うたのみあらか

かみほめ つちほめ たてまつる みそひとつ

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

山形県庄内町 月山神社 石積みに影をともして月の山

山形県東田川郡庄内町 月山神社 月読命に奉る つくよみは山の端よすがあかしつつ籠もるさ満つさまどいふるらん 719. つくよみは やまのはよすが あかしつつ こもるさみつさ まどいふるらん 月読は山の端寄す処明かしつつ籠もるさ満つさ惑い降るらん つくよみ…

京都市 愛宕神社 ひとよごと火は降らざらむ三つ参り

京都府京都市右京区 愛宕神社 迦遇槌命に奉る あえぎつつ御達だきゆく三歳の吾子の火伏せに肌やかせつつ 718. あえぎつつ ごたちだきゆく さんさいの あこのひぶせに はだやかせつつ 喘ぎつつ御達抱き行く三歳の吾子の火伏せに肌焼かせつつ あ えぎつつ ごた…

長野県中野市 小内八幡神社 青獅子 しばの間の闇たたえたり宵の宮

長野県中野市 小内八幡神社 青獅子 大気都姫神に奉る 火ろ奔り獅子たけびなばおんぞろか生まう孫の血は千重ならむ 717. ひろはしり ししたけびなば おんぞろか うまううまごの ちはちえならむ 火ろ奔り獅子猛びなば恩候か生まう孫の血は千重ならむ ひろはし…

京街道 終着ノ二 摂津国西成郡 高麗橋 伊勢もよし木曽もいやよし又つ旅

摂津国西成郡(大阪府大阪市) 高麗橋 言祝く たびのはて恋ほしなにわのうたかたに礼しながめむしばのみ惜しみ 716. たびのはて こほしなにわの うたかたに らいしながめむ しばのみおしみ 旅の果て恋ほし浪速の泡沫に礼し詠めむ暫の身惜しみ たびのはて こ …

京街道 終着ノ一 摂津国東成郡 京橋 来し方に祖の手ならぬ道はなし

摂津国東成郡(大阪府大阪市) 京橋 言祝く 今日なるは茨の原に枝折らいし祖ゆり子らへわたす橋とそ 715. きょうなるは うばらのはらに しおらいし おやゆりこらへ わたすはしとそ 今日なるは茨の原に枝折らいし祖ゆり子らへ渡す橋とそ きょ うなるは うば …

京街道 五十七の宿 河内国茨田郡 守口宿 文禄の人は絶え果て 堤はのこる

河内国茨田郡(大阪府守口市) 守口宿 名物 文禄堤を言祝く 盛りたかく具する堤の千尋並み 安寝し寝さむ枕たかきに 714. もりたかく ぐするつつみの ちひろなみ やすいしなさむ まくらたかきに 盛り高く具する堤の千尋並み 安寝し寝さむ枕高きに もり たかく…

京街道 五十六の宿 河内国茨田郡 枚方宿 千万の茶碗かしまし淀の底

河内国茨田郡(大阪府枚方市) 枚方宿 名物 くらわんか舟を言祝く 日しきりに乱がし水手よかわべなる田鶴もまね鳴くやよ食らわんか 713. ひしきりに らんがしかこよ かわべなる たづもまねなく やよくらわんか 日頻りに乱がし水手よ川辺なる田鶴もまね鳴くや…

京街道 五十五の宿 山城国久世郡 淀宿 天つかた向かいて身すぎ重からし

山城国久世郡(京都府京都市) 淀宿 名物 三十石船を言祝く 世をまつるどしのならいか行く水に逆え綱ひくおのが荷ならぬに 712. よをまつる どしのならいか ゆくみずに さかえつなひく おのがにならぬに 世を奉るどしの慣らいか行く水に逆え綱引く己が荷なら…

京街道 五十四の宿 山城国紀伊郡 伏見宿 名にしおう山にあれ

山城国紀伊郡(京都府京都市) 伏見宿 桃山を言祝く 東風ふかばふさなる桃のしららかにみすみす咲う里にもがもや 711. こちふかば ふさなるももの しららかに みすみすわらう さとにもがもや 東風吹かばふさなる桃の白らかに見す見す咲う里にしもがも こちふ…

京街道 追分 近江国滋賀郡 大津宿 髭茶屋に弓手ひかれて追いわらじ

近江国滋賀郡(滋賀県大津市) 大津宿 言祝く なにはあれ追分おれて大坂へつづく旅みちおいらかにあれ 710. なにはあれ おいわけおれて おおさかへ つづくたびみち おいらかにあれ 何はあれ追分折れて大坂へ続く旅路おいらかにあれ なにはあれ お いわけおれ…

東海道五十三次 終着 山城国愛宕郡 三條大橋 道ひきたまえ新たな旅に

山城国愛宕郡(京都府京都市) 三條大橋 了いを言祝く 散人の用なきにしておもしろく折り旅しはてぬ 走る走るに 709. さんじんの ようなきにして おもしろく おりたびしはてぬ はしるはしるに 散人の用無きにして面白く折り旅し果てぬ 走る走るに さんじ ん…

東海道五十三次 終着 山城国愛宕郡 三條大橋 いかにそや吾家なつかし旅のはて

山城国愛宕郡(京都府京都市) 三條大橋 京師 三條大橋 広重の手によせ 旅の終わりを言祝く 風に散じ 波にかがよう鴨の青 お江戸の青はよくにてあるらし 708. ちにさんじ なみにかがよう かものあお おえどのあおは よくにてあるらし 風に散じ 波に耀う鴨の…

東海道五十三次 終着 山城国愛宕郡 三條大橋 ふところも身柄も寒し 終の道

山城国愛宕郡(京都府京都市) 三條大橋 京師 三條大橋 広重の手によせ 言祝く 参上もおのづにそぼつ尾羽かれて宿つぐ旅の大尾なりけり 707. さんじょうも おのづにそぼつ おはかれて しゅくつぐたびの たいびなりけり 参上も己づに濡つ尾羽枯れて宿継ぐ旅の…

東海道五十三次 五十三の宿 近江国滋賀郡 大津宿 遠つ祖の急がばまわれと言いしかど

近江国滋賀郡(滋賀県大津市) 大津宿 名物 矢橋の渡しを言祝く ひけよ水緒 淡海の真青さなでつつ旅枯るる身をひたせたおたお 706. ひけよみお おうみのまさお さなでつつ たびかるるみを ひたせたおたお 引けよ水緒 淡海の真青さ撫でつつ旅枯るる身を漬せた…

東海道五十三次 五十三の宿 近江国滋賀郡 大津宿 比売神のつかいと知ればなおすがし

近江国滋賀郡(滋賀県大津市) 大津宿 大津 走井茶店 広重の手によせ 名物 走井を言祝く みづはのめ遣せし饗のお寝り処は地にいだかれ冷やかなるらむ 705. みづはのめ おこせしあえの およりがは つちにいだかれ ひやかなるらむ 罔象女遣せし饗のお寝り処は…

東海道五十三次 五十三の宿 近江国滋賀郡 大津宿 出がらしの茶にも名残の旅じまい

近江国滋賀郡(滋賀県大津市) 大津宿 大津 走井茶店 広重の手によせ 言祝く おそはやも己がじしゆく終のみち 時つ神ただ綱ひくままに 704. おそはやも おのがじしゆく ついのみち ときつかみただ つなひくままに 遅早も己がじし行く終の道 時つ神ただ綱引く…

東海道五十三次 五十二の宿 近江国栗太郡 草津宿 いましならぬ誰の思うか腹の鳴り

近江国栗太郡(滋賀県草津市) 草津宿 草津 名物立場 広重の手によせ 名物 うばがもちを言祝く くくむ手にさしくむなさけ尽くしつく母なかくれそ瑞歯さすとも 703. くくむてに さしくむなさけ つくしつく おもなかくれそ みづはさすとも 含む手に差し酌む情…

東海道五十三次 五十二の宿 近江国栗太郡 草津宿 あれは西行き これ東行き

近江国栗太郡(滋賀県草津市) 草津宿 草津 名物立場 広重の手によせ 言祝く たてば来ば幸くにぎわしく行くさくさ廻みつ渡りつ淡海しおおみ 702. たてばこば さくにぎわしく ゆくさくさ たみつわたりつ おうみしおおみ 立場来ば幸く賑わしく行くさ来さ廻みつ…

東海道五十三次 五十一の宿 近江国甲賀郡 石部宿 月読も今宵かぎりの道すがら

近江国甲賀郡(滋賀県湖南市) 石部宿 終の宿りを言祝く いく幸いたびに枕きにしいく夜べきょうもあしたとなりにけるかも 701. いくちわい たびにまきにし いくよるべ きょうもあしたと なりにけるかも 幾幸い旅/度に枕きにし幾夜べ京/今日も明日となりにけ…

東海道五十三次 五十一の宿 近江国甲賀郡 石部宿 目も腹もものほしげなり 如何にせむ

近江国甲賀郡(滋賀県湖南市) 石部宿 石部 目川ノ里 広重の手によせ 言祝く いのちあえ しじにし鎮むべきならばいせはさきがけ淡海はあとに 700. いのちあえ しじにししずむ べきならば いせはさきがけ おうみはあとに 命饗 繁にし鎮むべきならば伊勢は先駆…

東海道五十三次 五十の宿 近江国甲賀郡 水口宿 水口の石にや匂うみましかも

近江国甲賀郡(滋賀県甲賀市) 水口宿 名物 水口石を言祝き 大井子に捧ぐ なみの手にくみするものか力石 ただしららなる大井子の手に 699. なみのてに くみするものか ちからいし ただしららなる おおいこのてに 並の手に与するものか力石 唯白らなる大井子…

東海道五十三次 五十の宿 近江国甲賀郡 水口宿 夕つ顔ほすおみなこや よく聞かね

近江国甲賀郡(滋賀県甲賀市) 水口宿 水口 名物干瓢 広重の手によせ 言祝く 愛し汝みましな干しそ みなぎらうくくりみにこそ幸うせもあれ 698. はしいまし みましなほしそ みなぎらう くくりみにこそ ちわうせもあれ 愛し汝汝な干しそ 漲らう潜り身/実にこ…

東海道五十三次 四十九の宿 近江国甲賀郡 土山宿 ものわかりよき甲羅やな舌つづみ

近江国甲賀郡(滋賀県甲賀市) 土山宿 名物 蟹ヶ坂飴を言祝く つくばいし道触りの蟹の厄はらえ まろきあまきに益とけゆかね 697. つくばいし ちふりのかみの やくはらえ まろきあまきに やくとけゆかね 蹲いし道触りの蟹の厄祓え 円き甘きに益溶け行かね つ …

東海道五十三次 四十九の宿 近江国甲賀郡 土山宿 田村なれ 祀る社もゆく水も

近江国甲賀郡(滋賀県甲賀市) 土山宿 土山 春之雨 広重の手によせ 言祝く つづらあめ千々にあもれり やわさかすますらお川に春をつみつつ 696. つづらあめ ちぢにあもれり やわさかす ますらおがわに はるをつみつつ 十ら雨千々に雨降れり 和さかす益荒男川…

東海道五十三次 四十八の宿 伊勢国鈴鹿郡 阪之下宿 わがせなとよべば夜深し立烏帽子

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 阪之下宿 鈴鹿御前に奉る 山月よかのさま手びけ慕いつつした待つ御前をあわれと思わば 695. さんげつよ かのさまてびけ したいつつ したまつごぜを あわれとおもわば 山月よ彼の様手引け慕いつつ下待つ御前を哀れと思わば さ …

東海道五十三次 四十八の宿 伊勢国鈴鹿郡 阪之下宿 筆捨てのゆかりを問えど岩根山

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 阪之下宿 阪之下 筆捨嶺 広重の手によせ 言祝く 峰もうたた色こき往にし法眼の筆を呑みしか言わねのさのさ 694. ねもうたた いろこきいにし ほうげんの ふでをのみしか いわねのさのさ 峰も転色濃き往にし法眼の筆を呑みしか言…

東海道五十三次 四十七の宿 伊勢国鈴鹿郡 関宿 関の山 舞台回しの山場なる

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 関宿 名物 祇園夏まつりを言祝く 背子の手ゆ軋めく山車の斎つ子らはくるめく闇にとけつうかびつ 693. せこのてゆ きしめくやまの ゆつこらは くるめくやみに とけつうかびつ 背子の手ゆ軋めく山車の斎つ子らは転めく闇に溶けつ…

東海道五十三次 四十七の宿 伊勢国鈴鹿郡 関宿 日入りにはいづこの空か朝まだき

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 関宿 関 本陣早立 広重の手によせ 言祝く まれびとは急きてこそたて東雲の行くさのつゆは草に庵らふ 692. まれびとは せきてこそたて しののめの ゆくさのつゆは くさにいおらふ 稀人は急きてこそ立て東雲の行くさの露は草に庵…

東海道五十三次 四十六の宿 伊勢国鈴鹿郡 亀山宿 曽我におとらぬ元禄ひとつはら

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 亀山宿 名物 石井兄弟敵討を言祝く いかで天かれと戴かめや さらば真秀にも非にもはたさざらむや 691. いかでてん かれといただか めやさらば まほにもひにも はたさざらむや 如何で天彼と戴かめや 然らば真秀にも非にも果たさ…

東海道五十三次 四十六の宿 伊勢国鈴鹿郡 亀山宿 白みけしふれなばとけむ血の熱さ

伊勢国鈴鹿郡(三重県亀山市) 亀山宿 亀山 雪晴 広重の手によせ 言祝く 天降り華 やまし命の目離れ憂みかしろくつつむ心もおもても 690. あもりばな やましいのちの めかれうみ かしろくつつむ うらもおもても 天降り華 疚し命の目離れ憂みか白く包む心も表…