うたのみあらか

かみほめ つちほめ たてまつる みそひとつ

静岡県

東海道五十三次 十八の宿 駿河国庵原郡 江尻宿 海そめでたき 今も往にしも往にしの往にしも

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 江尻宿 江尻 三保遠望 広重の手によせ 言祝く 現つ海は帆船はしらせえも青む上古の松は隆と潮じむ 628. あきつみは ほぶねはしらせ えもあおむ じょうこのまつは りゅうとしおじむ 現つ海は帆船走らせえも青む上古の松は…

東海道五十三次 十七の宿 駿河国庵原郡 興津宿 逢う浜のするがひたちを聞きあえず

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 興津宿 名所を言祝く おとにきく許奴美の浜とつゆしらずきみをまつ海そおのづ潮たるる 627. おとにきく こぬみのはまと つゆしらず きみをまつみそ おのづしおたるる 音に聞く許奴美の浜と露知らず君を待つ海/身そ己づ潮…

東海道五十三次 十七の宿 駿河国庵原郡 興津宿 かかえては地につきなむ徒なるも

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 興津宿 興津 興津川 広重の手によせ 言祝く たぢからお助けそあるべき 息みつつ舁く川越しはなえまろびなむ 626. たぢからお すけそあるべき いきみつつ かくかわごしは なえまろびなむ 手力男助けそ在るべき 息みつつ舁…

東海道五十三次 十六の宿 駿河国庵原郡 由井宿 海も嶺も一幅のうちたなごころ

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 由井宿 由井 さった嶺 広重の手によせ 言祝く 雪富士はいただき晴れて手裏のうち くぐむ松が枝すきてそ映えける 625. ゆきふじは いただきはれて しゅりのうち くぐむまつがえ すきてそはえける 雪富士は頂晴れて手裏の…

東海道五十三次 十六の宿 駿河国庵原郡 由井宿 祖つ世もながめうるわし末つ世も

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 由井宿 由井 さった嶺 広重の手によせ 言祝く 嶺の端ゆのぞむ富士美し ふるびゆく人みすぐして時じくしあらむ 624. みねのはゆ のぞむふじいし ふるびゆく ひとみすぐして ときじくしあらむ 嶺の端ゆ望む富士美し 旧び行…

東海道五十三次 十五の宿 駿河国庵原郡 蒲原宿 白天花よこしてそらは闇ふかし

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 蒲原宿 蒲原 夜之雪 広重の手によせ 言祝く かさみ雪 晩されば寒らかに凍み墨まく天は地に墜ち暗れぬ 623. かさみゆき ばんさればさむ らかにしみ すみまくてんは ちにおちくれぬ 嵩深雪 晩去れば寒らかに凍み墨撒く天は…

東海道五十三次 十五の宿 駿河国庵原郡 蒲原宿 閑かさや天降りこし花とけざらし

駿河国庵原郡(静岡県静岡市清水区) 蒲原宿 蒲原 夜之雪 広重の手によせ 言祝く 道すがら時に暮るれば六つ天花しろ敷く里に宿るべからむ 622. みちすがら ときにくるれば むつてんか しろしくさとに やどるべからむ 道すがら時に暮るれば六つ天花白敷く里に…

東海道五十三次 十四の宿 駿河国富士郡 吉原宿 みぎひだり道触の神の枝折るまま

駿河国富士郡(静岡県富士市) 吉原宿 吉原 左富士 広重の手によせ 言祝く うまの背によする身のから尻あわせ咲うやからは弓手みてけり 621. うまのせに よするみのから しりあわせ わらうやからは ゆんでみてけり 馬の背に寄する身の柄尻合わせ咲う族は弓手…

東海道五十三次 十四の宿 駿河国富士郡 吉原宿 大き峰の宿替えさびし右つ方

駿河国富士郡(静岡県富士市) 吉原宿 吉原 左富士 広重の手によせ 言祝く よせかくる潮いまわしみ海を離るらむ あなめずら ひだり富士みゆ 620. よせかくる しおいまわしみ わたをかる らむあなめずら ひだりふじみゆ 寄せ掛くる潮忌わしみ海を離るらむ あ…

東海道五十三次 十三の宿 駿河国駿東郡 原宿 あなめでた めてにうちそう富士の山

駿河国駿東郡(静岡県沼津市) 原宿 原 朝之富士 広重の手によせ 言祝く 晴れさせば白な富士みゆ ゆく人の吐く音も知らに白むあしたに 619. はれさせば しらなふじみゆ ゆくひとの つくともしらに しろむあしたに 晴れ差せば白な富士見ゆ 行く人の吐く音も知…

東海道五十三次 十三の宿 駿河国駿東郡 原宿 富士の嶺 目に近くしてはら来たり

駿河国駿東郡(静岡県沼津市) 原宿 原 朝之富士 広重の手によせ 言祝く 田鶴どもはすれてあるらし朝明ゆく高嶺もい見ず地を喰いけり 618. たづどもは すれてあるらし あさけゆく たかねもいみず つちをくいけり 田鶴共は擦れてあるらし朝明ゆく高嶺もい見ず…

東海道五十三次 十二の宿 駿河国駿東郡 沼津宿 月そねみつつひとりかも寝む

駿河国駿東郡(静岡県沼津市) 沼津宿 沼津 黄昏図 広重の手によせ 言祝く ぬか星は枕くやことしりづらにます心かげ見せぬ貴のみことと 617. ぬかぼしは まくやことしり づらにます うらかげみせぬ うずのみことと 糠星は枕くや事知り面に座す心影見せぬ貴の…

東海道五十三次 十二の宿 駿河国駿東郡 沼津宿 夜さともす神代の祖の顔なじみ

駿河国駿東郡(静岡県沼津市) 沼津宿 沼津 黄昏図 広重の手によせ 言祝く ぬばたまの真宵どき道づれひとつ まろきつくよみ旧きともがき 616. ぬばたまの まよいどきみち づれひとつ まろきつくよみ ふるきともがき 射干玉の真宵時道連れ一つ 円き月読旧き友…

東海道五十三次 十二の宿 駿河国駿東郡 沼津宿 萎えあしかろむ里あかり

駿河国駿東郡(静岡県沼津市) 沼津宿 沼津 黄昏図 広重の手によせ 言祝く 暮れてこそさびし狩野川づたいなれ まれびとさやにぬるむ宿り灯 615. くれてこそ さびしかのがわ づたいなれ まれびとさやに ぬるむやどりび 暮れてこそ寂し狩野川伝いなれ 客人清に…

東海道五十三次 十二の宿 駿河国駿東郡 沼津宿 道ゆきは暮れて猿田の赤ら顔

駿河国駿東郡(静岡県沼津市) 沼津宿 沼津 黄昏図 広重の手によせ 言祝く 月読のてらすうつしみ濡るる三枚橋 こころづからゆらめく 614. つくよみの てらすうつしみ ぬるるさん まいばしこころ づからゆらめく 月読の照らす映し身濡るる三枚橋 心づから揺ら…

東海道五十三次 十一の宿 伊豆国君沢郡 三島宿 まれ人のかげもおぼろにいでたちぬ

伊豆国君沢郡(静岡県三島市) 三島宿 三島 朝霧 広重の手によせ 言祝き 大山祇命に奉る あさきよみ神のこぼしし瑞の玉 千々にほどけて霧りにけるかも 613. あさきよみ かみのこぼしし みずのたま ちぢにほどけて きりにけるかも 朝清み神の零しし瑞の玉 千…

東海道五十三次 十一の宿 伊豆国君沢郡 三島宿 いやきよし御島の神の朝な吐き

伊豆国君沢郡(静岡県三島市) 三島宿 三島 朝霧 広重の手によせ 言祝き 大山祇命に奉る みやしろは鎮に冴えつつ まろうどはしのに去りつつ あさは醒めゆく 612. みやしろは しずにさえつつ まろうどは しのにさりつつ あさはさめゆく 御社は鎮に冴えつつ 客…

浜松市 秋葉山本宮秋葉神社 御厨に湯文字はかせな 火伏せ札

静岡県浜松市 秋葉山本宮秋葉神社 火之迦具土大神に奉る 天降りつく樹雨憑き漬く頒じふだ 山道ものかは吾家まつらむ 568. あもりつく きさめつきつく はんじふだ やまじものかは わぎえまつらむ 天降り着く樹雨憑き漬く頒じ札 山道ものかは吾家祀ら/待つらむ…

静岡県三島市 三嶋大社 姉ごぜはやもめかさねて田の祭り

静岡県三島市 三嶋大社 お田打ち神事 大山祇大神に奉る みけつ神しましいまほし真菰しく田居の屠蘇うちしやるまにまに 558. みけつかみ しましいまほし まこもしく たいのとそうち しやるまにまに 御食つ神暫し居まほし真菰敷く田居の屠蘇打ち為遣る随に み …

浜松市 五社神社・諏訪神社 あいむつむるみつ柱 さもこそ神いくさ

静岡県浜松市 五社神社・諏訪神社 建御名方大神 武雷命 斎主命 建御名方大神に奉る いくさごし酌みてはかやす醸みの神酒 天かみ地かみひとつやねどち 556. いくさごし くみてはかやす かみのみわ あまかみちかみ ひとつやねどち 軍越し酌みては返す醸みの神…

静岡市葵区 賤機山 静岡浅間神社 火になじみあれば祟らざるか

静岡県静岡市葵区 賤機山 静岡浅間神社 木之花咲耶姫命に奉る 鎮神に旗巻かせける益あればまして豪めく葵の宮なれ 509. しずかみに はたまかせける やくあれば ましてえらめく あおいのみやなれ 鎮神に旗巻かせける益あれば況して豪めく葵の宮なれ しず かみ…

駿河国 焼津 焼津神社 天叢雲 草を薙ぐ

駿河国 焼津(静岡県焼津市) 焼津神社 日本武尊に奉る 召し具するすめのつるぎがくるめくや皇子は討ちいづ仇の叢草 482. めしぐする すめのつるぎが くるめくや みこはうちいづ あだのむらくさ 召し具する皇の剣が転めくや皇子は討ち出づ仇の叢草 めしぐ す…

静岡県伊東市 大室山浅間神社 磐の比売の恋異伝

静岡県伊東市 大室山 大室山浅間神社 磐長姫命に奉る おろがめや降りし天孫むつぶべき臈たき比売のほむらたつ山 478. おろがめや おりしあめみま むつぶべき ろうたきひめの ほむらたつやま 拝めや降りし天孫睦ぶべき臈たき比売の焔立つ山 お ろがめ や お …

富士宮市 富士山本宮浅間大社 うるわしき蒼地白冠の霊峰たたえて

静岡県富士宮市 富士山本宮浅間大社 木花之佐久夜毘売命に奉る 吹かばちる人間なればのどらかに見守りつつあれ 山なたぎりそ 460. ふかばちる じんかんなれば のどらかに みもりつつあれ やまなたぎりそ 吹かば散る人間なれば長閑らかに見守りつつ在れ 山な…

静岡県 お茶の国 陽の染む茶葉を湯に戻し

静岡県 お茶の国 言祝く 嵩たけておもてをしむる瑞の葉のしずくのみどり翡翠にやひく 224. かさたけて おもてをしむる ずいのはの しずくのみどり ひすいにやひく 嵩長けて面を占むる瑞の葉の滴の緑翡翠にや引く か さたけて お もてをしむる ず いのはの し…