東京都
山手線 品川駅 高輪大木戸 伊能忠敬翁を偲ぶ 四分儀を嘗めてとらえし画龍やな わたつかみらがなづる洲ぎわ 092. しぶんぎを なめてとらえし がりょうやな わたつかみらが なづるしまぎわ 四分儀を嘗めて捕らえし画龍やな 海つ神が撫づる洲ぎわ し ぶんぎを …
山手線の旅 品川－田町 旅のはじめを言祝く 沁みいらばなおりて詠まむ賀しのうた わたる八十隈しきしまの道 091. しみいらば なおりてよまむ がしのうた わたるやそくま しきしまのみち 沁み入らば直りて/名折りて 詠まむ賀詞/しの歌渡る八十隈敷島の道 し …
山手線 品川駅 御殿山 慰め言祝く 國のため身を棄ててなおさかる庭 あどなき花が咲いてあるらし 090. くにのため みをすててなお さかるにわ あどなきはなが わらいてあるらし 國の為身を棄てて尚盛る庭あどなき花が咲いてあるらし くにのため みをすててな…
山手線 品川駅 高輪神社 宇迦御魂神に奉る 汐を背になおらせたまえと願かけて咲う稲荷や高輪鎮守 089. しおをせに なおらせたまえと がんかけて わらういなりや たかなわちんじゅ 汐を背に 治らせ/名折らせ 給えと願掛けて若子が頼みや高輪鎮守 し おをせに …
山手線 大塚駅 言祝く 落ち遠き翁がたりは続くとも禍厄の祓いは此にたちそめき 088. おちとおき おきながたりは つづくとも かやくのはらいは こにたちそめき 落ち遠き翁語りは続くとも禍厄の祓いは此に起ち初めき お ちとおき お きながたりは つ づくとも …
山手線 田町駅 芝浜 言祝く 七の字が晩節かざる匠わざ まさかにうつす千代の芝浜 087. しちのじが ばんせつかざる たくみわざ まさかにうつす ちよのしばはま 七の字が晩節飾る匠技目前に映す千代の芝浜 し ちのじが ば んせつかざる た くみわざ ま さかに…
山手線 浜松町駅 旧芝離宮恩賜庭園 偲び寂しむ 離れ宮 ままにのぼりし築山の千代を籠むれど海こそ見えね 086. はなれみや ままにのぼりし つきやまの ちよをこむれど うみこそみえね 離れ宮ままに上りし築山の千代を籠むれど海こそ見えね は なれみや まま …
山手線 新橋駅 C11 292号機 言祝く ともがらは故郷に眠りし暮れの寒 汽笛ひびけばいよよ夜深し 085. ともがらは くににねむりし くれのかん きてきひびけば いよよよぶかし 輩は故郷に眠りし暮れの寒 汽笛響けば愈夜深し ともがらは くににねむり し くれの…
山手線 有楽町駅 1957年 そごう開店 往時をしのぶ ゆかばやとうきたつ子らはラジオまねくちさかしらに夜さり深めぬ 084. ゆかばやと うきたつこらは らじおまね くちさかしらに ようさりふかめぬ 行かばやと浮き立つ子らはラジオ真似口賢しらに夜さり深めぬ …
山手線 東京駅 日比谷入江を偲ぶ 遠つ波うちわるるこそ聞きたけれよすがたどれば内堀見まく 083. とおつなみ うちわるるこそ ききたけれ よすがたどれば うちぼりみまく 遠つ波内/打ち割るるこそ聞きたけれ寄す処辿れば内堀見まく と おつなみ う ちわるるこ…
東京都千代田区 神田神保町 言祝く かよいなん 己が身にただ知を酌めよ 凡夫万考 人士をなさん 082. かよいなん うぬがみにただ ちをくめよ ぼんぷばんこう じんしをなさん 通いなん己が身に只知を酌めよ凡夫万考 人士を為さん か よいな ん う ぬがみにた …
山手線 神田駅 神田明神 平将門首塚 かしこみ言祝く 丑寅の大穴持のまもりふだ伏せてそまいらん公の首塚 081. うしとらの おおあなもちの まもりふだ ふせてそまいらん きみのくびづか 丑寅の大穴持の護り札伏せてそ参らん公の首塚 うしとらの おおあなもち…
山手線 秋葉原駅 言祝く 此は欧亜ひろく名高き文化の葉 千々にしげれば栄す街から 080. こはおうあ ひろくなだかき ぶんかのは ちぢにしげれば さかすまちから 此は欧亜広く名高き文化の葉 千々に繁れば栄す街柄 こはおう あ ひろくなだか き ぶんかの は ち…
山手線 御徒町駅 言祝く 地に高き摩利支天山ちかよらば鐘も鳴らまし屋な上ゆり 079. ちにたかき まりしてんさん ちかよらば かねもならまし おくなうえゆり 地に高き摩利支天山近寄らば鐘も鳴らまし屋な上ゆり ち にたかき ま りしてんさん ち かよらば か …
東北本線 上野駅 祖を偲ぶ 憂き日こそ笑みをともせと野良をうち野良うちわたる母そ恋ほしき 078. うきひこそ えみをともせと のらをうち のらうちわたる ははそこほしき 憂き日こそ笑みを灯せと野良を打ち野良打ち渡る母そ恋ほしき う きひこそ え みをとも…
東北本線 上野駅 兄姉を偲ぶ のぼり路の襟のかたさはうせはてて そもふるさとはうつつならむやは 077. のぼりじの えりのかたさは うせはてて そもふるさとは うつつならむやは 上り路の襟の固さは失せ果てて そも故郷は現ならむやは の ぼりじの え りのか…
東北本線 上野駅 往時を偲ぶ うつろいし栄華よ久にののめかね なまりなつかしその停車場に 076. うつろいし えいがよひさに ののめかね なまりなつかし そのていしゃばに 移ろいし栄華よ久にののめかね訛り懐かしその停車場に う つろいし え いがよひさに …
西日暮里 道灌山 遠つ兄らに戯る 春告に音をたがえしに巣をわかつ きよしや独歩 しき鳴きしけり 075. はるつげに ねをたがえしに すをわかつ きよしやどっぽ しきなきしけり 春告に音を違えしに巣を別つ 清しや独歩 頻鳴き如けり はるつげ に ねをたがえ し…
山手線 西日暮里駅 富士見坂 寂しむ 名のえにしビルの彼方に思いつつ山見のさんぽ今やならざり 074. なのえにし びるのかなたに おもいつつ やまみのさんぽ いまやならざり フル漢字 なのえ にし びるのかなた に おもいつ つ やまみのさん ぽ いまやならざ …
山手線 田端駅 田端文士村 往時を偲ぶ 文士うたかたひしめけば言あまた生まれては散る 星に芥に 073. ぶんしうた かたひしめけば ことあまた うまれてはちる ほしにあくたに 文士泡沫犇めけば言数多生まれては散る星に芥に ぶんしう た かたひしめけ ば こと…
山手線 駒込駅 六義園 由緒を偲び言祝く 古今集まねび矛ふる御用人 めづるつつじのよしやすなわち 072. こきんしゅう まねびほこふる ごようにん めづるつつじの よしやすなわち 古今集学び矛振る御用人愛づる躑躅の由や即ち こ きんしゅう ま ねびほこふる …
JR巣鴨駅 豊島区巣鴨 地蔵通り 言祝く のみおろすおみかげ札が霊験もかくさぬしわそ這う またし来よ 071. のみおろす おみかげふだが れいげんも かくさぬしわそ はうまたしこよ 飲み下ろす御影札が霊験も隠さぬ皺そ這う亦し来よ のみおろ す おみかげふだ …
文京区大塚（旧武蔵国豊島郡大塚） 八犬伝 劇中に遊ぶ かにみるは現なるまじ おみなこのまたがりてその犬と駆けゆく 070. かにみるは おつつなるまじ おみなこの またがりてその いぬとかけゆく 彼に見るは現なるまじ女児の跨りてその犬と駆け行く か にみる…
山手線 池袋駅 立教大学 旧江戸川乱歩邸 言祝く 露悪なる蔵をひらきし文傑のけれん看取りて家は蔵めり 069. ろあくなる くらをひらきし ぶんけつの けれんみとりて いえはきすめり フル漢字 ろ あくなる く らをひらきし ぶ んけつの け れんみとりて い え…
JR目白駅 学習院 血洗いの池 言祝き戯れる 武庸もかしこきかたには慎みぬろ つては大あじ知こそ洗わめ 068. たけつねも かしこきかたには つつみぬろ つてはおおあじ ちこそあらわめ 武庸も畏き方には慎みぬろ 伝手は大味 知こそ濯わめ たけつねも かしこき…
東京都 中央区 月島 月読命に奉る 佃橋ゆ きしかた仰げばまどかなる月読ひとつわけしりにます 067. つくだばしゆ きしかたあおげば まどかなる つくよみひとつ わけしりにます 佃橋ゆ 来し/岸 方仰げば円かなる月読一つ訳知りに坐す つ くだばしゆ きし かた…
山手線 新大久保駅 悼み祷る 信愛に生いゆく栄えのおもさにも悔いはたちけむ母堂見ざれば 066. しんあいに おいゆくはえの おもさにも くいはたちけむ ぼどうみざれば 信愛に生い行く/逝く栄えの重さにも悔いは立ちけむ母堂見ざれば しん あいに お いゆくは…
JR新宿駅 新宿総鎮守 花園神社 倉稲魂命に奉る くまで咲く酉の初冬よいのつじ 奉納提灯おごりて明かし 065. くまでさく とりのはつふゆ よいのつじ ほうのうちょうちん おごりてあかし 熊手咲く酉の初冬宵の辻奉納提灯驕りて明かし くまでさ く とりのはつふ…
山手線 代々木駅 後生を言祝く 世ごもりに夜ごもりかけて行じたるまめの報いはひたむきなるらむ 064. よごもりに よごもりかけて ぎょうじたる まめのむくいは ひたむきなるらむ 世籠もりに夜籠もりかけて行じたる実の報いは直向きなるらむ よ ごもりに よ …
山手線 原宿駅 明治神宮 かしこみ言祝く つごもりは暮れて夜すがらにぎし辻 おのづむれゆく歳のみあれ処 063. つごもりは くれてよすがら にぎしつじ おのづむれゆく としのみあれが 晦日は暮れて夜すがら賑し辻自づ群れ行く歳の御生れ処 つごもり は くれて…
