり 123. ゆのごくを でてからはがれ たるにしお まぶしおろちが ごとくはみおり 湯の獄を出て殻剥がれたるに塩塗し大蛇が如く食みおり ゆ のごくを で てからはがれ た るにしお …
磐長姫(いわながひめ) 言祝く 磯つちをわくる波にもながされぬ干潮の磐こそめでたかりけれ 122. いそつちを わくるなみにも ながされぬ ひしおのいわこそ めでたかりけれ 磯地を分くる波にも流されぬ干潮の磐こそめでたかりけれ い そつちを わ くるなみに…
大山祇(おおやまつみ)神 かしこむ 惜しからめ親の結びにまつろわず露と儚き身の余生こそ 121. おしからめ おやのむすびに まつろわず つゆとはかなき みのよせいこそ 惜しからめ親の結びに服わず露と儚き身の余生こそ お しからめ おや のむすびに ま つろ…