うたのみあらか

かみほめ つちほめ たてまつる みそひとつ

2018-09-11から1日間の記事一覧

東海道五十三次 三十三の宿 三河国渥美郡 二川宿 炊くにおいに身から傾げかし

三河国渥美郡(愛知県豊橋市) 二川宿 二川 猿ヶ馬場 名物を言祝く いく山河ふみこしくれば頼りなきわがはらたまら 来よかしわ餅 660. いくさんが ふみこしくれば たよりなき わがはらたまら こよかしわもち 幾山河踏み越し来れば頼り無き吾が腹玉ら 来よ柏…

東海道五十三次 三十三の宿 三河国渥美郡 二川宿 さびしきもただ鳴るままに瞽女のゆく

三河国渥美郡(愛知県豊橋市) 二川宿 二川 猿ヶ馬場 広重の手によせ 言祝く 吾妹どちたがい連ねにふる風は心に影さし色いけるかも 659. わぎもどち たがいつらねに ふるかぜは うらにかげさし いろいけるかも 吾妹どち互い連ねに触る風は心に影差し色いける…

東海道五十三次 三十二の宿 遠江国浜名郡 白須賀宿 子を守る身にも輩の生えてけむ

遠江国浜名郡(静岡県湖西市) 白須賀宿 名物 袈裟切り地蔵を言祝く 永久なるは六道またぎし菩薩すらもてわずらうかあやかしづくとは 658. とわなるは ろくどうまたぎし ぼさつすら もてわずらうか あやかしづくとは 永久なるは六道跨ぎし菩薩すらもて煩うか…

東海道五十三次 三十二の宿 遠江国浜名郡 白須賀宿 枝折らるるままに海つ神いとまごい

遠江国浜名郡(静岡県湖西市) 白須賀宿 白須賀 汐見阪図 広重の手によせ 言祝く 離れ来てはすなわち離るらし まさら汐見の阪に遠つうみ見ゆ 657. かれきては すなわちさかる らしまさら しおみのさかに とおつうみみゆ 離れ来ては即ち離るらし 正ら汐見の阪…

東海道五十三次 三十一の宿 遠江国敷知郡 荒井宿 きびし関所は楽居といかず

遠江国敷知郡(静岡県湖西市) 荒井宿 荒井 渡舟ノ図 船旅の終わりを言祝く すべるごとはかゆく海の緒今切れば埒あけもがも改めしげきに 656. すべるごと はかゆくみのお いまぎれば らちあけもがも あらためしげきに 滑る如果行く海の緒今切れば埒開けもが…

東海道五十三次 三十一の宿 遠江国敷知郡 荒井宿 風はあざらにすずしげに

遠江国敷知郡(静岡県湖西市) 荒井宿 荒井 渡舟ノ図 広重の手によせ 言祝く はやあしにかぶる埃は今切に楽の船路そありがたげなる 655. はやあしに かぶるほこりは いまぎれに らくのふなじそ ありがたげなる 早足に被る埃は今切に楽の船路そ在り難げなる …

東海道五十三次 三十の宿 遠江国敷知郡 舞坂宿 いく双のわらじや捨てつる来し方に

遠江国敷知郡(静岡県浜松市) 舞坂宿 舞坂 今切真景 船の旅を言祝く 徒がちにさはしるあせは今切にひるめ耀う青海さはしる 654. かちがちに さはしるあせは いまぎれに ひるめかがよう あおみさはしる 徒勝ちにさ走る汗は今切にひるめ耀う青海さ走る か ち…

東海道五十三次 三十の宿 遠江国敷知郡 舞坂宿 まばゆきに手な傘さして

遠江国敷知郡(静岡県浜松市) 舞坂宿 舞坂 今切真景 広重の手によせ 言祝く えも青む遠つ淡海の今切の爽だつうらにかすむ白富士 653. えもあおむ とおつあうみの いまぎれの さわだつうらに かすむしらふじ えも青む遠つ淡海の今切の爽立つ浦/心に霞む白富…

東海道五十三次 二十九の宿 遠江国敷知郡 濱松宿 みましは翁にあらざるべし

遠江国敷知郡(静岡県浜松市) 濱松宿 濱松 冬枯ノ図 名物 ざざんざの松を言祝く 八幡の真白ぎつねのつまみなば敷知の許部松ざざんざ唄わね 652. はちまんの ましろぎつねの つまみなば ふちのこべまつ ざざんざうたわね 八幡の真白狐の抓みなば敷知の許部松…

東海道五十三次 二十九の宿 遠江国敷知郡 濱松宿 来し方行く末 身のからも

遠江国敷知郡(静岡県浜松市) 濱松宿 濱松 冬枯ノ図 広重の手によせ 言祝く 火のどちはあい知らぬまま聞かぬまま世ごと焼べつつあいぬくめゆく 651. ひのどちは あいしらぬまま きかぬまま よごとくべつつ あいぬくめゆく 火のどちは相知らぬまま聞かぬまま…

東海道五十三次 二十八の宿 遠江国磐田郡 見附宿 夜さのもののけ 与謝の手なる

遠江国磐田郡(静岡県磐田市) 見附宿 名物 夜泣き婆を言祝く あなおそろ 怪異の哭き女の恙まく御族のいかで禍つ日よきむ 650. あなおそろ けいのなきめの つつがまく みぞうのいかで まがつひよきむ あな怖ろ 怪異の哭き女の恙まく御族のいかで禍つ日避きむ…

東海道五十三次 二十八の宿 遠江国磐田郡 見附宿 乗するにも乗るはなじまぬ栗毛どの

遠江国磐田郡(静岡県磐田市) 見附宿 見附 天竜川図 広重の手によせ 言祝く 蹴るあしの地の子なれば水漬くやも 馬子のくどきも煙ととくらむ 649. けるあしの つちのこなれば みづくやも まごのくどきも けむととくらむ 蹴る足の地の子なれば水漬くやも 馬子…

東海道五十三次 二十七の宿 遠江国山名郡 袋井宿 賽をふりふりあがりは遠し

遠江国山名郡(静岡県袋井市) 袋井宿 言祝く ふりだしゆ陸に山河に一会ごしいままなかいに真中の宿みゆ 648. ふりだしゆ ろくにさんかに いちえごし いままなかいに まなかのしゅくみゆ 振り出しゆ陸/六に山/三河に/二一会ご/五し/四今目な交いに真中の宿み…

東海道五十三次 二十七の宿 遠江国山名郡 袋井宿 みましも憩うか ついばむどちよ

遠江国山名郡(静岡県袋井市) 袋井宿 袋井 出茶屋ノ図 広重の手によせ 言祝く 行きさしの路次の竈つ火にくすぶるも風狂ならむや遠つ鳥子ろ 646. いきさしの ろしのへつひに くすぶるも ふうきょうならむや とおつとりころ 行き止しの路次の竈つ火に燻ぶるも…

東海道五十三次 二十六の宿 遠江国佐野郡 掛川宿 瀬を暗み宿りかさぬる佐野の宿

遠江国佐野郡(静岡県掛川市) 掛川宿 川を言祝く かぞうれば日長くなりぬ吾が旅は あした渡れど倉真と言いしに 646. かぞうれば けながくなりぬ わがたびは あしたわたれど くらみといいしに 数うれば日長くなりぬ吾が旅は 朝渡れど倉真/暗みと言いしに か …

東海道五十三次 二十六の宿 遠江国佐野郡 掛川宿 などて離るや かえるべき家のあるまいに

遠江国佐野郡(静岡県掛川市) 掛川宿 掛川 秋葉山遠望 広重の手によせ 言祝く 寄す処なき凧にしあらば宙をかけ参り来てしが秋葉やまぎわ 645. よすかなき たこにしあらば そらをかけ まいりきてしが あきはやまぎわ 寄す処無き凧にしあらば宙を翔け参り来て…

東海道五十三次 二十五の宿 遠江国佐野郡 日坂宿 無念なるらめ 抱きしもあえぬいろはこそ

遠江国佐野郡(静岡県掛川市) 日坂宿 日坂 佐夜ノ中山 名物 夜泣き石を言祝く 魂尽くるにも母ごころ尽きざらし 佐夜の中山かなし石泣く 644. たまつくる にもははごころ つきざらし さよのなかやま かなしいしなく 魂尽くるにも母心尽きざらし 佐夜の中山哀…

東海道五十三次 二十五の宿 遠江国佐野郡 日坂宿 道さびしくとも熊な来そ

遠江国佐野郡(静岡県掛川市) 日坂宿 日坂 佐夜ノ中山 広重の手によせ 言祝く 山の辺の佐夜鹿まさか嵩ゆくさ五百つ松見つべきに見え来に 643. やまのへの さよしかまさか かさゆくさ いおつまつみつ べきにみえこに 山の辺の佐夜鹿 目前嵩行くさ五百つ松見…

東海道五十三次 二十四の宿 遠江国榛原郡 金谷宿 大井越しみやこはいまだ遠江

遠江国榛原郡(静岡県島田市) 金谷宿 言祝く 徒歩よどみなぞりし道こそ八尋なれ淡海のいまだ遠つと宣ばく 642. かちよどみ なぞりしちこそ やひろなれ あうみのいまだ とおつとのたばく 徒歩淀みなぞりし道こそ八尋なれ淡海の未だ遠つと宣ばく か ちよどみ …

東海道五十三次 二十四の宿 遠江国榛原郡 金谷宿 水やたぎつな とくとく渡せ

遠江国榛原郡(静岡県島田市) 金谷宿 金谷 大井川遠岸 広重の手によせ 言祝く 如何にしかやどらむ ゆかなゆかばはや喉もとすぐる国方の道 641. いかにしか やどらむゆかな ゆかばはや のどもとすぐる くにがたのみち 如何にしか宿らむ 行かな行かば早や喉も…